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農家の嫁が中小企業診断士を目指す理由

農家の嫁であり、2児の母である私が中小企業診断士を目指すに至った経緯を話させてください。
途中、中小企業診断士についても簡単に解説しますね。



農家の嫁になる

結婚後1年で退職し、農家の嫁になりました。
その頃はまだ義父の個人事業として農家をしており、旦那と私は専従者給与でお給料を貰っていました。

右も左も分からなかった私も最初の数年は出産をはさみつつ、比較的のんびりと現場のお仕事をさせて貰いました。

4年ほど経った頃から義父より経理を少しずつ引き継ぎました。真面目な義父は几帳面に管理していました。

個人事業の経理を引き継ぐ

数年後、義父より経理業務を少しずつ引き継ぎ始めました。
私は商業高校出身なので、簿記は持っていますが、経理業務は初体験でした。引継ぎ1年目は素直に義父に言われた通りにやりました。

ずさんな経理に気づく

引き継ぎ2年目から、今後に役に立つかなと思い、簿記を久しぶりに勉強しはじめました。そして、勉強すればするほど見つかる矛盾点の嵐。実際は長期借入金はないのに、過去の返済済みの借入金が貸借対照表に記載されたままになっていたり、今は存在しない謎の古い償却資産があったり、そもそも教えてもらった業務で仕訳自体をしていないことに気づいたり、義父が現金出納帳と称するものが、勘定科目欄に購入品の名前を書いた、ただの購入メモであることに気づいたり、請求書が領収書と一緒にファイルされていたり。だけど、何をもとにつくったから分からない、税理士から渡されたであろう謎の総勘定元帳はある。そして、勉強すればするほど、義父は簿記を理解していない事に気づきました。

義父に悪意はなく、自分なりに考えて自己流で管理しやすいと思うように数字を管理し、そして最終的には感覚で経営判断を行っている印象でした。実際、経営自体は個人事業としては上手くいっていました。

やばい税理士さんの存在

青色申告はさすがに分からないので税理士さんにふっていたようですが、その税理士さんは義父に何も伝えてなかったし、聞かなかったのでしょう。
義父からの資料だけで分からない部分は適当に穴埋めしたような決算書でした。だからこそ、返済済みの借入金がそのままになっていたのだと思います。マイナスになってはいけない勘定科目がマイナスになっているものもありました。何のために税理士さんに依頼していたのか。
税理士さんに何も聞かれなければ、義父も自分のやり方で正しいと思ってしまうのも仕方ないとも思いました。

速攻、税理士を代えました。

経理や労務作業の仕切り直し

ここから、新しい税理士先生も一緒に協力してくださいました。
決算書見て驚いていましたよ。

私は私で小さな会社用の人事労務、経理の本を読み漁り、なんとか1年で事務関係のベースを作りました。

義父からの圧力

義父には税理士を変えることも了承してもらいましたが、さすがに面と向かって義父がやっていたのは一般的な経理ではなかったという事は伝えていませんでした。本人に悪意はなかったし、もう私が引き継いだので言う必要性もないかなと思ったからです。それが、正しい判断だったかは未だに分かりません。

実は経理が私に移ってから、義父から優しめに何度も「自分の時は現場と経理も1人でやっていた、初めての経理で大変なのは分かるが時間をかけすぎ、現場に出なさい」という圧力を何度も受けました。

義父にあなたがやってたのは経理のさわりだけだ。とは、さすがに言えなかったので、ひたすら「無理です。」で、乗り越えたのはいい思い出です。(笑) その時期は、確実に義父が思っている3倍以上の業務をしていましたから。

あと、税理士さんが察して義父に対して「おたくの嫁ちゃんすごいね。」と言い続けてくれたので最近はもう何も言われなくなりました。

個人事業の法人化

その後、法人化。
法人化の手続き関係も税理士さんと司法書士さんと段取りしながらほぼ私が進め、定款、税務書類、登記など一通り体験しました。(うちの社長は現場への指示と研究と外部とのやり取りで大忙しな人です。視察も多い会社です。)

法人化に伴い、社労士さんを雇うお金はないので、けんぽ、雇用保険、労災の加入、毎年の届出、就業規則の整備、iDeCo+の導入も全部1人でやりました。その後、融資のお願いや知財関係、補助金申請、受注管理、なぜか生産数管理等あらゆる業務をこなしました。

農家の嫁の立ち位置

ほとんど経営の実務はやっているので視察の対応など経営にまつわる話をする時は社長に呼ばれれば担当者として出ていくのですが、会社が農業だからなのか、お嫁さん扱いで、名刺すら貰えない事も多く、ものすごく複雑な気持ちになることが多かったです。名刺もらえなくても普通に仕事の対応はするので、あれ?奥さんが話すの?みたいな視線を貰うことも少なからずありました。
前職の時はこんな事なかったんですが、やはり農家の嫁は外部からは、あくまで旦那のお手伝いというイメージが強いのかなと思うんです。

私は仕事は仕事、責任もって会社の運営に携わっているつもりなので、この感情をうまく飲み込めていませんでした。

中小企業診断士資格との出会い

頑張っても、こういう扱いしか受けないなら、いっそ転職してしまおうかと考えたこともありました。ですが、事業自体は魅力的だったんです。問題も多くありますが、業界には将来性もあるし、色々迷っていました。

そんな時に、中小企業診断士という資格に出会いました。
知り合いとの雑談で知り、興味を持ち調べてみる事にしました。

☆中小企業診断士とは

中小企業のパートナーとして、企業の経営状況の診断や課題解決に向けての助言や提案を行う経営コンサルタントの国家資格です。
税理士や弁護士などと一緒の士業の一つです。

☆中小企業診断士試験の科目

1次試験全7教科。

  • 企業経営理論(戦略、組織、マーケティング)

  • 財務・会計(経理・分析・調達)

  • 運営管理(生産・店舗・販売)

  • 経済学・経済政策(経済の把握)

  • 経営情報システム(情報技術・システム)

  • 経営法務(ビジネスに関する法律、知財)

  • 中小企業経営・政策(中小企業の基礎知識)

1次試験は、各教科総得点の60%以上で40%未満の教科がないことが合格条件です。

2次試験は、実務の事例Ⅰ~Ⅳを記述式の試験があります。こちらも総点数の60%以上でかつ1科目でも40%未満の教科がない事が合格条件です。

口述試験は、2次試験合格者の面接試験です。口述試験の評定が60%未満でなければ合格となります。

口述試験合格後に、実務補修または実務従事により15ポイントを取得して初めて中小企業診断士を名乗れるようになります。

この資格が欲しい!!

試験詳細を見た私が最初に思った事が、「この試験の教科は私が全部今まで触れてきたことがある内容ばかりだな。」でした。

私は身をもって事業継承、法人化、経理、人事労務、採用、融資のお願い(銀行・公庫)を経験しているし、ちょうど自社の体力を見る為に財務分析も始めたり、仕事関係で知財について学習したところでした。

さらに、高校や前職では情報システムに触れ、流通システムの会社だから小売や卸についてもほんのり知識もあり、高校レベルだけど簿記の他に、商業経済やプログラミングの資格も取っていたし、更新を忘れて失効したけど販売士も持っていたことを思い出しました。

細々と投資もしているので、経済についても興味があり、詳しいとまではいかないけど、日経新聞は元々購読していました。

しかも、学校の講師経験がある為、人前で話したりする事は嫌いではありません。

もしこの資格が取れたら

もし診断士になることができれば、企業内診断士として今の会社を発展させる事もできるし、農家の嫁という弱い肩書に上書きができ、業務内容に比例した立場で対等に接することができるのではないかと考えました。業界自体も変革期に入っており、新しい仕組みづくりにもかなり役に立つと思っています。
しかも中小企業診断士は単発の診断業務や執筆、研修講師など副業が沢山あり、万が一という時にも手に職になるという利点も私にとっては魅力的でした。

一つだけ気になることが、、、

私、大きな試験を受けたことがないんです。
私は高校は推薦、大学は実技と面接のみで受かりました。
高校で資格試験はかなり受けていましたが、他の人が通ってきたような一般入試やセンター入試など、1日かけて受けるような試験をほぼ受けたことがないんです。
勉強は授業で覚えるタイプで、学校のテストも家でまともに勉強した記憶もなく、何か月もかけての自宅での試験勉強など一度もしたことがありません。想像がつかな過ぎて、私にできるか本当に悩みました。

でもでも、この資格はすごく取りたい。

最近知った意外な一面

上記の事もあり、最初は診断士の試験勉強に、すぐ飽きてしまうんじゃないかと自分を疑っていました。ですが、子育てと仕事の合間をぬって勉強して、現在4か月たちました。自分でもびっくりしています。

意外と常に診断士の勉強について考えている自分がいます。
こんな自分もいたんだと、初めての事にちょっと嬉しくなっています。

夢は大きくストレート合格。
現実は子育てと仕事と両立しながら2年合格を本気で目指していこうと思っています。

最後に

できるかどうか分からない事は公言しないタイプでしたが、言葉で合格を引き寄せようと思って今回は最初からどんどん回りに公言しています。
この記事もそんな私の意思表明だと思ってください。

長文に付き合って頂いて、ありがとうございました。
頑張ります☆


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