お家でできる読書感想文の書き方
残念ながら夏休みの天敵となっている読書感想文。
家庭での困り感を少しでも減らし,また,少しでも指導の役にも立てばと思います。
1 はじめに
新型コロナウィルスの影響で夏休みは短縮される方向でほとんどの自治体が動いていますが,毎年家庭で頭を悩ませている課題の一つの読書感想文。
子どもも困り感を持ちながら,特に小学校に通うお子様のいる親の困り感も目立ちます。
私は,読書感想文事態に対しては否定的ではありません。
むしろ大切にされるべきものだと考えます。
しかし,それはきちんとした指導の下で,書き方を学び,考え,読書の価値に気付くためとしてです。
この夏は,読書感想文の課題があるでしょうか?
頭を悩ませ,読書が嫌いになっては元も子もありません、。
また,インターネット上でタイトルと読書感想文と検索して丸写しというメディアリテラシーの欠片もない子供が増えていくことが残念でなりません。
今回はご家庭向けに私ができる情報発信をしたいと思います。
少しでも読書感想文に対する苦手意識が無くなり,本の価値や楽しさに気付けたらと願います。
2 書く材料を集める
何といっても,読書感想文は書く活動です。
そして,その書く活動を行うためには本を決め,読み切っているということを前提とします。
それをさらに段階を経て少しだけ細かくしてみていきましょう。
まずは本を選ぶ。
このことについては,どうしても普段の読書量や,読者としての経験値によって左右されるため,学年にあった課題図書を選んだり,本屋大賞の本,芥川賞,直木賞を受賞した本を選べばよいというものではありません。
子ども自身の目で本に触れてみて,
タイトルが気に入ったから読んでみようかな
表紙がきれいだから気になるな
映画になっていた本だから読みやすいかな
など,子どもが心を惹かれるところが少しでもあるものを選ばせてやってください。
間違っても,大人が読んでほしい本を押し付けてはいけません。
このことは,後述する書き方においても大切なポイントとなります。
本を選ぶことができたら,読む活動に進めます。
意外と取り組んでいる人が少ないのですが,一つだけ準備してほしいものがあります。
付箋です。
本を読みながら,
気に入った言葉
好きなシーン
などに付箋を貼りながら読み進めるようにします。
あとでピンポイントで読み返すこともできるし,その時心に響いたことは,意外と忘れてしまいます。
最後まで読み切ると,書く活動に入れます。
では,読んだ本を実際にどのように書けばよいのでしょうか。
お子様にアドバイスをする際に参考になればと思います。
3 読書感想文の構成
はっきり申し上げますと,読書感想文にこのように書きなさいという書き方はありません。
しかし,本との出会い,読書の価値,その他もろもろ(このもろもろは重要です笑)に沿って考えると,一応王道のセオリーを示すことが出来ます。
それを構造的に示して,子どもと保護者の負担を減らしたうえで価値のあるものにできればと思います。
読書感想文は,小学生だと1200字以上,中学生だと2000字程度の分量を求められます。
いきなり何も指導もなしにこの分量を書けというのは酷な話です。
では何を書くか。
いきなり内容やあらすじには触れません。
すぐに本の中身について触れたくなるのですが,いったん落ち着きます。
まず,読書感想文を書くことになったその本とどこで出会ったかについて書いてみましょう。
おうちの人と本屋さんに行ったときに目立つように飾られていた
大好きな先生に薦められた
おうちの人が自分とおなじくらいの年に読んでいたものと知った
読書感想文を書くことになったから図書室で見つけた
きっかけは何でも良いのです。
さらに掘り下げて,
タイトルが気に入ったのか
表紙がきれいで鮮やかだからきにいったのか
表紙に描かれている登場人物が気になったのか
ぱらぱらめくった時の会話文が目に飛び込んだのか
まずはその本を読むきっかけとなった出会いについて語ってください。
前置きが済んだら,裁量が広がり幅があり,型がないからこそ感想文は面白いのですが,書きやすさという点でいくと,ここであらすじをまとめましょう。
注意点としては,紹介文やポップのような書き方にならないようにすることです。
例えば,
この先,二人はどうなっていくのか・・・・・・!?
などの書き方はNGです。
読書感想文は,紹介文や推薦文ではありません。
相手が読みたくなる書き方ではなく,本の読み手がどのようなことを感じて,これからどのように活かしていこうと考えたのかが大切だからです。
この視点は,この後の構成にも響いてきます。
あらすじは,端的に,どのような話なのか,内容が分かるようにしましょう。
あらすじが書けたあとが,だらだらと同じことを書いて字数を稼ぐだけの苦痛な作業になりかねません。
この後の大事な構成について,次回まとめていきたいと思います。
4 おわりに
おわりに,といっても読書感想文の書き方を一つの記事にまとめることが出来ませんでしたので次回お伝えできたらと思います。
読書の価値についても語りたいのですが,本題もままならぬところなので今回は割愛するとして,特に気を付けてほしいことは,本を読み切れなかったことに対して罪悪感を持たせないようにすることです。
ならないうちには,自分に合う本や,読み切れる本を探すことは難しいです。
大人でも失敗したり,自分の読書レベルに合わない本を机の上に積まれたままにしてしまうことはあります。
せっかく買ったんだから最後まで読みなさい
という言葉は酷です。
子どもの間に読書の楽しさや価値に気付くことは一生の財産です。
それだけで,学び続ける人になります。
ともに,本が好きな子どもを育てられたらと強く願っております。
これからもよろしくお願いいたします。
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