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#16【和歌山】梅農家さんとの出会い

私の人生初めての農業バイト先は和歌山県の梅農家さん。
それまで正直和歌山という地がどのような場所なのかも知らなかった。
みなべっていうところは梅がすんごく有名で、みなべの梅は「紀州南高梅」と呼ばれてるらしい。
ここまで聞いて、「あよくコンビニの梅おにぎりに入ってる梅のやつだ」って知ったくらい。

衝撃、梅って一粒一粒拾ってるの!?

みなべの梅農家さんのところに到着した日。
周りを見渡すと会社の社長さんと60代か70代近いおじいさんおばあさんが一人ずつ。
その中に私という環境だった。
「はなちゃん、よくきたねぇ」って言われた。
「梅拾いのお仕事を最後までできたらどこの農家さんでも大丈夫だよきっと」っておばあちゃんたちに言われた。
「はい?」って頭の中がはてなでいっぱい。

お仕事がスタートしてまず1番の衝撃。
なんと!こーーーーーーーんなにも広い土地に目の前には木から落ちた梅。
渡されたのは網状のバケツと虫取り網のような網。

「もしかして全部手で拾うんですか!?本当に。一粒一粒!?」
周りのおじいちゃんおばあちゃんが当たり前のように屈んでよちよち歩きみたいな感じで梅を一粒一粒拾っていく。
「マジか、いややるしかない」想像をしていた以上に大変よ。

機械で作業ができないのは、梅の木は急斜面のところにもうわっていたりするし、何より梅を傷つけないようにするため。

私たちが食べてる梅干しおにぎりの梅って農家さんが一粒一粒手で拾って梅干しになってたんだよ。

それも梅の収穫時期は、大体夏の前の1,2ヶ月くらい。
そこが繁忙期なだけで、一年中梅の木の剪定とかいろんなお仕事があるの。

この時初めておばあちゃんの「はなちゃんよくきたねぇ」って言葉がわかった。

私は1ヶ月滞在したけど、朝から夕方までひたすら梅を拾う毎日。
陸上で鍛えておいた脚力と体力のおかげもあったし、ドMなのか汗水流して全力で仕事をするのが楽しかったの。
筋肉痛には少しだけなったけど、周りの人からは驚かれてた。


楽しみな休憩時間

午前と午後には必ず休憩があった。
お世話になってた農家さんが用意してくれたジュースとお菓子を毎日食べるのが私の楽しみの1つ。
食べることもだけど1番は山の中で、自然を感じながら、ゆっくりと食べるの。
すんごい自然を感じてたなぁ。
とっても贅沢だった。

毎日見てた景色(携帯写真失礼します)
(携帯写真失礼します)



大変だったこと①

日本全体を見ても農家の人手不足だったり、職場の高齢化、後継者問題は特に深刻。
人間にとって必要不可欠な「食」を生産するお仕事がこんなに大変な問題に立たされているのに見て見ぬふり。

できっこない。
和歌山県のみなべの梅仕事は、力仕事が多くて若い人の力は必要不可欠。
私が仕事をしていた時は60.70代のおじいさんたちと仕事をしていたの。
梅が入った数十キロのケースを私一人で持ち上げて軽トラからおろしていたこともあった。
人の手が足りてない。

梅農家さんの繁忙期は夏前の1.2ヶ月くらい。
ちょうどその時期はなんとなんと梅雨にあたる。
だけどね、どんなに雨が降っても台風が来ても梅が落ちるのは待ってくれない。
だから梅農家さんはカッパを着て作業をする。
私がいた時も何度も雨が降ったけど作業は休まず、ひたすらカッパを着て作業をしたよ。
いい思い出だし、私はあの時期だけでもひとまわり人として強くなった自信がある!

大変だったこと②

到着してまもない頃は梅があまり落ちてなかったから「お!このままいけば全然いけるわ!」って余裕をぶっこいてたら。
それはまだまだ序の口だった。
7月手前になると、熟した実がぼとぼと落ちてくるの。
踏み場のないくらいに梅の実が落ちてきていて。
あんなに綺麗に拾ったのに次の日にはまた踏み場のないくらい落ちてる梅の実。
すごい時は拾いながらもうすでに拾い終わったすぐ後ろの方でボトんボトって梅がどんどん落ちるの笑。

梅仕事

梅のお仕事。
朝からまずはひたすら梅を拾う。
そして全ての畑の梅拾いが終わったら夕方になる前から選果をする。
梅は一粒一粒人間の手で拾って、選果は全て人の目で選別する。

これが私が経験した繁忙期の梅農家さんのお仕事。
大変だったけれど、私はまたお手伝いに行きたいな。
人手が足りていないのであれば尚更。
人として人一倍強くなれる気がするし。

あれから私は梅を食べるときに人一倍大切に食べるようになったし、
紀州南高梅って見かけたら手に取るようにしてる。
私が農業に興味を持つきっかけになったのが梅農家でのお仕事だし。
とっっっても良くしてもらって、大好きな梅農家さんになったし。

お仕事してたおじいちゃん

休みの日は、梅農家の娘さんと奥さんと町に出かけて美味しいラーメンを食べに行ったり観光スポットを案内してもらったり、哺乳類カフェにも行ったよ!
和歌山を出る前には焼肉をご馳走になっていろんな交流ができたり。

一緒にシェアハウスをした友達。
全国を農業バイトで巡っている愉快なメンバーとは今でも連絡を取るような仲。
彼らとも一緒にスーパーに買い物に行ったり、BBQをしたり、夕方夕日を観に行ったり、思い出がたっくさんできた。


本当に温かい場所だったし、いろんな経験ができた。
知らなかったことを知れたし、人の出会いがたくさんあって、食に触れて、その土地に住むことで地域も環境もしれた感じた。

家から毎日自転車で職場に通うことで、1ヶ月だけだったけど「みなべ」という地が地元のようだった。
農業も地域も日本の田舎もやっぱり大好きだと確信した。


そして
ここで私が拾った梅がね、実は一年後に私が実施したクラウドファンディングのリターン品の梅干しとなって、支援者さんの手元に届くことになるんだよ。

当時私はこんなこと想像もしてなかったけど、すんごっっっっっっく嬉しい気持ちになって言葉に表せないくらい幸せだった。




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