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生きること、働くこと。尾道ワーケーション&ツアー2020レポ(の前に)

2泊3日で尾道ワーケーション&ツアー2020に参加してきました。
こちら、広島県尾道市でのワーケーション環境の紹介や、移住を希望している人に尾道の魅力を紹介するという広島県主催のイベント。今回はそのイベントのレポートの前に、移住に対する思いをつらつらと。

コロナ禍が大きなきっかけとなり、リモートワークの促進で出社する必要がなくなったワーカーが増えました。東京の企業に所属しながらも旅行しながらワーケーションしたり、この機に移住して東京以外の場所で同じ仕事を継続するという考え方も徐々に浸透しています。

今回参加したワーケーションツアーには、そういった広島以外の企業に所属するワーカー誘致のほかに、移住して尾道で新しい生き方を始めてみませんか?というコンセプトがあったのではないかと勝手に感じています。

ツアーは結論からいうととても有意義な3日間でした。自分でプランニングした旅行では見えない魅力、移住のメリット・デメリット、遠い地の行政のサポート制度を知ることができたし、実際に移住者の話を伺う交流会もあり 濃厚な3日間。これまでふんわりとしかイメージできていなかった"東京以外で暮らすこと"についてにコミットする旅となりました。

後日、ツアー3日間のレポートを写真多めで書こうと思っていますが、まずはこのイベントに参加したきっかけや、地方移住への思いなんかを記録しておきたいと思います。こっちは文字数多めです。
(ちなみに広島から東京に向かう夜行バスからお送りします。文章と体裁はのちほど整えますね)※2021/4/14更新

東京に住む必要性に疑問をもちはじめた2020年

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2020年春先、初めての緊急事態宣言中にも総武線に揺られながら出勤していた私、その目は虚ろ。テレワーク?ワーケーション?多様で目新しい働き方だけが取り沙汰されるけれど、それは一部の大企業のお話。中小企業にはまったく関係ない。そんな革新的な会社だけを取り上げるメディアを横目に、それができない環境にいる自分。「好きな場所で心に余裕を持ちながら生きたいな〜…」という思いは日に日に強くなっていました。

2020年5月、緊急事態宣言が解除されて戻ってきたのは、少しだけ緊張感のある日常と、満員電車。電車に揺られながら「無」を感じる回数が増えた時期。副業でやっていたライター業に専念してみたいという思いも相まって、悩んだ末に会社は11月末に退職することに。

そのときの住まいは東京下町・亀戸。私と夫、互いの会社へのアクセス、DINKSが生きていきやすそうな便利さだけを最優先に考えて引っ越した街で、駅からも近い便利な場所だったため家賃は少し高め。でも「利便性と時間は必要経費」だと割り切っていました。東京で生きていくためには仕方なかった。

でも、退職を決めたことでこれまで最優先としていた「会社へのアクセス」「DINKSが暮らしやすい物件」といった軸がポキっと折れて、途端に「ここに居続けないといけない意味はなんなのか??」と自問自答するようになったんです。

ところでなんで尾道?ツアーに参加したきっかけ

①広島が好きでひろしま移住サポートメディア「HIROBIRO」に登録
②オンラインイベント"尾道ではじめる「ワーケーションの一歩先」"に参加
③イベント最後にこのツアーがあることが発表される
④絶対に人気イベントだからダメ元で応募してみる
⑤忘れた頃に当選のお知らせが!!

「牡蠣が食べたい!」と広島市内〜宮島に一人旅して以来、広島が乗り越えてきた歴史や街にすっかり魅せられ、夫を連れ、妹を連れ、気づけばここ2年のうちに3回も広島を訪れていた私。ただこれまでは広島市と宮島ばかりだったので、尾道や呉をはじめほかの地域にも行ってみたかったんです。

ひろしま移住サポートメディア「HIROBIRO」に登録したのは軽い気持ちでした。こんな素敵な街で暮らす人のことが知りたい。この街にはどんな仕事があるのか知りたい。

そして尾道に移住された方が出演するオンラインイベントを試聴し、それが縁となって今回のツアーに応募、参加できることになりました。

参加目的は人それぞれ。正直、私もふわっとしていた

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尾道ワーケーション&ツアーに参加するにあたり気になっていたのは、ほかの参加者の目的でした。

ツアーに応募した当初、"東京にいる意味"に思い悩みつつも「交通費と宿泊費が補助してもらえて尾道に行けるなんてラッキー」みたいなノリもありました(すみません…)。予定が合わなくて夫の参加は難しく、ひとりダメ元で応募して当選しちゃったもんだから、尾道に行けるというお知らせが県からきたときは結構焦りました。自分の本気度はどれほどなんだ?? と。

でも実際にツアー参加者の方とお話ししてみると、参加理由も移住希望レベルも人それぞれ。お話していくにつれ、おかげで私も気負うことなくその場にいることができました。(一人でしたけど!)

一方で、このツアーの3日間はこれからの生き方を考えたり、自分の気持ちと対峙する日々でした。尾道の穏やかな景色に癒されながらも、その内で気持ちはバチバチと葛藤していたんです。

これは夫が不在だったことも大きかったです。だってツアーで見聞きした出来事を夫は知らない。私の気持ちが尾道へ傾いて行く中、夫は尾道のことを知らないいる。ツアーにはカップルやご夫婦・ご家族で参加されていた方が多い中、そういう意味でうちは気持ちの度合いが相当アンバランス。やっぱり一緒に来られたらよかったのになーーーー、という気持ちは尾道にいるあいだ常に感じていました。

ただツアーを終えてみた今は、私の前のめりな気持ちを夫に受け止めてもらってまた別の角度から冷静な意見が聞けることも楽しみ。そうすることでより気持ちが精査されますし。

いや、永住…しなくたっていい

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2020年は、コロナもあって会社も辞めることにして、これからの生き方について深く深く向き合ってきたつもりでした。でも、思い悩んでいたところで実際に踏み出さないことには何も変わらないしなんにも生まれない。

それに今回のツアーでハッとさせられたのは、なにもこれは終の棲家を決める儀式なんかじゃないんだってこと。

埼玉で生まれ、東京で育ち、ほとんど関東から出ることなく大人になった私。関東圏以外で生きるという選択肢を持つ機会がそもそもなかったし、正直にいうと東京から出るのが怖かった。我ながら狭い世界で生きていますね、ほんとうに。

そんなガチガチな思考をほぐしてくれた出会いを少し紹介させてください。

ひとりめは1日目の夜、ビールを飲んでいて出会ったしほさん。彼女はビール造りを学ぶために九州からやってきて、尾道にあるゲストハウスに滞在していました。もうすぐ九州に帰るんだけど、もう尾道大好き!また来る!って。お金が必要なら働けばいいんだし、どこでも生きていけるた思いますよ!って目をキラキラさせながら語っていた。

もうひとりはONOMICHI SHAREのコンシェルジュ後藤さん。「"定住"と"移住"を使い分けるようにしているんですよ」それ、私もパクらせてください!だってそれはとても本質的なことだって、改めて納得したのだった。

もちろん。

生きていくためには地に足をつけていないといけません。真面目に、勤勉に。働かざる者食うべからず。でもね、もっとやわらかく考えて、フランクに、カジュアルに、どこで生きたっていいんだよなーっていう方向に考え方をほぐしてもらえたきっかけだと思っています。

(えっと、ちなみに見出しはぺこぱを意識してがうまくいきませんでした。って自分で言っちゃってもいい。)

尾道ワーケーション&ツアー2020に参加して

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今回、尾道ではたくさんの人に出会って話せたし、思い思いの考え方・生き方・哲学を聞くことができました。SNSや連絡先の交換を久しぶりにしました。みなさんのバックグラウンドや意識は身近かつ刺激的で、親しみのあるものでした。

サポートしてくださった、最高にチャーミングでフレンドリーな県庁のゆっこさん、優しくて穏やかかつ熱い魂の持ち主である市役所の奥さん、皆さんの悩みを意味のある方向性に転換してくださる酒井さん、人と人とがつながる環境を創造しているONOMICHI SHAREの後藤さん、姉御肌ですぐに親しく笑いかけてくださった三次の山元さん。
(広島県も尾道市も三次市も、行政の方がとてもフレンドリーで親身に話を聞いてくれるところがとても魅力的でした☺)

それに同じツアーだった参加者の方たち、ほかにもクラフトビールバーのマスターやそこで出会った人たち、移住者の佐々木さんご夫妻、珈琲豆ましろの須山さん、KANOCOさん、平川さん、向島の庭カフェの恭子さん、ONOMICHI SHAREで出会ったみなさん。

3日間だけでこんなにたくさんの素敵な出会いがあったこと、自分でも驚いています。この旅の一番の収穫は人とつながり、あたたかさにふれられたことだと実感。

そしてただ悶々と悩む日々から飛び出して、一歩先の感情へのステップが踏めたことも私のなかでは相当大きな出来事。今回知ったいろんな人の生き方や考え方を糧に、今後のことや働き方について考えていこうと思います。

今回は貴重な経験を本当にありがとうございました!(尾道ワーケーション&ツアー2020レポ*1日目に続く)

1日目の様子が中国新聞でも紹介されていました▼
https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=699354&comment_sub_id=0&category_id=112

一緒に飲みましょう。