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ふき味噌づくり~”探すもの”から”食べるもの”へ~

これは、わたしが小学5年生のときに書いた日記である。

つまり歯抜けのまま探したということだ

私にとってふきのとうは福寿草とともに、春の訪れを知らせる春告草のひとつだ。
今でこそその苦みを楽しむものになったが、子どもの頃はそうではなかった。

冬の名残りが残る茶色の地面に、やわらかな緑色の点々が現れる。
昔は食べずとも、ちょこんと頭を出したふきのとうを見つけるのが宝探しのようで楽しかった。

大人になってもやはりその習性は変わらず、
春が近づいてくるとついつい庭の”ふきのとうスポット”を探してしまう。

3月の下旬にようやくまとまった量のふきのとうが取れたので、
さっそくふき味噌にした。

花が開いていても気にしない

ふき味噌を作るとき、水にさらす作り方とさらさない作り方があるが、
今回はさらして作る。

途中2回ほど水を変えたが、水は濁りもしない。


調味料を用意する。

イメージ図(写真の分量は適当です。ごめんなさい)

材料は、
・味噌(この間記事 にあげた自家製味噌)
・砂糖
・みりん
・酒
・醤油(こちらも自家製)
・油

ポイントは2つ。
・ちょっと甘め
・隠し味に醤油をたらり

あく抜きしたバージョン、あく抜き無しバージョン、どちらも作ったことがあるが、私の好みはあく抜きをしたほうである。

鮮烈な苦みで春の怠けた体に鞭を打ちたい場合は、
あく抜きをするのもよいだろう。
私は甘めの味付けで、自分を甘やかす派である。

ちなみに調味料は、味噌が溶けにくいので火にかける前に全て合わせておくことをお勧めする。

調味料が用意出来たら、ふきのとうを刻む。
切ったふきのとうはすぐに調理しないと色が変わってくるので、
作業はスピード感をもって行う(事務作業のごとくシステマティックに)

まだ汁気が多い状態


油をひき、刻んだふきのとうを入れて炒める。
油がなじんだら、合わせておいた調味料を加え、煮詰める。

色は茶色くなるが、香りは最高


焦がさないよう、ギリギリのところ…いい感じだなと思ったら火を止める。

とろみがつく

はい、完成。

冷めたら保存容器に移す


ご飯と一緒に、またはそのままでお酒のあてに。

私はふきはふきらしく、シンプルにいただくのが好きなので、
変わった食べ方はほとんどしない。
というか、庭でとれたふきのとうでふき味噌を2回ほど作ってごはんに乗せ、あとは天ぷらを作れば終わってしまうのだ。

買ってもいいが、できるものなら鮮度抜群な産地直送のほうがいい。



自分で料理をするようになってから、味噌作り、醤油づくりに続いて、
ふき味噌づくりも年間行事の中に組み込まれることとなった。

自分で収穫し、調理する。
今まであまりピンと来なかった”自然の恵みをいただく”という言葉が、
今更ながら身に染みる。

今度ふきが登場するのは、ふきの葉っぱが伸びるころである。
きゃらぶきにしようか、煮物のにしようか。

思案するのもまた楽しみの一つである。


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