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地域課題の対話から現れた『自分がやりたいことをやる』ことの意味

1/27 夜、東北プロボノコミュニティとキャリアモデルコミュニティの合同イベント「Kadai Dialogue(カダイダイアローグ)」を開催した。

普段は関わりがないコミュニティ同士、しかし双方東北に関わり自身のキャリアについても考えている人同士で集まり、実践者が取り組んでいる社会課題・地域課題をテーマに対話と知見を深めようという企画。
「越境と対話」をテーマとして設計した。

東北プロボノプロジェクト(コミュニティ)とは・・・
東北経済産業産業局主催、一般社団法人 IMPACT Foundation Japanが運営事務局を担うプロジェクト。
「本プロジェクトは、東北で「誰かのために、地域のために、社会のために」という純粋な想いを持ち、自分自身の心が喜ぶ事を大切にしながら自ら手を動かし、先陣を切る事業者(=ココロイキルヒト)の熱量を体感しながら手触り感のある仕事に取り組むプロボノプロジェクトです。」HPより
東北プロボノコミュニティは、プロボノ参加者と受入事業者の方が集まるコミュニティ。

キャリアモデルコミュニティとは・・・
キャリアモデル開発センター仙台にてキャリアモデルを作成した人、これから作成しようと思っている人、キャリアについて学びを深めたい人が所属するコミュニティ。毎月キャリアに関わるテーマのお話会や勉強会、キャリアに関する情報交換、イベントの企画検討などを行っている。

今回は東北プロボノプロジェクトの運営も担われている本多智訓さんに実践シェアをお願いした。宮城県丸森町で経営されている「MARUMORI-SAUNA」社の取り組みと、地域で事業を進めるときの課題や日本のローカルが抱える課題感などについて実体験を踏まえたお話を共有いただいた。
その内容について東北在住の参加者、東京在住で多様な地域に関わる参加者、それぞれが響いたことや感じたこと、考えたことを話す時間となった。

具体的には
「地域を盛り上げるとはどういうことなのだろうか?」
「現在の地域が抱えている課題の本質とは何か?」
という問いを中心に進んだ。

その中で私が印象的だったお話が、地域課題の本質的な要素の一つとして浮上した「『自分は〇〇したい』がないこと」である。
具体的には地域において、夢やVision、「自分がやるべきと思うこと」「自分がやらなければいけないと思うこと」といった「〇〇したい」が多くの人にとって縁遠いことになっているのではないか、という問いである。

この問いは私自身が経験したこととも重なり共感が大きかった。
宮城県にUターンしてきた時、前職時代にキャリアコンサルタントを取得し個人のキャリア支援を行っていたので「キャリア支援をしています」と自己紹介するのだが、その文脈ではほぼ一度も伝わったことはなかった。
当時は伝わらないことに悩み、工夫して伝えようとしていたのだが、現在そこから生まれる仮説は、「キャリア」という考え方や「自分の生き方を考える、相談する」という概念自体が存在していなかったのでは?ということである。
その後、移住者の方や一緒にプロジェクトを進める方々とは一緒にキャリアを考えることも増えたが、近所のおじちゃんたちとはいまだにそういう話はできずにいる。(聞かれるので答えるのだが、言っても理解してもらえず流されるというのが正確)

地域において『自分は〇〇したい』を問われたり表現する場や文化というものが極端に少ない可能性はあり得ると思う。
子どものころには「将来の夢は?」とよく聞かれるのに、年齢を重ねるに連れて問われることがなくなり、考えることもなくなっていってしまう。
自分のやりたいこともなく、我慢して働く人が多い社会というのは、子どもから見ても魅力的には映らないだろう。そうすると、メディアやネットから入ってくるキラキラとした都会に憧れていくのも必然である。


ではこの状況に対してどうすれば良いのだろうか。
共感いただけるのではないかと思うが、自分がやることを他の人から提案をされたり強要されても正直気乗りしないということが普通だと思う。
本多さんがおっしゃるのは「まず自分のやりたいことを楽しくやること」
人は楽しそうなことに引き寄せられ、行動する中で楽しさややりたいを見出していく。

キャリアモデル開発でも私から提案もするが、何よりパワフルなのは本人が「自分らしさ」「自分のやりたい」を見つけた時だ。
そういう時はこちらから何も提案しなくても、毎回本人の方から「こんなことをしてみました」「あれも一緒にスタートさせました」といった報告が飛び出し、私も置いてけぼりにされるほどのスピードで実践が進んでいく。

人は自分の想いや願いを知ることができたとき、本人も予想だにしない力を発揮する。そういう発見は他の人から教えてもらうものではなく、自分で見つけていくものだろう。
だからこそ我々1人ひとりにできることというのは、自分がやりたいこと、ありたい姿を模索し、楽しみながらその実践をしていくことなのではないだろうか。
それを見た周囲の人も、「自分自身」や「自分のやりたいこと」に目を向けていく。そうしてやりたいことをやりながら、自分を活かす人が増えていくことが地域や社会を元気にしていく。

今回の対話の流れを振り返った際に、本多さんが大切にされている「まず自分がやる」ということが場の底流を流れていたと改めて感じた。
社会課題や地域課題というと「解決しなければならないもの」と捉えてしまうが、まずは「自分が〇〇したい」を見つけること、それが何かしらの課題と紐づいていることを模索していくという順番で考えてみるのも一つの方法だろう。


あとがき
今回は1回目でしたが、非常に濃厚な会でした。
次回は2月に開催を予定しています。
興味がある、参加したいという方は、現在プロボノプロジェクトは募集をしていないため、キャリアモデルコミュニティ・柴田へお声がけください。

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