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中学校の人権侵害3点


学校は人権侵害の要素が満載です。1.服装や持ち物など細かく生徒を規制する校則、2.生命の危険があるのに野外スポーツをさせる体育と部活、3.内申点という呪縛の3点について書きます。


1.服装や持ち物など細かく生徒を規制する校則



「靴下は白、染髪禁止、生まれつき茶髪の生徒は地毛証明を出す、髪を留めるゴムの色は黒、」などなど、事細かに服装や髪型を決める校則は理不尽です。制服は夏暑く冬寒い。スカートは足腰が冷えます。女子は腰回りを温めることが健康に必須なのに。
服装・髪型が学習に影響するというデータを寡聞にして知りません。茶髪は数学的能力を低下させますか。根拠が決して示されないところを見ると、要は大人の考える「中学生らしさ」の枠に嵌めたいだけなのだと思います。先生は「主体的に考える」と唱えますが、実は私たちが主体的に考えることを決して望んではいないのでしょう。また「集団生活にはルールがある」とことあるごとに言いますが、ルールの中身を検討して理不尽なら改める必要があります。私には、先生がとにかく中学生集団を統率して抑え込もうとしているように映ります。
理不尽で細かい校則で生徒を縛るより、他人の学習権を侵害するいじめっ子を隔離して更生教育を受けさせる方がよほど意味があることです。今は虐められた子が転校を余儀なくされ、いじめっ子はコロッと忘れてパフェでも食べている始末です。これでは、安心して学習に励むことはできません。


2.生命の危険がある猛暑のさなか野外スポーツをさせる


ここ数年体温を超える猛暑が当たり前になりました。それなのに、昭和の時代さながらに水分補給禁止で炎天下でスポーツに励ませるのは人権侵害も甚だしく、文字通り生徒を命の危険にさらすものです。「今までやってきたから」で思考停止して改めようとしないのは先生の怠慢では。7月末には山形県米沢市で部活帰りの女子中学生が熱中症とみられる症状で搬送され、その後死亡が確認されたという痛ましい事件もありました。熱中症の経験者は「最初は喉が渇いただけかと思いましたが、見る見るうちに身体が重くなり意識がなくなって倒れました」と語ります。初動が遅れて重症化すると脳に後遺症が残る場合もあり油断できません。
そこまで危険を冒して中高生に野外でスポーツをさせるのは大人の勝手な事情では。大人は「熱闘甲子園」に代表される、中高生が夏の太陽にカッと照らされて汗を流してスポーツする姿に感動するみたいですね。その姿をエアコンの効いた室内でビールでも飲みながら鑑賞して「感動の涙」を流すのでは。でも私たちは大人の感動のための道具ではありません。


3.内申点という呪縛


高校入試では、私立高校も含めて、学力検査と内申書の評価を合算して合否判定を行うところがほとんどです。9教科の成績に加えて、観点別の学習状況や総合的な学習の時間の記録、スポーツ・文化・社会活動、ボランティア活動の記録など様々で、都道府県ごとに様式が異なります。
学校生活の隅々まで評価の対象になるのは相当息苦しいことです。
内申書を意識して「よい子」にならないと、というプレッシャーがかかることは容易に想像できます。2020年に東京大学教授の中村高康氏が高校生約3000人を対象に調査を実施しました。いくつかの調査結果のなかで、内申書の支配力について考察したものが中学生活の窮屈さをよく表しています。

参照)https://toyokeizai.net/articles/-/658310
より引用します。
「内申書を意識して行動した人の数」と「内申書を意識したかどうかに関わりなくなされた行動者の数」とを比べることで、内申書の支配力についても考察している(〈内申書を意識した行動者数〉/〈総行動者数〉×100=内申書支配率 )。例えば、生徒会役員に立候補した生徒のうち73.3%が、部活動の部長・副部長のうち76.4%が内申書を意識して立候補していた。そのほかの項目においても、内申書の支配率が極めて高くなっていることが次のグラフでもよくわかる(総行動数を「とても当てはまる」+「まあ当てはまる」の合計値として同様に計算)。

グラフからいくつか抜き出すと
休み時間や放課後に先生によく質問しに行った 105.0% ←1位
定期テストの成績が上がるようにがんばった 100.2%
授業中に積極的に発言した 94.2%
授業をまじめに聞くようにした 86.8%
校則を守った 84.2%
ボランティア活動を積極的にした 83.7%
生徒会・委員会活動に積極的に取り組んだ 81.3%
先生に反発しないようにした 78.0%

何しろ進学を人質に取られているわけですから、先生にとって都合のいい生徒であるように、強いインセンティブが働きます。こんなもので縛っておいて「主体的に考える」とは絵空事ですね。先生は本当は主体的に考える生徒が煙たいのでは。クラスのAさんはとても勉強ができるけど理科の先生と相性が合わなくて「5」から「3」に成績を下げられたと言ってました。
特に首都圏では中学受験が過熱して問題になっているようです。私も小学生が遊びや睡眠時間を削って長時間勉強することには賛成しませんが、公立中学で内申点の縛りがあり、言い方は悪いのですが先生の「人質」状態になることを避けるために私立中学にやりたいという親の気持ちも理解できます。

以上、細かすぎる校則、猛暑でも生命の危険にさらして野外スポーツ、内申点の呪縛という3点について人権が侵害されていることを述べました。(今もあんな場所で大勢の中学生が生活しているのが信じられません。学校に適応しない方がむしろ正常なのでは)







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