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私の仕事は多種多様であるが、その中のひとつが「国際人事」である。自分で名付けたから、聞きなれない人も多いと思うのだが、これがなかなか面白い。

なぜ、普通の人事ではなく、国際人事なのか。それは単純。私の主な担当が、海外からくるインターンシップ生だからだ。海外の大学で勉強した事を、日本の会社で1年間実践・勉強するのだ。

日本に初めて上陸した学生達は好奇心旺盛で、それはそれはいろんなハプニングが起こる。寮と言っても普通のアパートを貸し出すので、近隣住民との問題もしっかりとケアしていく必要がある。

給与の支払われ方・給与明細・保険年金・日々の生活のこと・visa関連・住居関連・ありとあらゆる事をケアする必要がある。もちろん業務の事での、相談もある。

担当人数は30名を超えるので、勤務外に連絡が来るなんてしょっちゅうだが、不思議なことに嫌にならないのだから、私はこの仕事が好きなんだろうと思う。

インターンシップ生には、日本語や文化マナーを教えたりもする。その上で、受け入れ側の日本人スタッフには、英語やグローバルマインドセット研修を実施している。要は、お互いが気持ちよく働く為に必要な全てをサポートしている感じだ。

また、インターンシップ生だけでなく、正規の外国人従業員のコンサルもしている。というのも、近年外国人従業員の離職率が上昇しており、会社側としは原因追求と改善が必要だからだ。

両方から聞き取りをし、報告書にまとめるのだが、両方の意見の食い違いや、受け取り方があり、どちらが正しくて間違っている、という簡単な話ではない。どの様にしたら解消するのか?

それは、
お互いを知る、所からである。

私がノルウェーでバイトをしているときに、どうしても相容れないイラン人がいた。言い方は強いし、嫌味がある。態度はでかいし、笑顔はない。いつも何かに不満を持っている感じ・・・

そんな時出会った言葉が私を変えた。

好意を持てないのは、相手のバックグラウンドを知らないだけだ。

確かに、私は、彼の事を何も知らなかった。
ただただ態度が悪い、イラン人の同僚。としか。

その言葉と出会ってから、彼に質問をするように心がけた。
彼は、イランから難民visaでノルウェーに来ているとわかった。
自身の妻・子供は、ノルウェーにいるものの家族はイランに残して来ているのだそう。

自分がもし彼と同じ立場だったら?
毎日笑顔で過ごせているだろうか?
人に優しく接しているだろうか?
毎日家族の安否ばかり気になり、仕事できていないのではないか?

帰りのバスの中で、いろんな事が延々と頭を巡った。

話は、逸れたが、とにかく、一緒に仕事をしていく上で、
相手を知らなければ、軋轢しか生まれないのである。
最初は、好意的でも人間誰もマイナスな面は持ち合わせている。

気持ちよく働く為には、お互いが歩み寄る努力をし、
知ろうとする所から始める必要があるのだ。

その架け橋となる私の仕事、「国際人事」
今までの経験が生きている、そんな仕事です。

#人事の仕事

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