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包括保健師の存在意義を見出せない保健師

地域包括支援センターの基本構成は、主任介護支援専門員、社会福祉士、保健師の3職種。
(もっと多職種が充実しているセンターもある。うらやましい)

黒井の所属するよつば地域包括支援センターは、職種別の役割ではなく、職種関係なく全員同じ仕事を順番に担当していた。(包括によっては完全に職種別に仕事が割り振られていたりする。)
だから、保健師でも色々な社会制度も詳しくなるし、社会福祉士でも病態について詳しくなる。
そんな環境だったので、包括における保健師の役割ってなんだろう?と常々考えていた。

7年間包括で働いてきて、職種に関して思うことは
「主任ケアマネさん、最強では!?」ということ。
介護にも強いし、病態も、制度も詳しい。そして経験豊富。

包括の構成として主任ケアマネだけにしたいけれど、全員主任ケアマネなんて現実的に人数確保できない。
なので、仕方なく保健師や社会福祉士を配置しようという制度になっているのでは?と黒井は思っている…。

「そうは言っても、やっぱり保健師さんは他の職種より病気に詳しいでしょ?」
確かにそうかもしれない。
実際、包括保健師は病棟で何年も看護師を経験していた方が多い。
でも、包括にいると、現場にいるときと比べれば、やはり最新情報に疎くなる。
それに、一般的な見解を伝えるはできるけれど、診断まではできないので、最終的には大体こう。
「心配なら一度病院で相談してもらった方が良いですね」

また、継続的な処置や生活指導が必要な場合は、訪問看護につなげる。
黒井だけではないと思うが、包括保健師は、同じ医療系の職種として訪問看護の看護師さんをとても尊敬している。
訪問看護の看護師さんは、看護師の中でも幅広い病態の知識があって、十人十色の生活状況に合わせた指導をしている。
まさに看護師の中の看護師。とてもカッコいい、プロの医療職者。

一方、包括の保健師はどうなのか。保健師としての存在意義はあるのか…。
他の包括保健師との交流会に参加しても、同様の話が良く聞かれる。
地区診断ができる?医療知識がある?
確かに勉強したけど、実務として自信があるわけではないよね…。
というのがほとんどの保健師の想い。

包括の研修は、基本的にどの職種も参加できる。
領域としては保健師に近い研修内容でも、他の職種も知っていた方が良い内容だからだ。
そうなると、さらに保健師の存在意義が分からなくなる。

田舎の地域包括支援センターでは、各センターに保健師が1人か2人しか配置されておらず、孤立しがち。
(なぜか社会福祉士の方が割合が多い…)
なので、できることと言えば、他の包括の保健師同士が繋がる場を作ること。
そして想いや情報を共有し合うことが大切だと思う。

包括は地域の人と深く繋がれるし、人と人とを繋げて良い循環を作るお手伝いができるところがとても楽しい。
地域をより良くする方法を考えて活動している人はたくさんいる。
高齢者だけではなくって、本当に地域を包括的に支援する場所ができると良いなと思う。
保健師は人と人とをつなげる役割が得意な職種なのかも。
それは、誰にでもできそうで、中々できない大事な専門職。
そう思う黒井であった。

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