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地域に貢献できない移住者でごめんなさいと思うことがある

移住のきっかけとなったツアーやそのときの思いを赤裸々に記したnoteを、広島県公式noteで紹介していただいた。「確かに尾道には何かを始めたい人が自然と集まってくる場所。でもアンドウさんがここで暮らしてみたいと思ってくれただけで私たちは本当に嬉しいですよ」って言ってくれた県庁のゆっこさんには感謝しかない。

東京を離れてわざわざ尾道に移住する理由を尋ねられるたび、確固たる理由があったなら良かったのに、と毎回心の中で(ごめんなさい)という気持ちになっていた。だって残念ながら私には町おこしがしたいとか、夢だったお店を始めたいとか、ポルノグラフィティの大ファンとか、空き家再生プロジェクトでイチから家を修理したいとか、スタートアップ企業に参画するとか、ビール造りを始めるとか、就農するとか、クリエイティブな発想や明確な理由がなかったから。

移住のきっかけになったワーケーションツアーのときも、そこにずっと引っかかっていた。何のために移住したいのか。なんで尾道なのか。ただ「東京以外の場所で暮らしてみたい」というだけの私は甘いんじゃないか。市だって県だって、誘致したい移住者はこんなふわふわした普通の人じゃなくて尾道を一緒に盛り上げてくれるくりえいてぃぶな人材なんじゃないのか。

尾道には地域で活躍している素敵な人がたっくさんいる。残念だけど私はそんな何者かにはなれない。でも私は移住したことで「東京以外で暮らしてみたい」「フリーランスでどこまでできるか試してみたい」「小さくても庭がほしい」「海を見ながら仕事がしたい」そんな小さな小さな超個人的な”やりたいことリスト”をどんどん叶えていっている。周りに面白い人がたくさんいるから日々生き方を考える機会があるので刺激的で面白い。おいしいお店が多い。人が優しい。商店街を歩くと誰かに会うのが楽しい。地域に何か明確な貢献ができるわけではないけれど、いまのところ移住して後悔はまったくない。そんな受け身な移住者がいてもいいですか。明確な理由がなくて地域でなんも成せていないただの人だけど、生まれ育った地域から700km以上離れた土地で穏やかに暮らせている事実がふんわりと移住を考えている誰かのフックになればいいなと思う。私は今日も元気です。

一緒に飲みましょう。