naomy / 読書の記録

どんな時も本さえあれば。 読んだ本のこと、今考えていること。 バンライフやってます

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どんな時も本さえあれば。 読んだ本のこと、今考えていること。 バンライフやってます

最近の記事

ウー、うまい! 高峰秀子

女優、高峰秀子の毎日の食事にまつわるエッセイ。 「いやもう、うるさいのなんのって、夫の趣味嗜好を覚え込むまで、たっぷり三年はがとこは振りまわされた。」というくらい好き嫌いが多い夫と、美味しいもの好きの高峰さん。 そんな二人のお腹を満たすための工夫や試行錯誤が書かれている。 しかし、この夫というのがなんともカチンとくる。 大根おろしはよくて煮物は駄目で、蒲鉾はいいがさつま揚げは駄目、山芋は千切りならいいがすりおろしは気持ち悪い、といった調子。 勿論、それを考慮して料理するの

    • 御書印帳とバンライフ

      御朱印帳ならぬ「御書印帳」を手に入れた。 全国の「御書印プロジェクト」に参加している書店で、その店オリジナルの書印と書店員が選んだ本のタイトルや一節をスタンプしてもらえるというもの。 誰もが知っている大型書店から街の小さな個人書店まで393店舗が参加中。 2年ほど前から車中泊旅(お洒落に言えばバンライフというやつ)をしていて、あちこちウロウロすることが増えたので、書店を目的地の一つにしても面白いかなと思い購入してみた。 まずはすぐ行って帰って来られる京都からかな。 長野山

      • 小川洋子の偏愛短編集 小川洋子

        他人がどんな本を読んでいるかとても気になる。 どんな書店でどんな本を選び、家のどの場所でどういう格好で読んでいるのだろう、と妄想が膨らむ。(怖い?) ましてやそれが大好きな作家ともなれば、それはもう! あの素敵な文章を書く人が読んでいる文章はどんなものなんだろう、と知りたくて堪らなくなる。 絶対面白いに決まっている!私もそれを読みたい!と思う。 本書は、私の中で「素敵な文章を書く作家」のトップ3には入る小川洋子さんのお気に入りを集めた短編集。 内田百閒、尾崎翠、森茉莉、私の

        • わたしを空腹にしないほうがいい くどうれいん

          『しかしときどきはこうしていのちをいただいている実感を得なければ。 わたしたちは必ず何かを奪って生きている。』 これは、丸ごと買ってきた魚を捌き、食べる頃には命をいただく気持ちが強くなりすぎて食が進まなくなってしまった時の玲音さんの言葉。 私にもこういう思いになるが故に食べられないものがあって、それは動物の内臓(耳や舌も)。 殺したからにはきちんと隅々まで食べるべきだという気持ちと、そんなに隈無く食べ尽くすなんて…という気持ちの狭間でどうしても食べることができない。 子ども

        ウー、うまい! 高峰秀子

          春はどうも体調が優れない。 今年は花粉症も酷く、毎日朝から晩まで眠たいような怠いような。 今日はもう寝込むと決めた。 静かに音楽をかけて本を積んで。

          春はどうも体調が優れない。 今年は花粉症も酷く、毎日朝から晩まで眠たいような怠いような。 今日はもう寝込むと決めた。 静かに音楽をかけて本を積んで。

          生まれた時からアルデンテ 平野紗季子

          私には、今これが食べたい!というような欲求がほとんど無い。⁡ お腹が満たされればなんでもいいやと思っている。⁡ 外食に行っても、食べたいものより空いていることの方が勝ってしまう。⁡ そもそも好き嫌いがなくてなんでも美味しく感じるから、「そうそういま私はこれが食べたかったんだ」などと調子よく納得してしまう。⁡ ⁡ それに対し平野紗季子さんの食べ物への思いの強さといったら、もはや愛。⁡ 食への愛があふれて止まらない。⁡ 名前しか知らなかった彼女を好きになったきかっけは、彼女のポッ

          生まれた時からアルデンテ 平野紗季子

          三年日記

          今年から日記をつけることにした。 人生で初めて日記を書いたのは7歳の時。 日記を書くという宿題が出て、なんて面白いんだと思い毎日日記をつけることにした。 それを見ていた祖母も一緒に始めた。 祖母はもうかれこれ二十年以上続けている。 当の私はというと、ひと月足らずで飽きてしまった。 祖母の日記帳は三年日記で、あったことを記録するだけだ。 例えば、大根の種植え、夕方孫帰宅、法事のお供えを注文、など。 畑情報が多く「去年も今頃に植えてるわ、そろそろ苗植えの準備せなあかんなぁ」と、

          すべて忘れてしまうから 燃え殻

          「エモい」がいまいちわからない。 前にSpotifyで「エモいプレイリスト」みたいなのが出てきたから聴いてみた。 数曲聴いて、おぉ!この感じか!エモいわかるわ!と思ったが、次の瞬間全く違う感じの曲が流れてきて、エモいって何なん…と再び迷宮入りした。 今さら誰かに聞くこともできずモヤモヤと勝手に想像していたらエモい本に出会った。(のだと思う) 彼の文章を読むと、懐かしい、寂しい、恥ずかしい、不安、嬉しい、悲しい、色んな感情が全部少しづつ混ざり合ったような気持ちになる。 例えば

          すべて忘れてしまうから 燃え殻

          鎌倉駅徒歩8分、空室あり 越智月子

          人には言えない言いたくない、そんな過去や事情を抱えたちょっぴり癖ありの人たちが暮らすシェアハウスの物語。 彼女たちはみんな、理解してもらいたい辛さを抱えながら生きている。 でも同時に理解されるわけないこともわかってもいるのだろう。 私も昔、他人に辛さを分かって欲しい時期があった。 聞いてもらってもイマイチ分かってもらえなくて、苛立って悲しくなって…。 今なら苦しみを理解してもらうなんて不可能だと分かるけど、 その頃はできると信じていたから辛くて堪らなかった。 (ちなみにこれ

          鎌倉駅徒歩8分、空室あり 越智月子