すべて忘れてしまうから 燃え殻

「エモい」がいまいちわからない。
前にSpotifyで「エモいプレイリスト」みたいなのが出てきたから聴いてみた。
数曲聴いて、おぉ!この感じか!エモいわかるわ!と思ったが、次の瞬間全く違う感じの曲が流れてきて、エモいって何なん…と再び迷宮入りした。
今さら誰かに聞くこともできずモヤモヤと勝手に想像していたらエモい本に出会った。(のだと思う)

彼の文章を読むと、懐かしい、寂しい、恥ずかしい、不安、嬉しい、悲しい、色んな感情が全部少しづつ混ざり合ったような気持ちになる。
例えば昔の思い出を振り返るとき、嬉しいような幸せなような気持ちになるけれど、だからと言って戻りたくはないみたいなあれ。
放課後に延々恋バナをしていた時間とか、学校をサボって図書館にいた時の時間とか、定期テストと模試に追われていた日々が終わった時の帰り道の風景とか。
その時はそれらしく生きているつもりだったけど、今思えば足元がいつもふわふわしていて、何に向かっているのかがわからなかった未熟な自分。
燃え殻さんの文章を読んだときに湧いてきた感情はまさに、未熟だけどなんかいい感じだった過去の自分を振り返る時のものだった。
良いも悪いもなくて、ただそういう感情が湧き出てきてなんとも言えない気持ちなる。

この文章は間違いなくエモだなと確信した。
するとP26に「そもそもエモってなんだ」というタイトルが。
燃え殻さん、近頃やたらと見かけるエモってなんなんだと思っていたところ、女性誌の「今、エモい作家」で紹介されていたらしい。
なんと本人もエモがわかっていなかった。

エモいって何。


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