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ご長寿早押しクイズについて考える保健師の話

こんにちは。ペーパー保健師黒井です。
元地域包括支援センターの保健師です。

「さんまのご長寿グランプリ」という番組を知っているでしょうか。
昔、「さんまのからくりTV」という番組のコーナーでご長寿早押しクイズというものがあったのです。
そのコーナーをメインにした年末特別番組が「さんまのご長寿グランプリ」。
(と思っているけれど、違ってたらすみません)

黒井は小さいころ、さんまのからくりTVのご長寿早押しクイズが大好きだった。
なので、今年の「さんまのご長寿グランプリ」も録画をして見た。
しかし、なぜか面白く感じない。
私が大人になったからなのか…
と思いつつ、番組を見続けていたところ、途中で昔の傑作選のコーナーが始まった。
昔の傑作選のコーナーは、今の私が見てもとても面白いし好きだった。
一体何が違うのか。

昔のコーナーの好きなところを考えてみた。
①おじいちゃんおばあちゃんたちが地域の集会所に集まって、仲間の中から回答者が選ばれている様子なのが良い。観客から「頑張って~」というような声もあり、会場全体が仲良しな雰囲気で好き。
②アナウンサーの鈴木史朗さんの優しい口調と、時には辛辣なツッコミが絶妙で好き。
③回答者のおじいちゃんおばあちゃんも笑顔で楽しそうな様子が何より好き。クイズの回答としては間違っているとわかっていながらも、冗談交じりに回答していて、元気だな~!とこちらも元気をもらえる。

今の早押しクイズのちょっと違うなと思ったところ(あくまで個人的見解)

①予選から本選という形式がいまいち

昔は、地域に根付いた高齢者クラブなどのメンバー内で和気あいあいとやる雰囲気が魅力だった。面白そうな人だけピックアップして、知らない人同士を戦わせるのは雰囲気が違う。
予選の様子を見ると、デイサービスや施設と思わしき場所も参加されていた。
色々な状況の高齢者の方が活躍される機会が増えることは喜ばしい。
しかし、一歩間違えると認知症の方を嘲笑う結果につながりかねないのではと思う。
(テレビでは、キャラとして話を聞いていないために回答を間違えるのではなく、そもそも他人の言っていることを理解しきれていないために回答を間違るという印象の方もいた。)

②回答者の人達自身、別に楽しくなさそうな様子が気になる。

ご本人たちは真顔なので、真面目に回答しているのか冗談で回答しているのか判断がつきにくい。どちらかといえば真面目に回答しているように見える。それだけに、間違った回答をしたときに、笑えない。真剣に取り組んだ結果、間違えだった。そんな回答を聞いて、なぜ笑うことができるのか。


ここまで考えてきて、黒井自身、何が気に入らないのかわかった。
「高齢者の方自身が楽しそうな様子ではないと、ご本人の尊厳を無視されているように感じてしまう」
ということだ。
本人の言動に対して、周りが楽しんでいても、それは自分勝手なこと。
本人自身が周りを楽しませたいという気持ちや、自分が楽しみたいという気持ちがあれば、一緒に楽しむ時間を共有するのは素敵なこと。

ご長寿早押しクイズに関しては、地域の高齢者クラブや地域の高齢者のたまり場と化しているスーパーなどに出向いて、面白かった部分を紹介してもらう形式の方が、きっと私は好きだ。
認知症の方を区別することはやりたくないけれど、認知症が進行しているような人を悪い意味で笑うのは絶対違うと思う。

元気なご長寿さんのパワーをもらって、自分も元気になりたいというわがままな黒井はそう思うのであった。

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