流れ星

那須の夜空は満天の星が輝く。
夕食後に闘鶏の絵が描かれた
「ファイティングコック」なる
バーボンウイスキーを飲んだ。
ベランダにふらふらと出て
頭上を見上げると樹木の間に
たくさんの星が瞬いている。

しばらく夜空を眺めていると
すーっと一筋、星が流れる。
「あっ、流れ星だ!」
流れ星を見るだけで嬉しくなる。
今はただ嬉しいだけだが、
若い頃なら好きな人の名前を
唱えていたことだろう。

「流れ星が消えないうちに
好きな人の名前を3回唱えたら
その恋は成就する」
そう言われていたからだが、
流れ星はまさに一瞬の出来事。
とても好きな人の名前を
3回も唱えることなどできない。
 
でも、できないからこそ
夢を見られるのかもしれない。
3回唱えることができて
失恋したらたまったものではない。
流れ星を恨むことになる。
唱えることができないから
いつまでも恋を味わえるのだ。

流れ星に願いを!
酔った気分に最高である。