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シネマテーブル by maeda penclub

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前田ペンクラブの映画鑑賞履歴を感想を添えてまとめています。
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2020年10月の記事一覧

『イミテーション・ゲーム』(イギリス、アメリカ/2015)

舞台は第2次世界大戦時、イギリス。偶然にも先月チャーチルの映画を観ており、同じ年代が舞台です。

ドイツ軍の侵攻を受け、欧州がナチスドイツに占拠されていくなか、この戦争に勝利するために必要なものは何か。ドイツ軍が世界に誇る暗号機エニグマの解読することがキーになるのだ。
ドイツ軍の情報は常に飛び交っており、イギリス軍はそれを傍受できるのですが、暗号を解読することができずに、どんどんドイツに攻め込まれ

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『僕の村は戦場だった』(1963/ソビエト連邦)

『僕の村は戦場だった』(1963/ソビエト連邦)

舞台は第二次世界大戦中の独ソ戦下のソビエト。
主人公は12歳の少年イワン。映画の冒頭、イワンは川を泳いでいる。白黒映画だから水が冷たく見える。
イワンはドイツ軍から逃げるために川を渡り、なんとかソ連陣地にたどり着いたのだった。

彼はドイツ軍に両親と妹を殺された。12歳ながらドイツへの復讐のため、偵察の仕事をしているのだ。
時折イワンの回想シーンが挟まれて、亡き母との思い出がよみがえる。
イワンを

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『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2018/イギリス)

『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2018/イギリス)

舞台は1940年5月、第二次世界大戦初期。ヒトラー率いるナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落間近、イギリスにもすぐそこまでドイツ軍が迫ってきている。
30万人の兵士がドイツ軍によって包囲されており、全滅間近であると。その兵士を逃す映画もまた別にあって、例えばノーランの『ダンケルク』はそれにあたる。

本映画は『ダンケルク』の舞台裏、ドイツ宥和政策を取ろうとする政治家たちに大きく翻弄されなが

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『サタデー・ナイト・フィーバー』(1977/アメリカ)

『サタデー・ナイト・フィーバー』(1977/アメリカ)

何かにかける青春映画よりも、悶々とする青春映画も好きだ。
さて、今日紹介するのは『サタデー・ナイト・フィーバー』ですが、どんなイメージをお持ちでしょうか。ジャケ写のイメージで敬遠してません?

フィーバーと聞くと“お祭り騒ぎ“というイメージがありますし、ジョン・トラボルタが白のスーツで右腕を天にかざすジャケ写もそれを連想させます。「土曜の夜にお祭り騒ぎする青春映画でしょ?」と思って、まだ観てない人

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『南瓜とマヨネーズ』(2017/日本)

『南瓜とマヨネーズ』(2017/日本)

「バンドマンとは付き合うな」というテンプレのような文句があります。「クズ男と付き合うお前が悪い」の文脈で切り捨ててしまうような人にとって、『南瓜とマヨネーズ』は観たらいいんじゃないかなと思う映画です。

パッと見のクズ男がたくさん出てきます。私もパッと見なら「このクズ男!」で切り捨てて、その人の人生に関係のない他者になるでしょう。ただ映画を観ることで傍観者になれます。ここがポイントですね。

登場

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『父、帰る』(2004/ロシア)

『父、帰る』(2004/ロシア)

だいたいどれを観ても「暗い、悲しい」後味に定評があるロシア映画のレビューです。『父、帰る』は2003年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞、新人監督賞など、他にもとにかく沢山の賞を受賞した評価の高い映画です。

まずはあらすじ。母子家庭の二人の少年(兄弟)と、12年ぶりに突然帰ってきた父親との小旅行を描く家族劇である。兄弟は中学生ぐらいなんですが、写真の父しか記憶にないようです。その父が何の前触れもなく突

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