生まれた時からアルデンテ 平野紗季子

私には、今これが食べたい!というような欲求がほとんど無い。⁡
お腹が満たされればなんでもいいやと思っている。⁡
外食に行っても、食べたいものより空いていることの方が勝ってしまう。⁡
そもそも好き嫌いがなくてなんでも美味しく感じるから、「そうそういま私はこれが食べたかったんだ」などと調子よく納得してしまう。⁡

それに対し平野紗季子さんの食べ物への思いの強さといったら、もはや愛。⁡
食への愛があふれて止まらない。⁡
名前しか知らなかった彼女を好きになったきかっけは、彼女のポッドキャスト「味な副音声」だった。⁡
食べ物への愛が炸裂しすぎて、話しているうちにどんどん興奮気味になり、表現も意味不明になっていく。⁡
そんな大袈裟な、と吹き出しながら聴いている。⁡
なんと彼女、気が散るからという理由で食事は一人ですると決めているそう。⁡
全身全霊。⁡

そんな彼女の言葉を使って、私の中にあるなけなしの食への熱意を呼び覚ますことがある。⁡
最近適当すぎる気持ちでご飯作ってるなぁと思うときなんかにぱらっと読み、彼女になった気持ちで今日の夕飯を考える。⁡
もちろん全身全霊。⁡
するとなぜかこましな料理が出来上がり、その気合の入ったご飯は美味しい。⁡
いま食べたいものを真剣に考えるって、幸せな作業なんだと彼女に教えてもらった。⁡
毎日はできないけれど、時々そういう日をつくってみるのもいいものだ。⁡

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