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短期売上が求められる小さな会社に、ブランド戦略は必要か考えてみた
はじめに
こんにちは!クロスコムの本田です。
今回は『短期での売上が求められる小さな会社でも、ブランド戦略は必要なのか』について自分なりの考察をしていきます。
自社も小さな会社なので、まずは売上づくりにリソースのほとんどを割いています。一方で、研修やビジネス著書を通してブランド戦略について学んでいる内に、『ブランド戦略って、企業成長ステージのどのステージで実行するのが適切なのか?』という疑問を持ちました。
「売上づくりより、まずブランドを守ることが優先?」「ブランド戦略って、事業規模が小さくてもホントに必要?」「早めに始める方がいい?」とか、自分自身も頭の中で思い巡らせることが多いので、ここでアウトプットしながら整理していきたいと思います。お付き合いいただけると嬉しいです。
そもそも企業ブランドをつくるリソースがない
事業拡大⇒事業安定に向けてマーケティング活動に全力を注いでいる小さな会社にとって、ブランド戦略はおそらく馴染みがないと思います。そもそも『ブランド』という言葉自体が言語化できないでしょうし、実行する意義すら理解されていないのではないか、というのが私の印象です。
ですが、日頃から小さな会社さまを支援している自社の見解としては、そもそも小さな会社にはブランド戦略に対してリソースを割く余裕がないと思います。
目先の売上づくりに必死で時間がない
事業拡大⇒安定に向けて、目先の新規顧客の獲得に追われる小さな会社は、売上づくりに必死で時間がありません。短期的に成果が出やすいマーケティング活動の方が、目標達成に早く近づけられるからです。
ブランド戦略は、マーケティングと比べて成果に時間がかかってしまいます。なので一度そのイメージを持たれてしまうと、企業内で取り組み意欲が下がり、優先順位もどんどん下がっていきます。そもそも売上に貢献できる活動として、認識されていない企業も多くいると感じるくらいです。
知見がないから、難しく聞こえる
またブランド戦略は、マーケティングと並んで専門性が高く実体がないので、少しの学習で会得できる概念でもありません。ブランド論確立の立役者であるデビット・アーカー氏のブランディング著書を読んでも、用語はもちろん抽象的な説明も多く理解が難しいのが、みなさんの印象ではないでしょうか。
仮にマーケティング活動と並行して取り組める時間を確保できたとしても、「概念を自分の言葉で解釈できず、結果的に実務への転換ができない」という悩みは、現場でよくあるのではないでしょうか。その難しさがゆえに、ブランド戦略に取り組む意思が現場から遠ざかっているのだと考えています。
短期成果を求める会社には必要ない
そしてこの記事の結論になりますが、『今すぐ売上が欲しい会社にとっては、ブランド戦略は取り組む必要はない』が私なりの考察です。理由はこれから説明していきますが、マーケティング活動の改善を行う方が、よっぽど短期的に売上づくりに貢献できると考えています。
ブランドは「徐々に形成されていく」
そもそもブランドとは『消費者の頭の中のイメージ』です。企業名を聞いても「知らない」「知ってるけど何も感じない」「好き」「嫌い」など、消費者によって捉え方は様々であり、企業がどう働きかけようが、消費者が感じたイメージそのものがブランドになります。
企業からすれば、ブランド戦略は売上へつなげるために『好かれる企業ブランド』を目指さければなりませんが、企業はそう簡単にブランドをコントロールできません。だって一度や二度の接触回数で消費者から好きになってもらうことって、かなり難しくありませんか?
初対面の人と2~3時間会話しても、人柄や価値観まで理解できることってなかなかないと思いますし、好きになることもほとんどないと思います。ましてやビジネスにおいては、消費者と会話できる時間はほとんどありません。会話がほとんどない中で、さらに相手から好かれるように期待値を満たし続けることが求められます。これってカンタンでしょうか?難しいですよね。
つまり企業のブランド戦略においては、消費者と仲良くなることではなく、売上につなげるよう消費者の生活になくてはならない存在を目指すことであり、消費者の期待値を満たし続けなければいけません。『好き』は、その期待値を満たし続けた先にあるというわけです。
ここまで読むと、ブランド戦略による売上づくりには成果まで時間がかかる印象を持ったのではないでしょうか?はい、その通りです。2~3か月程度では成果は期待できないでしょう。ブランドは徐々に形成されていくものですので、マーケティング活動より時間がかかるのは、少しでも分かっていただけたかと思います。
評価測定はできても、売上測定はできない
またブランディングによる成果は、測定が難しいです。なぜならブランド戦略の目的である『好き』という感情自体が、売上のように定量的に測定ができないからです。ですが『ブランドへの好き度合』を、別の指標として評価測定することは可能です。
消費者・顧客へのブランドに対するアンケートとして
①NPS(Net Promoter Score)
・・・『友人にこの商品を、どの程度推奨したいか?』を
0~11点の11段階で計測。
②DWB(Definitely Would Buy)
・・・『商品を絶対に買いたいか?』を1~5点の段階で計測。
そもそもブランドを認知しているかという観点で、WebサイトやSNSなどの露出メディアのトラフィック数を計測する方法もあります。ですがトラフィック計測だけでは『好き』の感情分析はできないので、NPSとDWBのようなアンケート調査で売上への貢献度合いを評価測定することは可能だと思います。
しかしその評価測定の数値が、マーケティング施策による成果なのか、ブランド戦略による成果なのかは、あらかじめ社内間で共有し、切り分けて考える必要がありますので、注意が必要です。
日々の小さな意識と行動で、ブランドを育てていく
『ブランド戦略はすぐに売上につながるわけではないため、短期成果を求める会社には不要』が私の考察でしたが、では「まったく取り組まなくてもいいのか?」というと、そうではないと考えます。最後にその点だけ少し話します。
機能性では勝負できない、だからやる
小さな会社にとって、商品の機能性だけでは競争優位が得にくい局面は少なくないと思います。キャンペーンオファーや期間限定を用いた価格優位性では競争できますが、事業として長くは続きません。
消費者から選ばれるために、『好き』という感情は競争優位を獲得する強力な差異点ですので、高度な戦略立案から始めなくても、「こういう印象を持ってほしい」という意識を、広告・LPのコピーや商談時のコミュニケーションに反映させるだけでも成果は期待できると考えます。
日々の積み重ねが、売上につながる
その少しの意識と行動の積み重ねが、ブランドを形成し、『好き』を育み、ファンになってもらい、口コミで新しい顧客を連れてくる、と段階を踏んで最終的に売上になると信じています。そんなブランドを自社でも展開していきたいと思ったところで、この記事は終わりとします。
以上です、最後まで読んでいただきありがとうございました!
P.S. 日々の発信がブランディングの土台になります。何者でもない小さな会社同士、いっしょに駆け上がりましょう!
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