【私と習い事】

ここまで母の「趣味」についてお話ししましたので、1つ母との出来事をお話ししましょう。

私はピアノが習いたかった。

「ピアノ」はほとんどの女の子が習っていたと言っても過言でないくらいに、習い事の1つにしている人は多いのではないでしょうか。

小学校の音楽会で、アニメを見るときにも、友達の家に遊びに行くときでさえ、私はなんどもピアノを習いたいと考えておりました。

ピアノを弾く友人の、あの細くしなやかな指先を見るたびに、母の趣味を行なっていた自分の太く筋肉がついた腕を見るたびに泣きたくなります。

私も気持ちは少女でしたから、可愛いい健気な女の子に憧れたものです。

「手太いね」

「すごい筋肉だね」

そう言われるたびに、私はいつも母のことが思い浮かび上がります。

今はもう過去には戻れないので別段気にしておりませんし、その趣味から、というか母から逃げれている次第なのでいたって平和です。

ただ、小学生になりたての私は、すでに体についてのコンプレックスがあったということなのでした。



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