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腹ペコで残業していた当時の自分におにぎりを渡してあげたい。



保育士の休憩時間。
毎日、どのくらい取れると思いますか。


あくまでも、わたしと友人の経験談としてですが、30分取れれば良いかなという感じです。30分あれば…今日、休憩取れてるなぁ〜と感じます。

ただ、30分取れる日は実はあまり…ないです。実際のところ15〜20分くらいでしょうか。
(本来は1時間の休憩が保証されているはずなのですが…………うーん…笑)

休憩時間=お昼ごはんの時間となりますが、「いただきます」から「ごちそうさまでした」までが15〜20分ではありません。


休憩に入る際わたしの場合は、ざっとこんな感じの流れになります。

さて、休憩入ろうっと。
あ、トイレ行っておこうかな。
よし、カバンからお弁当出して、飲み物を用意して。
いざ、休憩室へ。
「いただきます」
もぐもぐ…モグモグ
「ごちそうさまでした」
お弁当をお片付け。
お仕事に入る前にもう一回トイレ行っておこうっと。


これら全てまとめて15〜20分です。
だから、「食べる」時間は実際はもっと少なくなります。
ということで、素早く食事を終える…早食いをしないといけない状況がほぼ毎日あるのです。


もっと大変なのは、そもそももう休憩時間がない場合。全然ないのです、時間が。笑
時間がないけど、とりあえずご飯だよね…という時が稀にあります。

そんな時はもう、とにかく胃の中に食べ物と水分を急いで入れるだけ。
「食べる」感覚はないです。
胃の中に食べ物入ってますよーだからお腹すかないですよー大丈夫ですよーと脳に伝える感じです。


***

わたしは、小さい頃から食べることがとても遅い子どもでした。
おしゃべりをしているとか、食べられないものがある…とかそういう特別なことはないのですが、周りよりワンテンポ遅いという感じです。

ただ、良いのか悪いのか、「食べることが遅い」ということを周りから指摘されたり、特別視されることもなく、困るようなこともほぼなかったため(少ーしだけありましたが。)そのまま大人になりました。

そして保育士になり、この時点で初めて「食べることが遅い」ことを痛感するのです。


***

早食いが当たり前の環境の中、なかなかお昼ごはんを食べられない日々。

食べたいけれど食べられない。
お腹が満たされないまま、午後の仕事に入り、そのまま残業なんて日もたびたびありました。
とりあえず水分補給だけはしっかりするようにしていましたが…
「あぁ…お腹すいた…」となることもしばしば。

保育士新人〜数年くらい。この時代はほぼほぼ毎日このような状況でした。


***

わたしはアレルギーがあるため、基本的にはお弁当を持参し、それ以外は自分が食べられる簡単なおやつのようなものを用意していました。

でも、そのお弁当やおやつをあける時間がないのです。
朝作ったお弁当を一度も開くことなく持ち帰ることも何度もありました。


お昼ごはんを食べたいのに食べられない。
お腹がすいている状況では、なんだか全てがうまくいかない。
落ち込む。
そもそもせっかく作ったお弁当をあけることすらできないことがショックでさらに落ち込む。
余計に疲れる。
家に帰るとぐったり。

そんな日々の繰り返し。


ある日、ぐったり…のわたしの状況を見兼ねた母がおにぎりを用意してくれました。

お弁当は基本的に自分でつくるようにしていましたが、早番等バタバタ忙しいときは、母が代わりにお弁当をつくってくれました。
その日のシフトは通常でしたが、おにぎりをつくってくれていたのです。

食べるタイミングがつかめないわたしのために、大きめのおにぎりを一つ。
母のおにぎりをもって出勤します。


その日は、わりと穏やかで休憩時間もいつもより取れたので、おにぎりをゆっくり頬張ります。
美味しいのはもちろんのことですが、今更ながらおにぎりの手軽さにとても感動したのを覚えています。


保育園では、お昼ごはんは職員が個々それぞれ自由に好きなものを持参し食べるようなスタイルでした。もちろん、コンビニ弁当等もあり。
ウォーターサーバー等もありましたので、カップ麺等の先生もいました。
(一応、外出しての昼食もありでしたが…もちろんそんな時間はないです。)


当時、タイミング的なこともあったと思うのですが、なぜか手作りお弁当の先生が多く、自分もそれに合わせないといけない…と勝手に思い込んでしまっていたように思います。
(今思えば、なんだかよく分からないルールを勝手に自分に課しているだけですよね。)

だから、「おにぎり」だけを持っていくという選択肢は自分の中になかったのです。
(どうして?という感じですが…なかったのです。)


おにぎりを持参した日。

お弁当を食べる時間がないなら、素早く食べられるものを用意して持っていけば良いんじゃない?お弁当にこだわる必要ないよね。
そもそも自由なんだし。


ものすごーく当たり前のことに気付きました。


その後、もちろんお弁当を用意することもありましたが、基本はおにぎり。
大きめのおにぎりをひとつ。
おにぎりは、わたしの最強の相棒になりました。


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おにぎりであれば、

立ったまま食べられる。
時間がなくても部屋の隅でささっと食べられる。
食べながらのミーティングもしやすい。
片手おにぎりでパソコン作業もできる。
もちろん、連絡ノートや書類等も書くことができる。
今日中にやらなくてはいけない片付けもできる。
(…お行儀が悪いことばかりでごめんなさい。)


食べ物がしっかりお腹に入ると力が入ります。
もちろん残業はとても疲れますが、しっかりと食べていることで体が動きやすくなります。

おにぎりに支えてもらいました。
おにぎりにたくさん助けてもらいました。


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保育士として年数を重ねていくと、良い意味でいろいろ慣れてきます。

お昼ごはんは、大きめのおにぎりが基本でしたが、時々2個に分けて味変を楽しんだり、おにぎりと小さなおかずお弁当、なんて組み合わせもできるようになりました。

そして。フリーズドライのスープやゼリー飲料等をカバンに常備。もし食べられなくても、そのまま次のために残しておけば良いだけ。
「あぁ…用意したのに食べられなかった…」というダメージを受けることもありません。


食べることが遅いのは基本的に変わりはないですが、タイミング良くうまく素早く食べる方法が少しずつ身についていきました。


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今思えば、「食べる時間がない」ことに対する対策としてはとても簡単なことだったと思います。なぜ、もっと早くそういう対応ができなかったのかな…とも感じます。


でも、余裕がなかったんだと思います。
簡単なことに気付く余裕が。



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おにぎりに感謝。
母に感謝感謝です。

最後までお読みくださいましてありがとうございます。 あたたかいお心遣いに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。