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手作り味噌のよさ

宮澤賢治は、雨ニモマケズで、一日二玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲ食ベ、と言っていた。四合は、体力仕事である当時の農家が働くために必要な量であるということはさておき、これは日本人の身体に合った最高の食事であるといえる。

料理研究家の辰巳芳子さんは、日本は自給率が低い国であり、その日本人がずっと大切にしてきた命の食材(発酵食である味噌、米)は来る食糧難に備え、死守すべきであると述べられている。

無論、米、大豆を自分で栽培できたらと思うが、サラリーマンをしていた私が自分で大規模な田畑を所有するということは、よっぽどつてがない限り難しいことだとは思う。

だが、農家の方と糀やさんに作って頂いた、大豆と米麹で味噌を手作りすることはできる。

正直、味噌を手作りするのはめんどくさい。だが、自分の手についた菌が、本当に自分の口に合う味噌に変貌するのが何とも言えない。

あと、塩の量。巷の味噌は塩っからいが、自分の好きな量で塩を調整できるのもよい。

私が作っているのは、塩が通常よりもだいぶ少ない白味噌だ。塩が多いと発酵期間を10ヶ月はみないといけないが、少ない場合は発酵しやすいが傷みにくいため、4週間ほど寝かせるとすぐに食べれるようになるのがよいし、断然味がよい。

続けられるポイントは一つ。米麹は500g/袋を使用することだ。多いと嫌になってしまう。

あと重要なのが、素材にこだわること。私は大豆も、米麹も自然栽培のものを使用している。農薬や化学肥料を使用していない、日本に伝わる原種に近い素材を使用することだ。残留農薬があったり、遺伝子組み換えの素材を使うと、味噌は自身の手で直接作るため、まれにアレルギー反応が出る人もいる。

そして、塩は、昔ながらの製造方法で作られた自然塩を使用すること。

作り方は簡単。材料は、私の場合は米麹500g、乾燥大豆230g、塩110gだが、好みで調整している。

今回は福岡県直方市のえこわいずさんで販売されていた自然栽培の米麹を、大豆は福井県のマルカワ味噌さんの自然栽培のものを使用した。

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まず、12時間ほど乾燥大豆を多めの水に浸水させ、戻す。それから、2時間ほど大豆を煮る。(圧力鍋で短時間で煮る人もいるが、私はステンレス鍋で地道に煮る。)

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大豆を煮ている間に、塩切りといって、塩と米麹を手で擦り合わせ馴染ませる。

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それから、煮上がった大豆をすり鉢とすりこぎで、大豆の粒が残らないよう潰す。

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それから、すりつぶした大豆と塩切りした米麹を混ぜ合わせる。

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混ざったら、スタンドパックに団子状にした材料を空気を抜くように押し入れて、空気を抜きながら、チャックを閉じ、4週間寝かせる。

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この自身の手で作る味噌は美味しくて止められないし、作る度に上手になっていくことが実感でき、嬉しく楽しい。

コロナ禍の今、日本に伝わる菌で発酵する伝統食を見直し、良い菌を体内に取り入れるようにしたい。もし身体にコロナのような菌が入っても、体内に存在する自身の菌がコロナを消滅させることができるかもしれない。

菌の力というのは、まだまだ科学で解明されていない。それならば、良い食事をすることで自分の身体を整えていかねばならないと思う。

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