小川洋子の偏愛短編集 小川洋子

他人がどんな本を読んでいるかとても気になる。
どんな書店でどんな本を選び、家のどの場所でどういう格好で読んでいるのだろう、と妄想が膨らむ。(怖い?)
ましてやそれが大好きな作家ともなれば、それはもう!
あの素敵な文章を書く人が読んでいる文章はどんなものなんだろう、と知りたくて堪らなくなる。
絶対面白いに決まっている!私もそれを読みたい!と思う。

本書は、私の中で「素敵な文章を書く作家」のトップ3には入る小川洋子さんのお気に入りを集めた短編集。
内田百閒、尾崎翠、森茉莉、私の大好きな作家がずらりで嬉しくなる。
でも本当に嬉しいのは、全く読んだことのない作家がずらりと並んでいること。
全然面白さがわからんと思うものもあるけれど、小川洋子さんが面白いって言ってんだから面白いはずだ、と自分を励ましながら何度も読む。すると、じわじわ良さがわかってくる。
そこまでして読まなくたっていいのだけど、自分にとって突拍子もない本に出会うことはすごく難しいから、貴重な機会を逃したくないというケチ根性で頑張る。

読み終わった頃には、よしとりあえず図書館行って借りてこよ、と思っている。
今までさらっと通り過ぎていた棚の前で立ち止まれるようになったことに嬉しくなる。






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