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情けなくて愛おしい夜

昔の記事にハートを届けてくれる方がいるのはとても嬉しい。

嬉しい反面、くすぐったい。

数年前のわたしはこんなことを書いていたのか…とそわそわしてしまう。
だけどあれもこれもわたしなのでね。

考え方、捉え方、生きていればそれは変わるものだけど、わたしはわたしでいることしかできないなと思う。



振り返るとわたしは惚れやすい人間みたい。
noteに何人も好きな人が出てくる。


だけどやっぱり、一番好きだったのは彼。

言葉の使い方で好きになり、声も顔も、不恰好なところも全部が好きになった。



生きていれば、素敵な人に出会う。
すごく優しくしてくれる人がいる。

わたしの心は素直に喜んでいるし、愛されちゃうんじゃないの?とわくわくしている。

そのまま幸せになってしまえばいいのに、いいのに。

彼にも、こんな風に無条件にあたたかい愛を与えられていたら良かったのかな、と思ってしまう。

距離が近くなりすぎて、甘えてしまっていた部分がたくさんあったから、もっと一緒にいて楽しい人でいられたら良かったのかもしれない。

謝りたい、と思ったけれど、
そんなものはわたしのエゴに過ぎないのも知ってる。

わたしが楽になって、彼を忘れる、あわよくば彼の記憶に残りたい、というエゴ。

だから、この苦しさは一生閉まっておかないと。


人生には、そんなことが往々にしてある。と思っている。

今までたくさん失敗してしまったけれど、
言うべきではないこと、自分が楽になることは相手を苦しめること。


わたしは人よりも感情が豊かで、言葉で伝えるのが少しだけ得意であることに、甘えているのかもしれない。

伝えているのだから、正義でしょ?
と思っていたのかもしれない。

胸が痛い。

彼は、自分のことについて考えたり、先を見通したりすることが苦手な人だった。
それでもわたしが議題を挙げてしまうものだから、一緒になって色々と考えてくれた。

苦しかっただろうな。


いつになったら、彼とまたくだらない話ができるのだろう。
そんなことを考えていたら、彼から連絡が来た。

「洋服選ぶの手伝ってほしい」

電話をしながら、彼の洋服を選ぶ。
家族との会話が聞こえてくる。

「お兄ちゃん明日どこ行くの?」
「バンドのライブ」

ライブなんて行く人じゃなかったよね。
彼女か。

そんなことを悟ってしまうわたし。

前にも、その子にライブ誘われて断った話を聞いてたから。

ああなんで、彼女とのデートの服を
わたしが選ばなきゃいけないんだ〜!

でもこんな時もポジティブでいられる自分に変わりたいから、ぐっと堪える。

「最近なにしてるの?」と聞かれたことに少し期待してしまった。
「仕事」と答えると
「プライベートは?」と聞かれる。

探るなよ、興味もないくせに。

友達と遊ぶ予定がたくさん詰まっていて幸せだと伝えた。


沈黙が続いていたので
「眠いから寝る。おやすみー」
と電話を切った。

本当はもっと話がしたかった。
彼には、何も気にせず話ができる。

でも今じゃない。

今関わる時間を増やしたら、彼は彼女の話をするだろう。
そんな話聞きたくない。

次に彼と話すときは、未来の話がしたい。
明るい未来の話。

そのためにわたしは仕事を頑張る。
夢をみる。
夢を追いかける。


少しだけ心をかき乱された。
情けなくて愛おしい夜だった。

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