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はじめまして、『ほいくじん』です

はじめまして、『ほいくじん』編集長の市川です。

『ほいくじん』は、「保育と社会をつなぐ」という目的で、
スタートするWEBメディアです。

「保育」って私に関係ある?

私は保育業界の人間ではありませんし、
私自身、ちょっと前まで
「保育って子どもがいる人にしか関係ないんじゃない?」
そう思っていました。

でも、保育の世界を少しのぞいてみると、
子どもがいるいないに関わらず、
気になるテーマ、面白そうな話題がたくさんあったんです。

そして、それらのテーマは、
コロナ禍を経験した私たちがもう一度、
社会において「他者と共存する」というのはどういうことなのか、
自分のあり方や生き方を、
考え直すために重要なヒントになると感じています。

なぜなら、
時代が変わっても、
技術やシステムが最新のものに変化しても、
「子ども」という古来変わることがない存在に向き合い続けているのが、
保育者という人たちだからです。

「個性」と「集団生活」を両立するには?

例えば「個人と集団(組織)」というテーマ。

私たちは、どうすれば、
自分自身や他者の個性を大事にしながら、
集団の中で生きていくことができるでしょうか?
そして、
多様性のある社会をつくっていくことができるでしょうか?

それを考えるヒントが、保育の「現場」にはあるんです。

一人ひとりの個性を大切にしながら、
集団で生活していくためにはどうしたらいいのかを、
四六時中考えている人たちが、保育者だからです。

横浜市にある保育園の園長をしている鈴木八朗さん(以下、八朗園長と呼びます)の
「#02 保育とデザイン思考」(6月中旬公開予定)では、
集団生活の中で「個を守る」ためにはどうしたらいいのか、
その絶え間ない試行錯誤と、クリエイティブな発想を
具体的な事例を交えてお話してもらいました。

安心できる環境が必要なのは子どもだけ?

私たちは大人になっても、社会に出ても、
安心できない環境では、
自分の力を十分に発揮することはできません。

特別な才能を持ったアスリートのような人たちだって、
きっと同じです。

まして、子どもは自分の感情や意志を、十分に伝える術(言葉)をまだ持っていません。

子どもに限らず、
表出の弱い存在からも、
微かなメッセージを受け取るにはどうしたらいいのか、
八朗園長は、前職(母子支援施設)の仕事からずっと考えてきた人です。

最近ビジネス界隈でも「デザイン思考」という言葉をよく聞くようになりましたが、
八朗園長は独学で「デザイン思考」を勉強しながら、
保育の現場に積極的に取り入れていったそうです。

保育の現場で実践されてきた、
それぞれの個性を守りながら、成長しあうための「デザイン思考」ってどんなものなのか、
とても興味深いお話です。

「主体性を育てる」ってどういう意味?

他にも、
「主体性が育つ(主体性を育てる)」ということについて。

「主体性」ってなんなのでしょう?

辞書を引けば、
主体性とは「自分の意志・判断で行動しようとする態度」
と定義されています。

意味的にはなんとなく分かったような気にはなりますが、
「主体性を育てる」という実践を要求されたときには、
辞書的な定義は何の役にも立たなくなりそうです。

「保育」というのは
「主体性」の意味を頭で考える仕事ではありません。

毎日の生活の中で、
一人ひとり違う子どもの「主体性」と
その都度その都度、
向き合わなければいけない特殊な仕事です。

世田谷区にある保育園の副園長をしている
青山誠さんのお話は(「#01 保育のプロってなんのプロ?」)、
シゲルという5歳の男の子が初めて、
生き物の「死」に遭遇する時のエピソードから始まります。
このエピソードには、
子どもが未知のことに向き合い、経験し、学んでいくプロセスに際して、
傍にいる大人には何ができるのか、考えさせられます。

自分とは違う「他者」へのまなざし

「死」という現象について、
大人が知っている言葉で、子どもに教えることは、
子どもの主体性を尊重し、育てることにはならないんです。
じゃあ、大人はどうしたらいいのでしょうか?

子どもには、大人が当たり前のこととしている前提が通じません。
そういう意味で、
子どもという存在は究極の「他者」です。

青山さんのお話からは、
子どもの育て方という枠組を超えて、
「他者」という、自分とは違う存在への姿勢、まなざしについて、
重要な示唆をもらえます。

『ほいくじん』が発信していきたいこと

いかがでしょうか?

『ほいくじん』では、
保育者独特の思考や視点に注目することによって、
現代を生きる私たちには見えなくなってしまっている、
人という存在や、社会に対する「別の見方」を提示していきたいと考えています。

長くなったので、
「はじめまして」のご挨拶はここで終わりますが、
「保育と社会をつなぐメディア」という『ほいくじん』の使命については、
もう少し、
お伝えしておきたいことがあります。

「なぜ保育と社会をつながないといけないの?そもそも、つながってないの?」

読んでいただく皆さんと
「保育」現場の風景を一緒に見に行くための下準備のようなことを、
このnoteで書いていきます。


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