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25.日本人女性になれなかった私

日本を出て違う文化圏になり、主婦で時間にゆとりが出てくると、
過去の自分を客観視したり、
昔のことを思い出す事が増えました

今まで余裕が無くて無視していた当時感じていた息苦しさについて、
自分の個性の蓋を外す為に、頭の整理をしたいと思います

学生時代に感じた周りと合わない違和感と自分の個性に蓋をした

中学生から、中高一貫の女子校に通う様になり、生まれて初めて、周りが女子だけになりました

なぜこんな事をしなければならないのか、理解不明な事が沢山ありました

休日に友達と雑貨屋等へ遊びに行ったり際、誰かが雑貨に対して可愛いと言ったら、
自分も必ず同調して可愛いと言わないといけない空気がありました
自分の好みでなくても、可愛いと言わなければならない事が不思議でなりませんでした
また、可愛いと言う割に、実際には全く購入しない行為が、ただただ不思議でなりませんでした
綺麗に陳列された商品をペタペタと触っては、可愛いとコメントして何時間も練り歩く行為が、時間の無駄と思えてならず、たまらなく苦痛でした

でも、当時の自分は、孤独=寂しい人と思っていて、1人でいる事が堪らなく怖く、
その輪から除け者にされない様、なんとか空気を読んで周りから浮かない様にしていました

友達の可愛いに同調しなければいけないとわかっていなかった頃、
こっちの方が可愛いと、共感しなかった事があります
相手の表情から、何か自分は言ってはいけない事を言ったんだろうなというのを察知しました

どういう理由でそう思うかを尋ねたり、自分はこう思うという、
議論したり、深掘りしたり、自己主張をするコミュニケーションは、嫌われるのだなと感じ、
自分の意見をはっきりと主張しなくなりました

また、中学生になった途端に突然、先輩に対しては敬語を使わなければいけない事が不思議でした
大学生や、社会人、自分よりもかなり歳が離れている年上や、
バスの運転手やお店の店員さん等、初対面の人、
上司など、取引先等、ビジネス上で、
敬語を使う事には違和感はなかったのですが、
たった1年早く生まれただけで、親に扶養されているただの子供の
何が偉いのかわかりませんでした

先輩だからと言う理由で、後輩をこき使う理由がわかりませんでした

部活では、「先輩の言う事は絶対」という掟があり、
先輩の少し気に障ることをしてしまい、数時間以上立ちっぱなしで説教されたり、土下座させられたりした事もあります
後輩1人に対し、10人位の先輩から、ひたすら自分の悪い所を説教された事もあります

社会に出た事もなく、理不尽な事を平気でしてしまう分別すらつかない
ただ数個年上の先輩から、反面教師以外に何を教わればいいのか、
何を敬ったら良いのか全くわかりませんでした

思い出づくりなのか、青春らしいことをしたかったのか、
先輩が皆で試合の時に着る部活のTシャツを突如作り出しました
どんな柄なのかもよくわからないまま、後輩も購入する事が勝手に決まっていて、
お金の徴収が突然来たことがあります

買わないという選択肢はありませんでした

欲しい人は買う、欲しくない人は買わない、なぜそんなシンプルな事すらできないのか、理解不能でした

年上だからなんでも言う事を聞かせるという、半ばパワハラまがいなやり方で、
同じユニフォームを着て、形だけの一体感を醸し出そうとする姿が、
自分には滑稽でなりませんでした

なぜ馴染めなかったのか

これまで、自分の性格が原因で、周囲と合わなかったのだと思って来ました

自分の性格が悪いから、
自分の考え方が常識から外れた無礼な人間だから、
周りと合わないのは自分のせいなんだと、ずっと自分のことを責めて来ました

自分の感情を出さない様に隠して何年も生きていたら、
どこまで口外して良いのか分からなくなり、無口になりました
自分が自分では無い様な感覚にもなりました

周りに恵まれなかったり、
辛い環境だったり、
誰かに嫌な想いをさせられても、
自分が悪いのだから、しょうがないと、自己否定を続けて来ました

日本生まれで、日本育ちで、
外国に住んだ事もなく、
海外旅行へ行った事は大学生まで無く、
英語や洋画、洋画が好きなわけでも無く、
家族や周りに外国に関連する人もおらず、
なぜか周りの人と考え方とズレていました

でも、ふと昔のことを思い出してみて、
当時の自分の状況を客観視してみると、
純日本人であるのに、日本の環境が合わなかった具体的な原因が3つ見えて来ました


1.実力主義の環境にいた

幼い頃からずっと習い事が時間の多くを占めていました
施設を管理してくれる方、コーチや親等、プレイをする環境を与えてくれている全ての大人に対しては敬語でしたが、
子供同士は年上かどうか関係なく、とにかく実力が全ての環境でした
実力がなければ、上のレベルには行けず、試合にも出してもらえず、
ひどい場合は、年上だろうが、年下から虐められていることもありました

そういった環境に身を置いていたせいもあり、
実力が伴っていないのに年上だからと言う理由で、
敬わなければならないというのが理解できませんでした

また、習い事が全て個人競技でした
チームプレイに全く馴染みがなく、和を大事にする事も理解ができませんでした

2.自己主張をしっかりするよう育てられた

幼い時から、自己主張をするように育てられました
なぜそうなのか、自分はどうしたいのか、黙っていないで説明するようにと、よく母親から言われていました
察するコミュニケーションとは真逆のストレートに表現するコミュニケーションの練習をずっとしていていたようです

その為、周りの人と会話をした際に、自分はストレートな物言いをしていたのだと思います
周りから、たまに言い方がとてもストレートで、きついと言われる事が度々ありました
日本語は曖昧な表現をする言葉で、日本人は表現を好むと知らなかった為、
自分の性格が悪くて、自分の日本語は何かおかしいと自分で思うようになり、
だんだん人とコミュニケーションが取る事が怖くなってしまいました

3.自分の性格が合理的だった

合理的で、理屈っぽく、なぜ?が自分の口癖です

同調したり、空気を読んだりする理由も、必要性も、
空気を読もうにも、そもそもどういう基準は、その時の環境によって異なる為、
何が基準なのかすら、わかりませんでした

自分は日本生まれで、日本育ちであるのに、
合理的な性格だった為に、
日本人特有のコミュニケーションをどう取って良いのかよくわからなかったのだと思います
私のこの合理的で、論理的な物言いは、「冷たい」と、
私の人格自体を否定される事すらありました

また、周りが女性だらけになった事で、共感するコミュニケーションが特に重要視される環境にいました

よくネット記事で見かける日本人女性の「女心」というのもわかりませんでした
どちらかと言うと、日本の男性に多いとされる考え方を持っていたのか、
男側が感じる女性の感情に対する疑問を、母親や、同級生から感じていました

察して欲しい、
わけもわからず機嫌が悪くなる、
事実をただ言っただけで、自分の気に入らない事だと激怒したり、泣き出したり
ただ自分の意思を主張できないコミュニケーション能力がないだけの、
幼い様に自分には見えました

結論のない会話ひたすら続けて共感して仲を深める、という女性のよくあるコミュニケーションも全く理解ができませんでした

同じグループではない人とは仲良くしないという謎ルールも意味がわかりませんでした

自分も女性であるのに、女性のことがわからないと感じており、
どこが怒りのポイントがわからない腫れ物の様に感じ、女性が怖くなりました

中高時代の6年間、自分の周りにいる人のほとんどが女性であった為、
結果として人と接する事が怖くなってしまいました

男性が女性に対して何か噛み合わない事があっても、1対1もしくは複数人男女がいる状態だと思います
また、そういう経験をするのは、たまに感じる程度で、
自分の感じた事はおかしいことでは無いと、誰かと共有できる機会があります

でも、自分の場合は、周りが全員女性の環境だった為、1対多でした
何か女性的コミュニケーションから外れた行動を取れば、いじめのターゲットになったり、除け者にされたり、集中的に非難され、
それが6年間続いたことで、自分を保つ事ができませんでした

外見が男性では無く、
自分の趣味は男性的なものでは無かったから、男性と話が合うわけではなく、
中学生〜高校生は、女子校で一切習い事が無くなってしまい、
男性との接触も無く、
男性とだけ仲良くするという振り切りも出来ませんでした

同性愛者でも無く、性同一性障害の様な症状も無く、

日本の女性に馴染めず、日本の男性にも馴染めず、

自分は中途半端な人間だとずっと感じて来ました

周りから浮いていても、幸いにも仲良くしてくれていた友人はいました
また、突然機嫌が悪くなる様な所謂日本の女性らしい女性では無い友人です

でも、自分の率直な想いを言うと人が離れていくと恐れる様になってしまった為、
友人に対し、ここのnoteで書いている様な心からの素直な想いを、誰にも明かした事はありません

いつかぽろっと言ってしまってはボロが出てしまうから、
自分の中でもなるべく自分の感情を掘り起こさない様にして来ました

周囲に物理的に人はいても、精神的には孤独でした

大学生になってから、同性で素を出せる友人が出来ましたが、
10年以上海外で暮らしていた帰国子女の友人でした
純日本生まれ、日本育ちの女性ではありませんでした

社会人になって初めて自分の性格が役に立った

10年近く自分の気持ちと個性を出すことに蓋をし続けていた中、
社会人になって初めて自分の率直な想いや、合理的な性格が役に立つ場面がありました

なぜか、仕事をしている際は、少しだけ自分の素を出せられると、
働きながら不思議に思っていました

こうして過去の自分を振り返ってみると、ビジネスシーンとIT業界が自分の合理的な性格と親和性が良かったのだと思います
また、周りには、理系の男性が多く、女性だけの環境に比べ、
ストレートな物言いを悪く言われる事があまりありませんでした

また、働いていて辛かった事を振り返ると、
マネジャーや経営陣への忖度といった、空気を読んだり、
派閥争いで、技術的にメリットの無い案が採用されたり、
合理的ではない場面に遭遇した際にストレスを溜めていたことに気がつきました

今後の働き方の方向性

ストレスを溜めず、自分の素直な想いと個性を生かして、働くにあたり
自分に裁量権を持って働ける有無というよりも、
「合理的な意思決定をしているかどうか」が、キーワードになると思いました

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