絵本と保育
今日は僕が感じる絵本の良さや今までの絵本との関わりについて書いてみようと思います。
絵本との思い出
保育者時代はよく絵本を読みました。
そもそも僕は絵本が大好きなんですが
その理由は何故だろうなと考えると
自分が小さい頃に、忙しかった父が妹に読み聞かせをしている姿や雰囲気を見て凄く素敵だな良いなと感じていたんだろうなという記憶が蘇ってきます。
自分自身も小学生の時に、ひいばあちゃんが縁側で日向ぼっこをしている時、本を持って行くと読んでくれた事を今でも鮮明に覚えています。
絵本って内容ももちろん大事ですが
その時に感じた温かさや空気感、匂いや思い、そんなものと一緒に記憶に紐付いていくものなんじゃないか
と感じています。
それでは、僕の考える保育と絵本について以下にまとめてみたいと思います。
僕が経験した保育現場と絵本の関わり
保育施設でのこどもたちの時間の流れは、その保育施設により実に様々ではありますが、絵本を読む機会というのはどの施設でもそれなりにあるのではないかと思います。
保育の形態も多様さがみられる中、いわゆる設定保育を取り入れている現場では特に用いられたり、用いやすいツールが絵本である事は少ないと思います。
僕自身も保育学生の保育実習時代から使っていました。
制作活動の前の導入としてはよく用いられます。
もちろんこどもたちに視覚的にもわかりやすく説明する為の布石だったり、イメージをつけやすくする為のツールとしても絵本は大変便利ですし、そういった側面はあります。
絵本は間を持たせたり静かにさせる為の道具だけでは勿体ない
一定数の現場で、こどもたちを待たせたり、活動と活動の間の間を持たせる為に使ったり
要は、こどもたちを静かにさせたり、落ち着かせる為に使われている事もあります。
これは、それが悪いという訳ではなく、裏を返せば、こどもたちにとって絵本はそれだけ魅力的なものだという事でもあります。
ただ、僕がお伝えしたいのは、絵本の活用目的がそれだけでは非常にもったいないなという事です。
冒頭でも触れたように、コミュニケーションのツールとしても非常に優れたものでもありますし、家庭においても、会話のきっかけになったり、こどもたちの思いを知ることができたりと、脇役や補助役ではなく、とてもありがたい存在なんですよ。と
絵本に期待できる効果
では、なぜ勿体ないかというと
①感情が豊かになる
②想像力を育む
③言語に触れて言語力の上昇が期待できる
④集中力が上がる
⑤コミュニケーションが取れる
⑥自己肯定感を高める
※出典元↓
などなど。
他にも調べればまだ効果は出てくると思います。
ここでは【保育士くらぶ】というサイトに掲載されていた効果を引用させていただきました。各項目について詳しく知りたい方は、サイトを参照なさってください。
上記の6つ以外にも、このサイトにはもうひとつ「しつけが身につく」というものもあったのですが、僕自身絵本にしつけを求めたくないのでその部分は割愛させていただいております。
そんな沢山の効果の期待できる絵本です。
保育において、つなぎ役や脇役にしておくには勿体ないと僕は思うのです。
家庭においても効果は絶大だと思います。
余談にはなりますが、保育において絵本を脅しの道具として使うのも、かなりナンセンスだなと僕は個人的に思っています。そもそも、こどもの人権を考えれば脅し自体がナンセンスなのですが、事実として脅しの保育をしている現場はまだまだあるようです。
なんにせよ、こどもたちのファンタジーの世界を無限に広げてくれ、更にこどもたちの情緒を育ててくれる絵本に対して、「しつけ」や「脅し」の罪を着せたくはないですね。
保育者がオススメする絵本には説得力がある
保育者がオススメする絵本が何故オススメとして説得力があるのかと言いますと。
こどもたちの反応を知っているからなんですよね。
絵本を読んだ時、
①こどもたちがどんな表情をしていたのか?
②読み終わった後にどんな会話がうまれたのか?
③繰り返し読んでほしいとお願いしたか?
などなど、こどもたちのリアルな反応を知っているから、こどもにウケる本を一般人よりも知っていると思います。
また、保育者や大人が読むのを聴いたり見たりするだけでなく、1人で見て楽しめたり、友だちと見て楽しめたりする本も同じ理由で知っていると思います。
絵本を見ているときの表情やこどもの反応などについては、また違う機会に改めて書こうと思います。
こどもが選んでくれた絵本との出会い
先にも書いたように、保育者は絵本を通してこどもたちの様々な姿を見ています。僕自身も振り返ると楽しい事ばかりです。
保育者をしていると、自分では選ばない絵本に出会ったりもします。
僕はそれが自分の視野を広げる為にも凄く良かったなと感じています。
自分では選ばない絵本との出会いは、こどもたちからです。
読んでほしい、と持ってきてくれたり。僕の場合は、お昼寝の前に絵本を読む際に、数冊選んできてもらって僕自身の今こどもたちに伝えたい内容と、こどもたちが今読んでほしい内容を取り入れるようにしていました。
そうすると、内容を読んでみると凄く深い物だったり、笑わせてもらえたり、考えさせられたり、と様々な副産物を読み手にくれます。
僕が気をつけていたのは、こどもが持ってきたものは全て読む。という事です。
これは長くて今時間ない。とか、これは難しい。とか
こちらの都合で決めずに読むことを心がけていました。
そうすることで、こどもたちの満足感や肯定感それから保育者との信頼関係にも繋がると思っています。
絵本を通して本当に多くの学びを僕はもらっていると感じています。
絵本を読むうえで気をつけていること
僕自身が絵本を読むうえで気をつけている事を。
①物語の場合は読みながらこどもたちに話しかけない。
勿論、こどもたちと掛け合いをしながら進める絵本もありますし、それも楽しい絵本です。しかし、物語やストーリーがしっかりしている絵本は、こどもたちが中身に集中できるように、書いてある文章をただ淡々と読むようにしています。
②抑揚をつけすぎない
これは、①からの続きにもなるのですが、こどもたちが自分で物語に没頭できるよう、自分の頭の中でイメージしたり登場人物に喋らせたりできるよう、読み手側の気持ちを込めすぎず読む事も大事ではないかと思っています。ある程度、淡々と読む事で自分の頭の中でセリフを自分なりに反芻できるのではないかという僕なりの解釈です。
③読み手側の感想や受け取り方を伝えない
「これは〇〇だったね」「怖かったね」など読んでいる側の感想やイメージを伝えないようにしています。感じ方は人それぞれ、想像やイメージは自由です。だからこそ、自分の感想がこどもたちのイメージを誘導するかもしれない発言は控えています。
結び
最後に…
絵本に対する思いを書かせてもらいましたが
特に家庭においては、絵本の読み方に上手い下手はないと思っています。
こどもたちは、絵本を読んでもらっている内容は勿論ですが、その空間や時間を楽しんでいると思っています。だからこそ、上手に読もう。とか保育園の先生みたいに読めない。と思わず、こどもと一緒に絵本を楽しんでもらえると良いなと思っています。
本当にこどもたちにとって絵本ってかけがえのないツールだと思っています。
こどもに関わる全ての人が、こどもたちの為に一緒に楽しみながら読んでくれると良いなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
絵本って
本当に良いものですね