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食欲の秋、食エッセイの秋。

10月になってしまった。
2桁になるともう今年も終わってしまうんだな、と少しセンチメンタルな気持ちになる。

秋は実りの秋でもあり、寂しさの秋でもあるから。


北海道は最近空気がカラカラしていて、冬の気配がすぐそこにきている。
先日、外の温度計を見たらなんと気温は15.1度。
ほんまかいなとびっくりした、ちなみにまだヒートテックの出番ではない。



そして話の本題は食エッセイへ。

食エッセイはその名の通り食べることをテーマにした作品で、自分で作った料理のことや色んなお店を回って感想を残す人など人それぞれ。

今回紹介したい食エッセイも後者の作品だ。


このアンニュイな表紙に一目惚れ

『生まれた時からアルデンテ』

思わず口に出して読みたくなるタイトル。
語呂の良さとタイトルだけでは中身が分からないわくわく感のコンビネーションがすこぶるいい。


きっかけはAmazonからのおすすめで、著者の平野紗季子さんのこともこの時初めて知った。
彼女は小学生の頃から食日記をつけていて現在も文筆活動を中心に精力的に活動されているそう、ただただすごい。

きっとおしゃれなカフェだったり都会の素敵なお店のことがたくさん書いてあるんだろうなーと思ってパラパラとめくると、目に飛び込んでくるカラー写真たち。しかもどの写真もちょっぴり癖がある。

写真に添えられているエッセイたちもクスッと笑ってしまうようなユーモアにあふれている。
感性が豊かなことはもちろん、言葉の引き出し方も参考になることばかりだ。


私のお気に入りは『貪欲な人たち』というエピソード。

内容は昔の人が未知の食べものや料理に出会ったときと現代の情報にあふれた時代の感想の残し方の違いがメインなのだけれど、その中の一節が心を離してやまない。


だから私は本を読む。
知らない過去は未来なんだ。

『生まれた時からアルデンテ』より

ああ、そうだったな。
私が本を読むのが好きなのはこういうことなんだな。

と初めて自分の中で本を読む理由を言葉にできた気がした。
こういうことがあるからエッセイは面白い。


この他にもたくさんの味のあるエピソードが詰められていて、読むたびにお腹が空いてくる。フルーツサンドの話を読んだときはその瞬間からフルーツサンドのお店が近所にないか検索したほど、お店はなかったけれども。


食べるのが好きな人には自信を持っておすすめしたい一冊だ。
あなたの本棚にもぜひ。



ちなみに私の食エッセイデビューは坂本真綾さんの『満腹論』
今見たら絶版になっていて時の流れを感じずにはいられない。

本ってなぜか持って撮りたくなる。

私の大好きな本の一つです。
このnoteを書き終わったらもう一度読み返そうっと。


ほがらか


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