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ある晴れた日に近所の公園でー娘の発言で嬉しかったこと

現在猛威を奮っている?オミクロンと胃腸炎の影響で娘(小学4年生)のクラスが学級閉鎖になった。

学級閉鎖だから暇かな〜と思いきや、さすが現代の子。授業は全部各自のタブレットを使ってのオンライン授業。ただし、謎ルールで家のWifiは繋げてはいけないとのことで、アクセスが集中すると途中で接続が断たれて親が呼ばれる、などのトラブルもあり。しかし、さすが4年生。オンライン授業でもちゃんと先生とコミュニケーションとって課題をこなしていく姿を見ると成長したなあ、と嬉しくもあり。
オンライン授業でも日直さんが号令をかけてるのは微笑ましかった。

明日、大雪警報が出るかもしれないと天気予報が言い続けているが、今日の青空は抜けるような青さだったので、仕事を切り上げ娘を連れ出して近所のパン屋でサンドイッチを買って公園で昼食を食べた。

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娘は2歳から6歳までをブラジルで過ごした。
日本語よりもポルトガル語の方が流暢なんじゃないか?という状態で日本に帰国。年長の秋から日本の幼稚園に通った。

幼稚園に通い始めて2週間後には日本で初めての運動会。しかも演目に組体操があるとのことで危険があったらいけないからと「運動会の練習では遅れに対して厳しく指導させてもらいます」と先生から断りがあった。笛の合図で動く、周りの子達と同じ動き遅れずにしなくてないけない。どれも彼女にとっては初めての体験で言葉は理解できても行動が理解できず、戸惑ったことだろう。ブラジルでも運動会はあったけど、合図で一斉に団体で動く、徒競走もコースで事前に練習する、みたいなことは経験したことがなかった。むしろ走りたい人が走る、参加したい人が参加する、といった具合で幼児とはいえ個人の意思に任されていた。
私も下の子(当時3歳)が居ての引っ越し等でバタバタしていたので、先生の件の断りにも特に反論もなくやり過ごしてしまった。私の引っ越しのストレスも彼女に伝播してしまったのかもしれない。娘は運動会後から小学校入学直後まで荒れに荒れた。

その後、私の仕事の関係で都内に引っ越して転校を経験した。それと同じく習い事も始めて、その習い事の中のとあるイベントで「夢」について大人数の前で発表する機会があった。

その時の娘の言葉がずっと忘れられない。

日本に帰ってきて『将来の夢』を聞かれたけど、私は何て答えたら良いかが分からなかった。
隣の友達が何て答えてるかを見てみたら『幼稚園の先生』とか『ペット屋さん』とかの答えで驚いた…日本では『夢』は『仕事』で答えなきゃいけないんだ、って。
ブラジルではそんなこと聞かれたこともなかったし、夢は寝ている間に見るものだとしか思っていなかったから、私にはみんなのような『夢』が無いんだ、って思った。だから『夢』を見つけることが難しかった。

これを娘の口から聞いた時、鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
6歳の小さな胸でそんな辛さを抱えていたなんて、と。

そんなことがあってから、私はなるべく彼女が「好き」なことから将来をイメージできるような話題を意識的にするようにした。
そうすると「環境は自分で選べるようになりたい」と、小学2年生の秋頃から中学受験がしたいと言い出すようになった。

そんな意識高い系なら、自発的に勉強する&成績も良いか、というと残念ながら「こんなに勉強しないのに中学受験したいなんて笑えないジョーク」と夫から嫌味を言われるほど、行動は伴っていないのだけども…。

小3になると、これはどう?あれはどう?と娘に提案しても「どうせ私は…」「それは限られた人だよ…」というネガティブな発言が出てくるようになった。そして、個人の感情よりも規律を正しく守ることが何よりも大事、という旨の発言をよくするようになった。将来の夢が「宇宙開発して億万長者になる」と鼻息荒く豪語する6歳になった弟と比較すると大人の階段を登り始めてしまったのか、現実を直視するようになってきたのか、少し寂しくもあったが成長の一つなのだと思うことにしていた。

そして今日、小4がもうすぐ終わるというこのタイミングで期せずして思いがけない言葉を聞いた。

あー、私がもう一人欲しい!いや、一人と言わず、何人でも欲しい!
やりたいことが沢山あるの。もう同時進行したい!
音楽をもっと聴きたいし、楽器を習いたい!曲も作ってみたい!
本ももっともっと読みたいし、色んな場所に行ってみたい!
会いたい人も沢山いる。そしてもっと勉強もしたい!
1 日が24時間じゃ全然足りないんだよ!

もう身長が155センチ近くあって体重も40キロを超えている娘を電動アシスト自転車の後ろに乗せて(重量オーバー過ぎ&ルール違反なことは承知です💦)ヒーコラ言いながら自転車を漕ぎながらこれを聞いて、思わず泣きそうになった。

成長の過程で幼さと一緒にもう消えてしまったと思っていた彼女らしさ、「好きなことを好き」とキラキラした瞳で言えるブラジルの太陽のような眩しさはちゃんと彼女の中にまだ存在しているんだ、と。

そして好きなことや挑戦したいことが沢山あって忙しい、だなんて、なんと「生きる喜びに満ち溢れている」発言なのだろう、と。

もちろん、これは私の視点から見た娘なので、本人は違うことを意図していたかもしれない。
それでも私には娘の発言が「生きてるって楽しい!夢があるって嬉しい!」と言っているように聞こえて、本当に嬉しかったのだ。

大人の階段である思春期の入り口が見えてきている娘。
反抗的な態度もめちゃくちゃ増えてきたし、体も大きくなってきて、ややこしや〜なことも増えてきている。
だけど、見た目はどんなに変わっても中身は変わらない。
大事な部分はずっとちゃんと残るのだ、ということに勝手に安心した。

もうここからは私がリードすることはなくてもきっと大丈夫だろう。
彼女が「困った!」の時に、ちゃんとそばで「大丈夫だよ」をそっと伝えてあげられる存在になろう。

彼女は彼女の人生を、酸いも甘いも沢山経験して「生きるって楽しい!」を突き進んでもらいたい。
母として、手を出しすぎないように気をつけねば。
そんなことも含めて備忘録。





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