三年日記

今年から日記をつけることにした。
人生で初めて日記を書いたのは7歳の時。
日記を書くという宿題が出て、なんて面白いんだと思い毎日日記をつけることにした。
それを見ていた祖母も一緒に始めた。
祖母はもうかれこれ二十年以上続けている。
当の私はというと、ひと月足らずで飽きてしまった。

祖母の日記帳は三年日記で、あったことを記録するだけだ。
例えば、大根の種植え、夕方孫帰宅、法事のお供えを注文、など。
畑情報が多く「去年も今頃に植えてるわ、そろそろ苗植えの準備せなあかんなぁ」と、去年一昨年の記録を見返し確認している。
それから気温と天気。「去年の今頃はあったかかったんやなぁ」と振り返っている。
なんでもないような毎日だけど、何年も積み重ねたのちに振り返ると案外色々やっていたことがわかる。
なんかそういうのいいなぁ、と思ったのが日記を始めたきかっけだった。

始めた動機に挫折の予感しかないけど、まぁ今のところ続いている。
最短記録一ヶ月は無事突破した。

祖母を真似て、夜寝る前に鉛筆でちょこちょこっと書く。
鉛筆は間違えても消せるから気楽に書ける。
そもそも私は考え事が大好きで、それを文章にすることも好きなんだけど、でもそれによって時々くたびれてしまうことがある。
「考えている事を知る」って、面白い反面すごくエネルギーがいる。
そんな私にとって、あったことだけを書くというのは頭の休憩にもなって、気に入っている。
本日の営業は終了いたしました、と呟いて閉じる。
あったことを書いてそれでおしまい。

三年後が楽しみだ。
しかしそれはお前が書き続けら得るかどうかにかかっているのだぞ、という謎の魔王の声に震えながら今日も書けたことにホッとする。


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