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10年近く海外で過ごして感じる、英語がうまくなる方法

「どうやったら英語ってしゃべれるようになるの?」
日本にいたときによく、こう聞かれることがあった。
今では聞き取りや会話にあまり苦労しなくなったけれども、実は英語の上達は人よりも時間がかかった方だと思う。中1で英語の学校に通うことになった時は、周りの人が何を言っているのか全くわからなくて頭が真っ白になったし、英語が母国語ではない生徒向けのクラスの中でも他の人たちがどんどんうまくなっていくのに私だけ別途補講に呼び出されたりしていて、「いつうまくなるんだろう…」って落ち込んでいたことがよくあった。

自分の伝えたいことがうまく伝えられない。
仲良くなりたいのに全然友達の輪に入れない。
周りの会話のスピードが早くて全然ついていけない。
そんなイライラやもやもや、寂しさは人一倍経験してきたと思うし、今でも気持ちが痛いほどわかる。だからこそ、今日はそんな生活の中でどうやって英語でのコミュニケーションに抵抗がなくなり、人と話すことが不安でなくなったかちょっとまとめてみた。

好きなことから始める

必ず冒頭の質問をされたら答えているのはこれ。
私はいわゆる机に向きあう勉強はすぐ飽きてしまうタイプなのだけれども、英語の上達のためには、英語との接点をなるべく増やさないといけないので、なるべく自分の気持ちが向くものを英語に置き換えていった。

一番最初にハマったのは実は本だった。
きっかけは、中学の時に月1回、Book Fairという海外の本屋が洋書を安く売りに学校まで来てくれる小さいバザーがだった。
もちろん最初は内容なんて全然わからない。
ただ、中学生向けの本は、表紙の絵柄がとても可愛かったりおしゃれで、ジャケットを買う感覚で色々な本を買うようになった。
少しずつ読むうちに、面白いストーリーのものは止まらなくなってきて、語彙が気がついたら少しずつ増えていった気がする。

これは、今でも覚えている本。この時は日本語ではあんまり本を読んでいなかったけれども、洋書にハマってから日本語の本もなんでも読むようになった。人生で本を読んで号泣したり、寝る時間が惜しくなったりしたのはこの時が初めてだったと思う。

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映画やファッション、スポーツでも何でもいいから、好きなことについて書かれた記事やSNSを読む、動画を見るだけでも英語の耐性が少しずつついてくるのかなと思うようになった。

自分の言葉で伝える

中1の時に、「自分の文化を600英単語で紹介するミニエッセイ」が課題で出された。3日後に出さないといけず、その時はdoとdidの違いもわからないぐらい英語ができなかったので、困り果てていた。悩んだ結果、母が買っていた日本文化を英語で紹介している本の一節を完全にコピーして提出したことがあった。

当時の英語の先生はアメリカ人で、生徒にとても厳しく接することで有名な先生だった。もちろん完全にコピーしたこともすぐにバレて、授業の合間の休憩時間にすぐに呼び出された。雷が落ちることがわかっていたから、もはや涙目になっていた私に対して、その先生は、一言、こう言ったのだった。

「できる限り自分の言葉で書きなさい。最初からすぐに書ける人なんていないから、少しずつでいいの。自分で、自分の伝えたいことを、自分の力で形にしなさい。」

今、グラフィックデザインを一から勉強し直していて、ふとこの言葉を思い出すことがある。デザインも英語も、一晩で上達することはないけれども、コツコツと自分の思いを伝えること、作ることでようやく上達するんだと初めて身にしみた経験だった。


人とたくさん話す

ニューヨークに来てからすごく感じたのは、英語が話せるだけではコミュニケーションが成り立たない時があることだった。
例えば日本語でも、「この前のM1グランプリ見た?」「コロナで緊急事態宣言が出たよね…」などなど、会話の内容の文脈や、お互いが話している前提の文化、トレンドがないと会話が続かなくなることがある。
(例えば『ウォーリーを探せ』、は英語だと”Where’s Waldo?”と訳されるので、その話になった時は一瞬何のことか話がわからなかった時があった。)

それはただ英語を勉強しているだけだとわからないから、そこは人と話して「こういうことが流行ってるんだ」「あのアニメって英語だとこういう表現なんだ。」って一つひとつ知っていくしかないのかなと思うようになった。そしてそれが相手のことを知ることにもつながるし、ニューヨークに来て改めて英語の奥深さに気づかされたいい経験だったと思う。

とはいえ、英語に慣れていないうちは、人と話すのさえもプレッシャーになると思うので、私は普段「今日1日で3人の人に話しかけられれば今日はよしとしよう」「1日1回誰かに挨拶すれば合格」と自分の中でゴールを決めていた。


私自身英語はできる方だと思っていたけれども、ニューヨークに来て改めて言葉に詰まったり、足りないなあと思うことがすごく多いので、英語はこれからも謙虚に修行したいなと思ってます。
なかなかコロナで海外にいけない時期ではあるけれども、少しでも参考になったら嬉しいです。

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