見出し画像

保健指導ができない保健師の話

こんにちは、ペーパー保健師黒井です。
保健師ですが、病院嫌い、運動嫌い。

調子悪くてもできるだけ病院には行きたくない。(変な意地)
基本的に動きたくない、汗をかきたくない。(怠惰)
酒は飲むし、暴飲暴食も時々する。(いいところ、ひとつもない)
保健師といえども、お手本になるような生活習慣ではなく、むしろ反面教師。
保健指導と称して偉そうなことは言えません…。

地域包括支援センターで様々な利用者さんに出会う。
運動にも食事にも気を付けていて、元気に毎日頑張っている利用者さんをみると、心から尊敬する。
「私も見習わないと~」といつも言っている黒井。

利用者さんの中には、糖尿病など身体の状態により、生活習慣の改善が望ましい人も多くいる。
急な病気で、もともと真面目な性格な人への保健指導は特に問題ない。
今までの生活に加え、注意すべきことを伝えれば概ね理想的な生活を送ることができる。

問題は慢性疾患で、長年生活習慣の改善を図ってきたがなかなかうまくいかない方。
黒井自身の生活習慣がよろしくないので、とても共感してしまう。
でも、仕事なので、伝えなければならないことは一応伝える。
「気持ちわかります!私もつい食べちゃいます…。でも、このままだと好きなものも食べられなくなってしまいますもんね。ちょっとでもできそうなことから初めてみませんか?私も一緒に頑張ってみます!」
といった具合に。

利用者さん自身も、このままの生活習慣ではよくない、改善した方が良い、と思っている方がほとんど。
でも、「変えようと思っている。思っているけれど変えるとは言っていない」というような利用者さんも多い。
何度もアプローチしても生活習慣を変える気がなさそうな利用者さんには「そうですよね~。中々難しいですよね~」と引き下がりがちな黒井。
ダイエットや筋トレもそうだけれど、生活習慣の維持に関しては、中々モチベーションを保つことが難しい…。
生活習慣の改善に関してはいまだにしっくりくる答えが見いだせていない黒井である。

この辺りに関しては、地域包括支援センターの保健師の保健指導に関して、病院の看護師とはちょっと違うなと思うことがある。
病院はあくまで病気を治すことが主の目的なので、「ちゃんと生活習慣変えてくださいね。こういう食事と運動をしてくださいね」と生活習慣の変容を必須とするような内容の厳しめな指導になる。
一方地域包括支援センターはその人の在宅生活を支援するのが仕事。
なので、現在の生活習慣を続けた場合に生じるリスクを利用者さんに説明して、利用者さんがそのリスクをしっかり理解したうえで、生活習慣の改善を望まない場合は、その意向に沿った支援を行っていく。

黒井が以前担当していた糖尿病の利用者さんがこう言っていた。
「糖尿病のリスクは十分理解している。親父も糖尿病だったから。でも、俺は最期まで美味しいものを食って死にたいんだ」と。
言葉通り、最期まで好きなものを食べて過ごされていた。この利用者さんにとって、幸せな最期だったのではと思う。

保健指導も大切だけれど、正論を押し付けてはいけない。
本人の意向をちゃんと聴いて、本人と一緒に過ごし方を考えることが大切なのだと思う。(が、自分に甘い黒井が「自分ならそうしてほしい」と思っているだけかもしれない)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?