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硬膜外血腫になったら?

急性硬膜外血腫について説明します。


①急性硬膜外血腫とは

転倒や、強い衝撃で頭をぶつけることがあった際に、その衝撃が原因で頭蓋骨と硬膜の間に出来る血腫のことです。

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②どんな状態?

受傷直後は意識障害がなく、血腫が増大し脳を圧迫するまでは意識が清明なことが多いのが特徴です。

進行性に意識障害が出現したり、受傷直後に意識消失することもありますが、すぐに回復します。
 
血腫の増大とともに、頭痛、嘔吐、意識障害、瞳孔不同、血腫と対側の片麻痺、呼吸状態の異常といった症状が出てきます。

血腫と対側の片麻痺とは、右の頭をぶつけて、血腫ができた場合は左手足の麻痺がでると言う意味です。
 
このような症状がある際には速やかに救急車を呼びましょう🚑
 

③検査

CT

頭部CTでは、頭蓋骨の内側に凸レンズ型の高吸収域が認められます

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時間の経過とともに出血が増大することがあるので、症状出現時はCTで再評価することが重要となります。
 

④治療

保存的治療

神経学的に無症状で、CT上、血腫が小さいものであれば保存的に経過観察します。
 
血腫が増大し脳幹反射が消失したり、脳損傷が重度で回復の見込みが乏しい場合にも保存的に経過観察します。

 
外科的治療

外科的治療の適応は、以下のケースです。
 
* 意識障害の出現や進行性の悪化を認めるケース

* 頭蓋内圧亢進症状を認めるケース

* 血腫の厚さが2cm以上または、その量が20~30mL以上

 血腫の量に関してはCTで判断できます。
 
手術は、緊急で開頭血腫除去術が施行されるのが一般的です。
 

脳のむくみが高い場合には、一旦骨を外す外減圧術が併用されることもあります。

脳のむくみが落ち着いたら骨を戻しに再度手術をします。

術後はドレーンの管が頭に入り再度脳に出血がたまらないように管理します。翌日のCT検査で良ければ抜けます。
 
⑤入院期間

とくに多いのは若い人より高齢者が転倒する場合が多いです

入院期間は血腫の大きさにより前後しますが、2~3週間程度です。

万が一、出血がかなり酷く、手術適応とならない場合は看取り(みとり)の方針となります。

⑥急性硬膜下血腫

血腫ができる場所が違うだけで、治療はかわりません。

しかし、硬膜外より重症となります。
いずれにせよ、早めの受診をしましょう!

頭、脳の疾患に関しては、これぐらいにして、次は目の疾患にいきます!


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