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イチゴの形を決めているのはミツバチだなんて知らなかった!

ミツバチの事を知ると、
自然の不思議さや大事さを考えたくなります。
「自然との共存」って言葉が頭にうかんじゃう。

「ミツバチといえば蜂蜜!」とばかり思っていましたが、それよりもっと私たち人間とは必要性のある関わりがあり、人間はまさに彼らの能力に存分に頼り、利用してきたということを今回初めて知りました。

ミツバチの生態については、以前児童書から面白いことを知り、記事を書かせていただきました。

先日こんな記事をみつけて
またミツバチの事を考えました。

日本経済新聞2023年9月13日夕刊

米国ではいま、芝生への見方が変わってきているのだといいます。

農業や自然環境の維持に欠かせない、花粉を媒介する生き物の事を「ポリネーター」というのだそうですが、そのポリネーターが集まる植物を植えた庭「ポリネーターガーデン」を増やそうという試みが広がり始めているのだそうです。

豊かで幸せな家庭、社会的成功の象徴だった緑の芝生の一部に、州から配布された種や苗を植えます。
それらが根付き、少しずつ花が咲いてくると、虫や鳥が集まり始めます。
それが生態系の多様性維持に貢献できると考えられ、
そのような、在来種を生かす庭造りへの関心は全国に広がりつつあるのだとか。

そうなんです、この花粉を媒介する生き物、特にミツバチの減少は世界中で問題になっているのですね。
ミツバチは農作物を作るうえでなくてはならない存在なのです。
日本では特にイチゴの栽培において、ミツバチの働きが欠かせないものであり、存分に支えられています。

イチゴが露地栽培されていたころの出荷時期は5月頃でしたが、最近はほとんどがハウス栽培となったことで、クリスマス時期はもちろんのこと、様々な時期にお店でイチゴをみかけるようになりました。
ハウス内にミツバチを放し、おしべからめしべへの花粉の移動(花粉交配)をしてもらうことで季節を問わずわたしたちはイチゴを食べることが出来るようになったのです。

また、イチゴの形ですが、いびつな形の果実のことを、奇形果といいます。
イチゴのつぶつぶはすべて種です。
受粉によって種が出来るわけですが、それがまんべんなく出来ないと、果実がいびつな形になるだなんて、わたし全然知りませんでした!

イチゴの奇形果。
イチゴは受粉によって種がまんべんなくできないと、
写真のようないびつな形になります。
「ミツバチの不足と日本農業のこれから」飛鳥新社 より

これでは出荷できません。出荷できないものがたくさん出来てしまったら、イチゴの価格が上がってしまいます。
ミツバチの不足によりイチゴの受粉が十分に行われず、奇形果が発生するということを今回初めて知り、
こんなところからも、ミツバチの働きがわたしたち人間の生活に影響しているのだということに驚きました。

また、イチゴだけでなく、多くの野菜や果物ではミツバチによる花粉交配が頼りにされていて、イチゴでの仕事が終わるとメロンやスイカの受粉に駆り出されるというように、人間の都合で懸命に働いてくれています。

今回いろいろな資料を読み、わたしたちの生活において、こんなにもミツバチにお世話になっていたのかと驚きました。
「ミツバチは家畜」という表現にも驚きました。

9種のミツバチ種のうち、完全に家畜化されているのはセイヨウミツバチと、トウヨウミツバチ(ここにニホンミツバチも含まれる)の2種だけなのだそうですが、大規模なビジネスとしての養蜂にはセイヨウミツバチがむいているのだとか。
というのも、セイヨウミツバチは長い時間をかけて家畜として鍛え上げられていて、病気に弱いものや寒さに耐えられないものなどどんどん選抜を繰り返した結果求められる働きをするものだけが今生き残っているといいます。そして比較的大人しく、蜜をよく集める性質のため、人間ともうまくやっていけるのです。
でも家畜となると、人間が餌を与えたりケアすることも必要なので、
ほおっておいても良くて、セイヨウミツバチよりさらに大人しいニホンミツバチのほうが個人の愛好家には好まれているのだそうです。

この個人の愛好家というのは、趣味で養蜂をされている人たちの事ですが、わたしはこの養蜂ということに、以前から憧れがありました。

設備やら環境やらを考えたら、なかなかハードルが高く、現実的ではないのですが、とても興味があります。また最近では「都会での養蜂」といううわさをぽつぽつと聞くようになり、そんなこともさらに興味を深めるきっかけとなっていました。

東京中央区銀座での養蜂。
東京千代田区にある明治大学での養蜂。
どちらも大都会ですね!
ネットなどでみると、採蜜などのイベントもあったことがわかり、今後の機会には是非参加してみたい!

また、養蜂をしているという場所を新聞記事で
新たにみつけました。
東京港区竹芝にある「東京ポートシティ竹芝」(2020年9月開業)というところです。ここには3万から4万のミツバチがいて養蜂を行っているとのこと!ここも採蜜の機会に是非お邪魔したいのですが、その場所自体はいつでも見れるようだったので、行ってみることにしました。

東京ポートシティ竹芝 東京都港区海岸1丁目
ソフトバングの本社が入っています

段々畑のようなつくりになっていて
建物の中から下を見下ろした様子は下のようになります。

ここが養蜂の場所です
この箱のような建築物の中に蜂がいるのかなー?
だれもいなくてひっそりとしていました。2023年には5月に採蜜イベントが行われていたよう。来年申し込みに挑戦してみたいです!

設備が新しくてきれいですね

このビルでは「竹芝新八景」という名で、「空、蜂、水田、菜園、香、水、島、雨」の8つの景からなる里山的景観を表現し、豊かな自然環境を取り入れています。

野菜を育てたり
ハーブを育てたり
稲も!見事にお米ができていました!

これらもそれぞれにイベントが開催されているようです。

雨水を一時的に貯留し、地下へ浸透させる「レインガーデン」
近年、異常気象による集中豪雨多発による都市部での洪水なども問題になっていますよね

この東京ポートシティ竹芝はこのようにビル全体が「グリーンインフラ」ともいえる存在となっていて、こうした取り組みが評価され、国土交通省の第1回グリーンインフラ大賞・都市空間部門の優秀賞を受賞しています。



さて、ミツバチと人間との関係はかなり古くから記録が残されています。
トウヨウミツバチは古代エジプトで4500年前、その1500年御には中国で飼育されていました。古代エジプトにはハチの象形文字もありましたが、養蜂の様子はおもに寺院に残された絵画から知ることが出来るようです。
また、王の墓に置かれた蜂蜜を約3000年後に考古学者が掘り出したところ、まだ食べることができたとか。すごいですね!
蜂蜜の保存期間は無限ということでしょうか。

中世に入るとセイヨウミツバチの飼育が軌道に乗り始め、現在使われている養蜂道具の多くがこの頃に発明されました。このころは養蜂は聖職とみなされ、主に修道院で行われていました。ハチに携わることは敬けんな仕事として修道院生活の象徴とされていたようです。

日本では1969年に国立科学博物館の藤山家徳博士により、日本最古のミツバチの化石が見つかっています。
発見されたのは長崎県壱岐島の長者原海岸近くでした。およそ2000万年前の珪藻土から発掘され、すでにこの時代から日本にもミツバチがいたということがわかります。
日本書紀にも「蜜蜂」の文字がみられ、記載内容からは飛鳥時代の600年代には養蜂が試みられていたものと推測されるのだそうです。


子供の頃、もっと身近にミツバチがいなかったかなあ?と思うようになり、意識してみたら、最近ではまったくといっていいほど出会わなくなったことにきづきました。
基本的に虫は苦手なので、正直、そんなに出会いたいという思いもなかったのですが、ミツバチの存在がこんなにも人間の生活にとって大きなものだったなんて知った今では、
自然の力はやっぱりすごいなあ、ミツバチさんありがとう!というリスペクトな気持ちでいっぱいになります。そして、全然みかけなくなったことが心配になってまいります…


今回、この東京ポートシティ竹芝周辺を走る水素バスという存在も知り、利用してみることにしました。
無料なんですよ!

このバスはJR東日本グループのサステナビリティな取り組みの一つなんです。2050年度の二酸化炭素排出量「実質ゼロ」を目指す「ゼロカーボン・チャレンジ2050」の取り組みの一環として、浜松町駅周辺エリアで燃料電池バスが運行されてます。

環境問題やサステナビリティとか、どちらかというとあまり興味をもって考えたことがなかったのですが、こんな風に自分の興味のある入り口から入ると俄然おもしろくなり「大事な事」が見えてきました。

最近では人里で出会う熊の問題でも人間と自然との共存を考えさせられ、その難しさを感じます。

問題はそもそもどこからきているのでしょうか。

人間は自然に生かされているのだということをもっと意識しながら、お互いの良い解決策をみつけていけたらいいなと思いつつ、口で言うのはたやすいが…と、キレイゴトを簡単に言う、自分を戒めるような気持ちにもなりました。


我が家は果物好きで、とてもたくさんの種類や量を消費している方だと思います。
「果物高いなあ・・」と思う事も多かったのですが、ミツバチが頑張って美味しい果物をつくってくれているんだなあと考えると、感謝しかありません。

そして、ミツバチのことをこれからももっと知りたい、自然のことをもっと知りたいと思っています。


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