どこか幼いとこがある私の母親 だから子ども(私)の現実を受け入れられない
私は4人姉妹の長女です。いつも妹と一緒で一人になることができない家庭環境は惨憺たるものでした。さて、長じてカウンセリングに通うようになり、親への恨みつらみが炸裂、母をなじりました。「なんで4人も子ども作ったのさ」
「子ども大好き💛もっともっと生みたかったんだもん」
どこか幼い口ぶりに、なぜ私がこれほど苦しまねばならなかったか、わかった気がしました。
母は、結婚生活の過酷な現実から目をそらすためにたくさん子供を作った可能性があります。子だくさんで忙しくすれば気がまぎれますよね。単なる無計画だったのかもしれませんが笑。何しろ子どもがうじゃうじゃいた1970年代ですから、将来を見据えて計画的に子どもを作る人はあまりいなかったと思います。
実家から遠く離れた異郷暮らし。当時都市と地方の格差は今よりずっと大きく、当地の夜は真っ暗、道は舗装されておらず、住民の顔も実家の辺りと違ったそうです。父は企業戦士で家庭不在、気位が高いお姑さんと同居、これだけ条件がそろえば何か起こるのは当たり前ですね。そして、起こることが起こりました。
母には夢見がちな少女のようなところがあります。バラ色の結婚生活が「こんな筈じゃなかった」。でももう引き下がれません。50年前、離婚は恥でした。今こういう考えが薄れたことをとても嬉しく思います。「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」(論語)。
母は三人姉妹の長女です。妹に弱みを見せられないという気負いがあったと思います。「こんなの嫌だぁ、もうやめる実家に帰る!」と何もかも捨てて、恥も外聞もなく「出戻り」することは心理的にあり得なかったのでしょう。むしろ出戻りしてほしかった。歯を食いしばってがんばるよりは。
結婚して間もなく叔母(母の妹)が結婚生活はどう?と訊いたとき母の回答が「幸せよ❣」という断定調だったそうです。危ういですよね。本当に幸せな人はのほほんとした口調で返すと思います。人の本音は口調に現れます。
愚痴を言えればまだましです。愚痴も言えないのは最も深刻です。母は「幸せいっぱい」だと思い込むことでどうにか心を保っていたのではないでしょうか。
「幸せいっぱい」なはずの母は、金切り声で私を罵倒するのが日常茶飯事でした。私の粗相のレベルに対して度を超えた罵倒。幼い私は謝罪の余地もなく徹底的にやり込められました。このことは、今も私の対人関係に暗い影を落としています。
母は自分の育ち方について多くを語りませんが、祖母にネグレクトされていた疑いがあります。神経系の慢性的な過緊張を感じます。特徴として声のトーンがいつも固いのです。せわしなく動き回り、疲れ切ると崩れ落ちて寝込みます。寛ぐというモードが不在です。叔母は、母には「余白がない」と言いましたが実に言い得ています。そして、養育者の余白こそ、子どもが最も必要とするものです。
私の愛着の状態をよく言い表す箇所を引用します。
一番身近な母親がこの状態だと子どもによからぬ影響があると、何となく想像がつくと思います。念のため子育ての全責任を母親に負わせる意図ではありません。父は子育てにおいて全く不在でしたが、その問題は別の機会に書きたいと思います。
母の状態はわかりましたが、同情する気持ちにはなりません。「お母さんの方がトラウマを抱えているのだから歩み寄りを」のように言われることもありますが、被虐待児にそれを求めてはいけません。母の事情と、加害被害の関係があることは別です。
「早産でしたか?出生前からストレスに晒されていたようなサインがあります」とセラピストに言われました。早産ではありませんが、妊娠中の母の環境は安らぎがあるとは言い難く、胎児の私がその影響を受けたことは大いにあり得ます。
救いのない話を延々と書いてきましたが、適切なケアを受けるとほんの少しずつですが回復します。私たちには内なる回復力と自分を癒す力があります。たとえ40代からでも(80代でも!)健やかになれます。
お世話になっているセラピーの特徴
安全で優しい手法です。辛い過去を正視する、歪んだ認知を直す、のようなしんどいことはしません。
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普段はオンラインで数学を教えています。
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