【You Tube】ファイトクラブの動画の原稿【誰も見ぃひん】

え~…それではファイトクラブの映画版と小説版の比較、解説、ちょっぴり考察、といったところを始めたいと思います。

まず映画と小説版のエンディングの違い、といったところが一番皆さん興味がある部分かと思うんで
そこから話していこうかと思うのですが
小説版と映画版だと、エンディングはかなり違っていると言っていいでしょう。

まず皆さんが見ているであろう映画版のエンディングを振り返ってみますと
まずあれやこれやあった後に主人公は自分の喉に向かって銃弾を打ち込みます。
そしてその銃弾によってタイラー・ダーデンはかなり明確に【死んだ】という描写が来て
そしてその後にマーラ・シンガーが現れ、まぁあれやこれやの後に、周囲のビルの爆破、及び崩壊が始まる。
その光景を見ながら二人は手を握り。自分達のビルが今まさに崩壊しようと思った瞬間に
巨大なチンコが画面に映り、そして画面は歪み、エンドロールが流れる、といった流れですね。

まぁ個人的な解釈を述べさせていただきますと、主人公にとってタイラー・ダーデンは理想の男だった。
そしてその理想の男になってどうしたかったのかというと、ここは意見が別れる部分かと思うのですが
僕の解釈ではマーラ・シンガーを手に入れたかった。
そして主人公はタイラー・ダーデンを葬り、マーラ・シンガーをついに手に入れ、一種の完全体に変貌を遂げた。
そして完全体になった数十秒後に、主人公はビルの崩壊という形で、愛する人と共にこの世を去る、と。
まぁこんなような流れなのかな?と僕は考えております。あくまで、僕個人の解釈です

で、一方、小説版のエンディングがどうなったのか?という部分。
まずビルの爆破は「金融業界のビルが立ち並ぶ周囲1ブロックのビル群」ではなく
世界一高いと言われるパーカー・モリス・ビル一つだけです。
小説版の物語は「世界一高いビルと共に、我々は伝説になる」みたいなタイラー・ダーデンの独白からこの小説はスタートします。
そして何より違うのが、小説版ではこのビルの爆破というものに、タイラー・ダーデンは失敗してしまいます。
そして伝説になりそこねたタイラー・ダーデンを殺すべく、主人公は自分の喉に向かって拳銃をぶっ放す。
ここで最後の章の一個手前の章が終わります。

そして最終章。僕は天国にいる、と主人公は言いますが、そこはどうやら厳重に警備された高いビルの一室と読めます。
つまり、どうやら死んでいないっぽい、って訳ですね。そして食事を持ってきたり、掃除している連中が顔に傷を作って
「ミスター・ダーデン」「ミスター・ダーデン」と話しかけてくる、
それを聞きながら「マジか…」みたいに主人公が思っているっぽいところで小説は終わります。
ファイトクラブは続き続けるのだ、みたいなね

という事で、エンディングだけ知りたい人はさようなら。ここからは小説版と映画版のテーマの違い、みたいな事について
小説の時系列順にもうちょっと話していきたいと思います

まず気になるのはここですね。小説版で主人公は
タイラーとマーラとの関係を「三角関係のもつれだ。」みたいに解釈していて
映画版を何十回も見ている僕としてはちょっとここには違和感があったりします。

まぁコレは反対意見が出るのは百も承知なのですが
僕はタイラー・ダーデンが本格的に動き出しすのはマーラ・シンガーと出会ってからじゃないのかと思っていて
つまりマーラ・シンガーにお似合いの相手、マーラ・シンガーに釣り合う相手、というのがこの
主人公からすると「タイラー・ダーデンのような男なのである」、と。
マーラ・シンガーと釣り合うような男というのはタイラーのような男なのであると
まぁいわゆる【どん底まで堕ちるような女】と【どん底まで堕ちるような男】という訳ですね
そしてエンディングの部分でタイラー・ダーデンを殺し、タイラーを乗っ取る事によって、マーラに相応しい男になった、と。
映画のファイトクラブってのはそんな感じの話しだと僕は思っていて
これは別にそんなに悪い解釈でも無いとは思うんですが

問題はこのシーンですね。

マーラと出会う前にタイラー・ダーデンが一瞬画面に映るんですね。ここが無ければ僕のこの解釈は通る気がするんですけど
この一コマのせいで僕の解釈の整合性というものは悲しくも崩れ去る事になります

とはいえこの話は映画も小説も整合性が完璧にとれた話では無いと思いますし、
無理に僕の説を通そうと思えば通す事も出来ると思いますね。
例えば「主人公の内側にうっすらと存在していた資本主義の敵対者としてのタイラー・ダーデンが
マーラとの出会いにより、本格的に動き出したのである」とかね、まぁ僕はそう解釈する事にしています。
皆さんの解釈はどうなのでしょうね。万人が納得するような解釈があるとも僕にはあまり思えないんですけどね。

そして小説版と映画版で大きく違うのがタイラー・ダーデンとの出会いですね。
映画版では本格的に二人が出会うシーンというのは飛行機の中の会話シーンですが
小説版では二人は「ロサンゼルスのヌードビーチ」で出会います。ちょっと良く分からないですね。
何かのメタファーになっているんでしょうか?
そしてタイラーは砂浜に丸太を突き立てて遊んでいます。「何してんだ?」と主人公が聞くとタイラーは
この丸太の影が手の形になるようにしているんだ、と。丸太の影で巨大な手を作り、その中に座る
4時30分にはこの影は完璧な手だったが、完璧な瞬間ってのは一瞬しか続かない、と語ります。

映画版しか見ていない人には何が何やら、というシーンかと思いますが
小説を読み返してみると、「あぁ…なるほど」とは思えるセリフかとは思いますね。
つまり映画版と小説版ではテーマ設定が違っていて
そして小説版のテーマは、ここでタイラーが語る
「完璧な瞬間は一瞬しか続かない」
という言葉にある種集約されていると言っていいでしょう。
まぁ二人の出会いのシーンですから、何の意味も無いシーンのはずはないですからね。

先程言いましたが、小説版のタイラー・ダーデンは「世界一高いビルで死ぬ事によって自分は伝説になる」と言っています。
つまりその一瞬によって、タイラー・ダーデンは伝説になるのだ。完璧な一瞬によって、と解釈出来る訳ですね。

映画版は「商業主義批判」みたいな事がかなり全面に出ていて、まぁ小説版でもそこは無いという訳でも無いんですが
6061まぁ例えばこことかですかね、
完全で完璧な自分が何故こんなに苦しむのか?みたいな事を主人公が言っているシーンですが
つまり現代の我々はある種「永遠に輝こうとして一瞬も輝けていないのだ」と言っているのだと思います
一瞬の輝きのために犠牲を払ってこそ人生だ、と。まぁこの辺の主張は僕としては全面的に肯定は出来ませんけれども
話の筋としては理解出来るものですよね

ここまで聞いて「映画と小説って全然違うんだね」と思った人もいるかもしれませんが
よくよく考えたら、映画のラストというのは「完璧な一瞬を迎えた瞬間に人生を終える」という
ある種のハッピーエンドと見る事も出来る訳ですね。全てはこの一瞬のためにあったんだ、という

73そしてファイトクラブというこの謎の集まりは何なのか?何故こんなものが催される必要があるのかというと
ファイト・クラブにおけるファイトが終わった後に完璧な瞬間は訪れる、と。
これが人生の縮図であるべきだ、と言いたいのでしょう。
映画でもファイトが終わった後に感じる「救われたという感覚」が病みつきになる、みたいな描写がありますし
ファイト・クラブの中にこそ、完璧な瞬間が、人生の一番大切な部分がつまっている、という訳です

9293一方で輝かしい瞬間のためだけに作られ、捨てられた服、或いはペットの話も出てきます。あとはクリスマスツリーとかですかね
ここは映画版にもあったりしますね。この辺りのセリフをマーラに言わせているってのは
恐らくタイラーとマーラの対比というか、二人は同質の存在である、という事が示唆されている感じがします

9697 この辺とかの、タイラー・ダーデンのどん底論ってのはいかにもって感じです。この辺は映画でもまぁ出てきますが
詳しく知りたい人は小説版を読んでみるのもいいでしょうね。読んでて楽しい部分です。


169そしてこのシーンは最高です
映画でも一般人に喧嘩を売れ、というシーンはありますが、小説でタイラーが言うには
『一般人に自分のパワーを思い出させろ』、と。喧嘩をふっかけて逆にボコボコに殴られてやれ。
そして自分の中の力を自覚した時に、人は覚醒する、みたいな話になってますね。
ユーチューブの新ジャンルとしてどうなんでしょうね。「本当に殴られ屋」ってところですかね。
僕はやりませんけど戸塚ヨットスクール的なスパルタ教育のアンチテーゼとしてはありなのかもしれません。
いじめられっ子集めて『俺を殴れ』とか、案外効果があったりするのかもしれません。
いじめられっ子とか引きこもりって割と家庭内では暴力的だったりするって話も聞きますし
ただそれが外に向かった時どう責任取るんだ?と言われるとなんとも言えませんが
タイラー・ダーデン的にはそんな事はどうでもいいのでしょう。覚醒させる事が先決だと。カッコいい考え方ですよね。

173174そしてプロジェクトメイヘム発動。映画版だといつの間にかプロジェクトメイヘムは発動していて
主人公は「え?え?何これ?」みたいな事になるシーンになっていますが、
小説版だとまず主人公が猛烈な苛立ちを感じ、そして新入りをボッコボコにするシーンを見て
タイラーが「第二段階に移行する」とプロジェクトメイヘムを立ち上げる、という流れになってますね。
まぁ小説版の方がスッキリしているとは思いますが、まぁ皆様はどちらがお好みですか?って感じですね。
175~ここも僕は大好きなシーンですね
映画で「全ての美しい物を破壊してやる」というセリフがあって、僕は凄く大好きなシーンですけど
そのセリフに関する内容が3ページくらい延々と語られていて非常に楽しいシーンになっています。
モナリザでケツを拭けば歴史に名が残る、と。

185そしてプロジェクト・メイヘム発動直後にタイラーが失踪します。ここは映画版の通り、かと思いきや
映画版ではもっと後の事です。具体的に言うと、車を暴走させて事故るシーンと
コンビニの店員を殺すぞ、と脅すシーンは、あるにはあるのですが、そこにタイラーはいません。
映画だとどっちも素晴らしいシーンで、特にコンビニ店員に「一週間後勉強してなかったらぶっ殺す」というシーンは
ファイトクラブという映画の中で僕は一番大好きなシーンですが
ここはタイラーではなく、主人公自らが全てやっているという描写になっており
そしてタイラーの代わりに登場するのが「ファイトクラブ専属メカニック」という謎の男。この男は完全に謎で
最初読んでて僕は「こいつって主人公の第三の人格なのかな?」とすら思ったのですが
どうやら普通のタイラー・ダーデン信者っぽいですね。
200201例えばこの辺りのセリフはまんまタイラーに言わせたいセリフですね。カッコいいですよね。
ちなみに僕も「神に会うためにまず悪魔になろうとする男の話」という漫画のネタを考えていたんですが
まぁどうしようかな…って感じですね。僕が考えるような事は、もう誰かが考えている。悲しいですね。
僕が漫画描いても誰も読みません。やれやれ

そしてマーラにタイラーの話をした事により、タイラーは再び姿を表し
242 最後に残るのはどちらか?まぁここはエンディングの話を先に言ってしまっているのでアレですが
まぁそういう感じで、2つの人格の生き残りをかけた戦いが始まる、と。後はまぁ映画版と大差無いですね。

で、つまるところ「タイラー・ダーデンは結局どうなったの?」という謎が残っているんですが
主人公はどうやら主人公的人格を保持したままではいるようですが、とはいえタイラーがどうなったかは明記されておらず
そして、その天国、恐らくビルの外の世界では、ファイトクラブやプロジェクト・メイヘムは依然として続いているらしく
「全て計画通りです」と給餌係や清掃員が言ってくる辺り、
まぁ主人公が寝静まったあと、夜な夜なタイラー・ダーデンは行動を起こし
電話によって色んな指令を出しているのかもしれません。

ただ一つ分かっている事は、ファイトクラブという、たった一人の人間の中から発生した闘争が
まだしばらくの間、世界を巻き込み続けるのではないか?という事ですね。
映画版が自己破壊的に完結して自己中心的に終わる、みたいな感じである一方で
小説版はファイトクラブという物語が、コレからも永遠に、ファイトクラブが必要な人の元に届けられ続ける
人類の覚醒はコレから始まるのだ!というような、進行形の終わり方と解釈出来るのではないでしょうかと思います

それではファイトクラブの映画版と小説版の比較、解説、ちょっぴり考察を終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。

91013ワンブロック吹っ飛ばすが、原作は世界一高いビルと共に吹っ飛び、伝説になる。
14三角関係?
寝る→ダーデン化
不眠症→ダーデン化阻止
感染症の会合→ダーデン化
マーラと出会い→ダーデン化阻止

39?41タイラーとの出会い
一瞬の輝きのために人生はあり
6061 助けてくれタイラー
一方で現代の我々は永遠に輝こうとして、一瞬も輝けていない、またいな事か?
73ファイトが終わった後、完璧な瞬間
89タイラーとマーラが同じ部屋に
9293輝かしい瞬間のために存在し、捨てられる服とペット
9697 103?109ドン底論
125131132マーラの母親の石鹸。とはいえ石鹸なんて一個いくらもしない訳で、この辺の計算って合わなくないか?

150
151
人生の悲劇の全ては死なない事によって巻き起こる
あって当然だと思う法律がある。何のためにあるのか?と思う法律もある。無い方がいいと思う法律もある。それが理解出来ない人が、何故こんなに多いのか。
平等なんて無い。仮に僕が自分の欲求に従って、今から1分おきに地球上の人間を一人ずつ殺していっても、最後の一人に到達する前に僕の寿命が尽きる。逆だってそうだ。今この瞬間、天上の世界からジーザスが降臨なさって、1分に一人ずつ救ってやったとして、十年後に救われる奴もいれば、救いが訪れる前に寿命でくたばる奴もいるだろう。最初の一人と、最後の一人を平等には扱ってやれないんだ、残念ながら。平等になんて扱ってやれない。
161 165タイラーのやり口

169
173174 プロジェクトメイヘム発動

175176177178
真田幸村は三途の川の渡し賃、六文銭を旗印としたが、グーグルで検索したところ、うちの近所の葬儀屋の葬儀費用は税別12万円。これが我等が現代文明の誇らしき達成か。
185タイラー失踪
197専属メカニック
200201 タイラーのドグマ◎
216レイモンドの章
この後マーラにタイラーの話を聞く

242 最後に残るのはどちらか

125132あとどうでもいいですけど石鹸を作るのにマーラの母親の脂肪を使っていた、みたいな話で、
映画版だと痩身クリニックに忍び込んで脂肪を調達していますが、まぁあっちの方がいいですね。
小説版だとマーラの母親にチョコレートとか贈りまくってブクブクに太らせた脂肪を使う、というシーンになってるんですが
石鹸って高くてもせいぜい一個いくらの世界だし、チョコレートとか贈ってたら採算取れるとは思えないですけどね。
ワイルド・スピードで金を数千万の金を盗むためにスポーツカー何台も壊しちゃうシーンを思い出しますよね。
これ赤字なんじゃないの?みたいな。

植物にとって僕達は敵対者なのだろうか?寄生虫や、顔ダニは僕を愛しているか?
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お前は完全な糞だったのに何故今更中途半端な糞になりたがる?


タイラーは死んだのか?

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