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openpageでのチャレンジと今後の展望:CROとしての8ヶ月の軌跡

こんにちは、志村(@hiro_shimu)です。早いもので、日系スタートアップのopenpageに入社してもうすぐ8ヶ月がたちます。先日のキヤノンマーケティングジャパン(CMJ)様との資本業務提携が、会社としても私個人としても大きな区切りとなったため、このタイミングでここまでの振り返りをしておこうと思い、本記事を書くことにしました。スタートアップのキャリアや戦略にご興味のある方は、ぜひご覧いただけたらと思います。


1. openpage入社の経緯 - 新たなチャレンジ

2023年の秋、私はopenpage代表の藤島さんと久しぶりに情報交換のミーティングを行いました。藤島さんとの会話はいつも刺激的で、彼のビジョンや考え方に触れるたびに、私自身も多くの学びを得ています。

その日の会話で、藤島さんが突然、「志村さん、実はうち、デジタルセールスルーム(DSR)のプロダクトを出したんですよ」と切り出しました。DSRを知らなかった私は、興味津々で製品コンセプトの説明を聞いた瞬間、「これは間違いなく売れるな」と直感で感じたのをよく覚えています。

DSRは米国ではセールステックの1つとして市場が確立している領域ですが、openpageはカスタマーサクセス(CS)からスタートし、そこからDSR領域に拡張してきた背景があります。そのため、製品の思想には他のDSRベンダーにはない独自性があり、明確なポジショニングを取ることができます。何より、私自身が「自分の営業活動でこれを使いたい!」と感じるプロダクトであることが、提案活動における自信と熱意の源泉になります。

私はSalesforce Japanに2008年に入社して5年ほど、またBox Japanには社員番号1桁台の初期メンバーとして入社して3年半ほど、その後も外資SaaS企業の初期に参画したり、日本のスタートアップでもあれこれ試行錯誤しながら立ち上げをやってきました。外資や日系に関わらず、新規事業が大好きな私は「openpageのDSR事業を自分がリードして立ち上げたい!」とウズウズが止まらなくなりました。

また、藤島さんはメンバーをリスペクトし、意見や提案に対して柔軟に対応してくれるリーダーです。製品の優れたコンセプトと、彼のリーダーシップに共感した私は、openpageであればしっかり成果を出せそうと感じたため、入社の興味を正直に伝えました。

その後、オファーいただいた執行役員CRO(最高収益責任者)としての役割は、ビジネスサイドの戦略とオペレーション全体を統括するものです。スタートアップにありがちな「まずは結果を出してから」ではなく、初めから大きな裁量を与えてくれる点にも惹かれ、私はopenpageでのチャレンジを選択しました。

2. 初月の挑戦と成功 - 展示会での10アポ獲得

入社してわずか5日目、私はopenpageの一員として初めて展示会に参加することになりました。社内のシステムや文化にまだ慣れていない状態での参加は正直なところ不安もありましたが、その一方で、自分のこれまでの経験を活かして成果を出したいという強い思いもありました。

展示会初日、私はopenpageのブースで立ち止まる来場者に対し(というか声をかけて立ち止めてw)、積極的にアプローチをかけました。驚いたことに、チラシと簡単な説明だけで多くの方が興味を示し、その場でアポを設定してくれました。コンセプトだけで1日10件ものアポを獲得できたのは、ひとえにopenpageの製品自体が持つ魅力が大きな要因です。

さらに、自分が獲得したアポはそのまま自分で商談対応を行い、実際に受注に至った案件も生まれました。これは私にとって大きな自信となり、openpageの圧倒的なポテンシャルを改めて実感する機会となりました。この初月の経験は、私のopenpageでの挑戦の始まりを強く印象付けるものでした。

3. マーケティングと営業の最適化 - 営業活動の加速

openpageはまだアーリーフェーズのスタートアップであり、資金に余裕があるわけではないため、限られたリソースで最大の成果を上げる必要がありました。私たちはマーケティング戦略として、展示会での商談獲得とWebセミナーを活用したリード獲得&ナーチャリングに焦点を絞りました。この選択は、予算の制約を考慮した現実的な判断であり、リソースを効率的に活用するための最適解です。

Webサイトの印象はリード獲得に大きな影響を与えます。旧サイトはCS中心の価値訴求だったため、急いでリニューアルを行いました。現在のサイトでは、DSRとCSの価値訴求を別々のページで行うようにし、さらに事例記事、ブログ、ホワイトペーパーなどのコンテンツを充実させました。メルマガ施策との相乗効果で、DSRとCSのリード獲得数は目に見えて増加しています。

営業資料についても、特に前半部分に課題啓蒙の要素を追加し、ストーリー全体を再構成しました。DSRは新しいセールステックの領域であるため、顧客に製品の価値を理解してもらうための工夫が求められます。その工夫の結果、初回商談での顧客の反応が大きく改善し、有効商談化率の向上につながりました。

また、才流さんのバリュープロポジションマップを活用して、openpageのバリュープロポジションを言語化し、これを各種コンテンツに反映させることで、メッセージの統一と強化を図りました。このテンプレートは、経営合宿などでのワークショップに非常に有効なため、スタートアップな皆さまにはぜひ活用をおすすめしたいです。

SFAとして利用していたHubspotについても、パイプライン管理が十分に機能していなかったため、これを大幅に見直しました。各種レポートやダッシュボードを整理し、営業定例での案件レビューが簡単かつ効果的に行えるように改善しました。これにより、営業チーム全体のパフォーマンスが向上し、効率的な営業活動が可能となりました。

4. 大企業の顧客獲得 - 直販の成功からアライアンスの進展へ

DSRはその汎用性の高さから、業種や従業員規模を問わず幅広く利用できるプロダクトです。しかし、ユーザー数課金モデルであるため、営業人数が多く、高ARPAが狙える大企業をターゲットに設定しました。

今年に入ってから、openpageの顧客一覧のロゴにはCMJ様、三菱地所様、オムロンヘルスケア様、アイシン様、ビックカメラ様、セレブリックス様など、名だたる企業が加わっています。スタートアップにとってロゴの顔ぶれが会社のブランディングになるため、openpageがエンタープライズ志向であることがわかりやすく示せたのではないかと思います。

アライアンスの面では2つ大きな進展がありました。まず、セレブリックス様との業務提携は、openpageの社内利用や単なる共催セミナーの実施にとどまらず、パートナーとしての事業提携にまで発展しています。この提携により、セレブリックス様の広範な販売網を通じて、openpageがさらに多くの企業に普及することが期待できます。これは、openpageの成長にとって非常に重要な提携であり、将来的な市場拡大の基盤となるはずです。

他にも、openpageと相性のよさそうなコンサルティング会社ともアライアンスを強化し、DSRの市場をどんどん広げていこうと考えています。例えばSFAの次のネタとして、DSRによる営業の型化と受注率向上のプロジェクトは格好のネタになるはずで、まさにWin-Winのパートナーシップを築けると考えています。

また、CMJ様との資本業務提携は、スタートアップとしては珍しい大型提携であり、私たちにとって大きな意義を持つものです。CMJ様の社内展開に加え、ソリューションの共同開発、同社の顧客基盤への共同提案を通じてopenpageをさらに広めていく計画です。この提携は、CMJ様のトップを巻き込んだ意思決定のため、取り組みの本気度がまるで違います。

私たちとしても、会社の命運を握るこの提携は絶対に成功させるべく、取締役を1人張り付ける体制で臨みます。もちろん私も深く入り込んで、全国行脚などやる気満々です。このような大企業との提携は、openpageがエンタープライズ市場で確固たる地位を築くための非常に重要な一歩になると確信しています。

アライアンス戦略については、私が以前書いた記事もよかったらご覧くださいませ。

5. 今後の展望 - 大企業へのアウトバウンド強化とCSの型化

DSRのコンセプトが大企業に対して響いていることが明確になりつつあるため、私たちは現時点の想定から事業計画をまとめ、今後の成長に向けた戦略を着実に進めています。例えば、DSRと相性がよい業界を特定してターゲットリストを作成し、お手紙作戦などのアウトバウンド施策により大企業へのアプローチを強化しています。

これまでの営業活動を通じて、大企業のパイプラインが大幅に増加し、DSRに対する要求がより明確になっています。これに伴い、お客様の声をもとに大企業向けの必須機能を取りまとめ、優先度をつけて急ピッチで開発を進めています。ちなみに専任のプロダクトマネージャーはいないため、今のところ藤島さんにその役割を担ってもらっていますw

openpageのプライシング上、DSRを活用した顧客の成功体験を促進することがライセンス追加=ARR向上につながるため、CSのベストプラクティス構築や型化が、いま取り組んでいる重点課題です。この取り組みは、SMB市場における市場拡大にも大きく寄与すると考えています。

私たちは、企業全体でのDSRの活用を目指し、スモールスタートから全社展開を狙うボトムアップ役員クラスからのトップダウン、その両方を狙うサンドイッチ方式のアプローチを取っています。この戦略により、企業全体でのDSR導入を促進し、顧客のビジネスにおける成功をご支援していきます。

6. まとめ - openpageでの8ヶ月を振り返って

openpageに入社してからの8ヶ月は、私にとって毎日が新しい発見と挑戦の連続でした。成功もあれば、うまくいかないこともありましたが、そのすべての試行錯誤が私たちの成長につながっています。DSRの可能性はまだまだ広がり続けており、これからもさらなる挑戦が待ち受けているはずです。

この8ヶ月間で築いてきた基盤をもとに、さらに大きな成果を目指して努力を続けていく所存です。私たちはまだまだ成長途上にありますが、その過程で新たな仲間が必要です。直近で優秀な方々に続々と入社いただいていますが、引き続きエンジニア含め積極採用中です。もし少しでもご興味をお持ちいただけましたら、Pittaなどでぜひお気軽にメッセージをお送りください!


いかがでしたでしょうか?この記事を読んで、openpageや日本のスタートアップに興味を持っていただけましたら幸いです。今後も定期的に情報発信をしていきますので、ぜひXのフォローもよろしくお願いします。

また、本記事が私の記念すべき(?)10記事目になります。もしよかったら他の記事もご覧いただけたら嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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