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心に効く!日本茶の不思議

日本茶を飲むと「ほっとする」
これ実は、気のせいではなく、科学的にも精神的(スピリチュアル的)にも根拠がある事実なのです。

今回は、そんな日本茶の不思議を、科学と精神の両面からホリスティックにお話します。

そもそも日本茶とは?

日本茶と言うと、一般的には日本で製造される「緑茶(煎茶)」のことを指します。

厳密に言うと、日本茶も様々な種類がありますが、ご興味のある方は下記の記事をご覧ください。

現在、日本で一般的に飲まれている煎茶は、江戸時代、永谷宗円さんが開発したものです。(お茶漬けで有名な永谷園さんのご先祖さまです。)

中国からお茶が渡って来てから何百年もの間お茶は希少品だったため、それを口にできたのは位の高い僧や武士たちなどで、お抹茶のような形で飲んでいたと言われています。
一般庶民は口にできない、又は献上したお茶を摘んだ後に残ったお茶の葉をあぶっただけの、粗末な茶色いお茶でした。

「お茶はお抹茶に加工すると鮮やかな緑色になるのに、庶民は茶色の番茶しか飲めないなんて...」
そんな状況を憂いた永谷宗円さんは、村の人たちの生活を良くするためにも、新たなお茶の製法の開発に乗り出します。

『庶民も口に出来てある程度量産できる、綺麗な緑色のお茶を作る!』

そんな野心を燃やし、なんと15年もの歳月を費やして開発したのが、現在の煎茶製法の元になる「青製煎茶製法」という作り方でした。

世界には紅茶、中国茶、ハーブティーなど、さまざまなお茶が溢れていますが、それらは生活の中で進化したり、薬効のため、商売のために改良されたりしたものがほとんど。

人の生活や心の豊かさを願い、生み出された煎茶(=日本茶)は、他に類を見ない、味、効能、精神性すべてにおいてバランスの取れた稀有な飲み物ということが言えるのです。

永谷宗円生家(京都宇治田原)

日本茶の効能

では次に、日本茶の効能を科学的に見ていきます。

日本茶は、お湯で抽出するか、お水で抽出するかで効能が変わる、とても不思議な二面性を持った飲み物なのです。

日本茶をお湯で淹れる

日本茶をお湯で淹れることで、以下の成分(主な成分)が多く抽出されます。

●カフェイン
覚醒、利尿、疲労回復などの作用がある成分。紅茶、中国茶、コーヒーなどにも含まれる。
(カフェインに弱い人は、不眠や眠りが浅くなるので注意が必要。)
●エピガロカテキンガレート
カテキンの中でも、殺菌、抗ウイルス、抗がん作用などの効果があるカテキン。

昔のお坊さんは、修行中にお茶を飲むことで眠気覚ましにしていた、というくらい、日本茶は天然のエナジードリンク、と言えるのです。

日本茶をお水で淹れる

一方、日本茶をお水で淹れることで、以下の成分(主な成分)が多く抽出されます。

水出しの淹れ方はこちら

●テアニン
リラックス、集中、認知機能改善、安眠効果など、数年前から注目されている成分。お茶の中でも緑茶、特に日本の煎茶に多く含まれるが、玉露、一番茶、棒茶(茎茶)に多く含まれる。

●エピガロカテキン
カテキンの中でも、免疫力をアップさせてくれるカテキン。

お湯で淹れた時と違って、水出しではリラクゼーション成分であるテアニンが多く抽出され、カフェインの抽出量はぐっと減るため、天然のリラクゼーションドリンクとなります。

水出しで日本茶を楽しめるのも、冷蔵庫などの文明の利器があってこそ。
日本茶が開発された江戸時代にはなかった楽しみ方ができるのは、ありがたいですね。

日本茶はマインドフルネス(瞑想)のための飲み物だった?!

そもそもお茶やコーヒーというのは、ほっと一息ついたり、お菓子を楽しんだり、おしゃべりを楽しんだり(昔は社交として)…そんな嗜好品というのが主な役割です。

しかし日本では、先述した通り、お坊さんの修行中の眠気覚ましに使われていたり、位の高い武士たちが、自分や敵と向き合うために茶道で精神統一をしたり、自己の内面を見つめるために集中したり...と言った精神面の強化に使われてきた歴史があります。

これは、日本茶の効果、効能から見ても理にかなった使い方。
茶道が確立された時代には、成分分析などされていなかったのに、日本人の生き方の中で日本茶がこのような役割を担っていたことは、不思議でなりません。

現代人の心を癒す、マインドフルネス

皆さまは、「マインドフルネス」という言葉をご存じでしょうか?

日常生活の中で嫌なことや悲しいことがあると、私たちの心のコップには、イライラした感情や悲しい感情が溜まっていきます。またネガティブなニュースや情報も、知らず知らずのうちに心のコップに溜まっていくのです。

こういったネガティブな感情や情報がデトックスされずに溜まり続けると、心がつらくなるだけでなく、体にも支障をきたします。

そのような心に溜まったストレスを解消するために、大手企業が積極的に取り入れているのが、「マインドフルネス」という方法。
これは「今、この瞬間に集中する」ということ。

瞑想という形で雑念を脇に置き、自分の呼吸や体の動きに集中して心のコップに溜まったストレスをデトックスしていく、というやり方が主流です。

日本茶とマインドフルネス

しかし、「瞑想を行う」ことを習慣にするのは、慣れない方には難しいと思います。

そこで私が考えたのが、1日10分、日本茶を飲みながら自分の心を整えていく、日本茶を使ったマインドフルネス方法(マインドフルテイスティング)です。

自分の好きな日本茶を用意し、10分間の音声を聴きながらゆったりと日本茶を心と体で味わっていきます。

日本茶に込められた想い、歴史、効能、...
さまざまな日本茶の背景を知ること、掘り下げることを習慣にすることで、日本茶以外の食べ物、生活用品、人、出来事にも、自然に感謝の気持ちが持てるようになり、ストレスに対応できる、しなやかな心を持つことを目指します。

日本茶には、心を落ち着けたり集中することを助けてくれる成分(お湯出しならカフェイン、水出しならテアニン)が豊富に含まれているので、心にも体にもおすすめです。


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