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ギャンブルを知らないキラキラ転職男子

こんなはずじゃなかった。

営業がこんなに泥臭い仕事とは思わなかった。
時間外労働がこんなに多いなんて……
マネージャーのパワハラっぽい言動が
耐えられない……
やりがいのある会社に入れたと思ったのに……

そんな若手の20代の男性から相談を受けた。

話を聞いてみると、入念に
転職エージェントと
相談をして自分の適正を見極め、
IT系ベンチャーに入社したのだという。

話を聞いているうちに、私は察した。
彼の話す言葉から。
きっと「キラキラ転職男子」だと。

言葉に操られると…

「コーポレートプリンシプルに共感したんです」
「営業未経験の僕でもキャッチアップできる環境だって確信できた」
「ドラスティックに自分の人生を変えられるって思ったんです」

彼は次々と転職に至るまでのプロセスが、
希望に満ち溢れたもので
あるかを熱弁した。

いわゆる上記で示した、
かっこいいカタカナ語を使うことを
否定しているのではない。

ただこの言葉が、必要以上に彼
の転職に対する期待値を著しく高め、
苦しめてしまっているのではないかと感じた。

キラキラしたこのような単語を使うと、
自分が仕事ができるようになった
錯覚を覚える気持ちも分からなくはない。

ただ彼が一番執着した言葉は、
このカタカナ語ではなかった。

「とにかくやりがいのある仕事が
したいんです」

そう言って彼は、ルーティンワークの要素が
強い事務職から、成果を数値で
実感できる営業職への転職ストーリー
を語った。

やりがい、はたらきがいのある
仕事がしたいという思いを
熱弁していた。

確かに世間ではやりがい、
はたらきがいという指標を持ち出して
職業が評価されたり、
仕事選びの基準になったりする。

ただ働く前から「やりがい」の理想を
高めるのはリスクが大きい

転職がギャンブルだと言い切れる理由

実際にその会社に入るまでに転職者は
できる限りの情報を集めようとする。

給料などの待遇はもちろんのこと、
社長のキャラクター、部署の雰囲気
などオファー面談などで現場の声を
聞くことも可能であろう。

それでも入社してみないと
分からないこと

ある。

そのひとつが「やりがい」である。

「やりがい搾取」という言葉が
あるように、働きがいという
単語と並んで、若年層の転職
希望者には重視されているようだ。

ただ本当にあなたが求めている「やりがい」
が、先に入社した同僚が目をキラキラ
輝かせていう「やりがい」と
一致するとは限らない。

いくら前職の経験があったとしても、
入社後は誰もがゼロからのスタートだ。

商品知識も取引先の情報も、それに
まつわる人間関係もすべてリセット
される。

それらの歯車が全部きれいに
噛み合うことも早々あるものではない。

ギャンブル的な要素がある。
私もかつて転職を2回経験しているが、
腰を落ち着けて、「これで良かった」と
感じられるまでいずれも半年以上かかった。

いろんな雑務も含めて経験を積み、
こうすれば、「やりがい」が感じられる。
必ず試行錯誤のステップがある。

最初からやる気はマックスでも
やりがいもマックスというわけには
いかない
のだ。

それに実際に仕事をしてみると、
なかなか意識の高い
カタカナに溢れたキラキラした
職場はそうそうないもんだ。

下記の記事に詳しく書いたので
参考にしてほしい。

新しい環境に飛び込むのなら、
「忍耐」という漢字もしっかり胸に
しまっておこう。

そしてギャンブルに勝った暁には、
素敵なキラキラ転職男子になっているはずだ。

今日の1冊

「モチベーション」「やりがい」など
ビジネスマンの扱う言葉について
詳しく取り上げられています。
新しい発見があると思いますので
ぜひご一読ください。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。 みなさんが生き生き健康に働けるためのメッセージを発信していきます。 ぜひサポート、よろしくお願いします。