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「堂々と自分を打ち出す」ができない深い理由

自己アピールができない、ブレーキがかかる


日ごろは数学の家庭教師として生計を立てているのですが、新しくオンライン自習室を構想中、いやもう一歩進んでモニター募集中です。(詳細はこちら)このようなものは、主催者の出身大学を冠すると注目を浴びるしお申込みに繋がりやすいのです。巷にもたくさんあるでしょう。「〇大生が教える個別指導塾」のようなのが。

しかし、うう、これは受け付けません。セラピー案件のようです。だとしたら無理に壁を突破しない方がよさそうです。というわけで穏便なタイトルに収めました。

過去何度もあるパターン

この件に限りませんが、「もっと積極的にor前向きになろう」とコンサル、オンラインサロンその他で言われたことは数知れず。そのたびに胸がうっと詰まるような感じがします。今なら身体が私を止めたのだとわかります。分かる前は本当に大変でした。言語化できません。本人も頭では理由がわからないから、稼ぐチャンスなのに動けない自分を責めて辛かった。其れでもがんばろうとして、いきなり燃え尽きてオンラインサロンをやめたこともあります。前日まで明るく積極的に振舞っていたから、仲間は意味不明という視線を送りました。当然です。その当時の仲間とは疎遠になってしまいました。

やっとわかったその深い意味

最近、それが命を守る仕組みだとわかりました。自律神経の仕組みが身を守るために意識しないレベルで働いているようなのです。関連書を数冊読み、実際に自律神経を整えるセラピーを受けると、自分の行動の意味が少しずつ分かってきました。周囲はもちろん、自分自身にすら(!)理解されずとも命を守り抜いた身体の英知の素晴らしさよ。

私の自己理解に役立った本

これでは何の話か分かりませんね。途中がすっ飛んでいます。まずは感覚で書くのをお許しください❣ 「レジリエンスを育む」にうまい説明があります。

子ども時代に安全と安定がひどく欠落していたことで、自分の生理学的・感情的な反応を調整する能力が発達しなかったことを理解すると、彼女は長年の端の気持ちから解放され安心し始めた。自分の症状は無秩序で安定がなかった子ども時代の副産物なのであり、自分だけが苦しんでいるわけではないのだと、助けを受け入れるきっかけになった。始終、高鳴る心臓、意味もなく必死で「逃げなければならない」という衝動を感じることは、まさしく幼い彼女が生きるために闘ってきた状態そのものだったのだ!「死ぬかもしれない」と言う感覚は、生き延びるためにずっと苦闘をしてきた証拠だった。

キャシー・L・ケイン/ステファン・J・テレール著 花丘ちぐさ・浅井咲子訳「レジリエンスを育む」


滑稽と思えた数々の言動は過酷な日々を生き抜いた証だとわかりました。そして今、自分を打ち出すことにブレーキがかかるのも、頭では記憶していない何かの事情があるのでしょう。身体が止めることには意味があります。ビジネスに不利でも、周囲の理解は得られなくても、感覚に従って消極的かつ穏便にプランを進めます。

ビジネスコンサルやオンラインサロンをまとめる人は前向きな努力家さんが多いので、「がんばれ!」「やればできる!」が主流です。でも裏を返せば「やらないのは怠けだ、甘えている」と言われているようなものです。これは私にとってかなり過酷です。最近もSNSで「怖いとかダメだとか無理、という言い訳を乗り越えた先に成功がある」ような言葉が目に飛び込んできました。うわぁ。(蒸発)

やる気とか意欲とか気合と違う次元で私たちの生命活動は行われています。でなければ人類はとっくに滅びていたでしょう。そして脳は人間のごく一部に過ぎず、ましてや思考は脳の一部、生死に関わらない部分が担っています。生きるか死ぬかの場面だと思考を司る部分は遮断され、まったく考えられなくなります。記憶すらされないようです。思い通りに動けない自分は怠けものだと叱咤激励するより有効な方法があります。まずはご自分に優しく。私たちは思うよりずっとがんばっています。


主に数学の勉強について、たまにHSP関連のことを書いています。
中3・高1の数学でつまずいても基本をきっちり押さえれば理系の受験に間に合う


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