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HLAB Alumni Interview #5-3 織部峻太郎(自分のこれから、参加者へのメッセージ)

HLABは2011年以来、高校生、そして大学生の多くの参加者が、各々のフィールドで活躍しています。

今回は、HLAB Alumniにインタビューをしていく企画第5弾として、2012年参加者の織部峻太郎さんのインタビューを掲載します。

インタビューは3回に分けてお送りしてまいります。(第1回/第2回

最終回は、ご自身のこれから目指すところと、高校生・大学生へのメッセージをもらっています。

──これまでお話を伺ってきて、自分だけの武器というか自分にしかできないことをすごく求めている感じがあると思うのですが、今、織部さんが持っている武器ってどんなものですか?

織部さん:いやいや、自分はこれだって言えるものがまだ全くないので、自分だったらどういうことができるか今でも考えていて。現時点でよっぽど成果があれば別ですけど、それまでは考え続けるんじゃないかなって。

ロケットの開発でも、がんの研究でも、なんでもいいですが、人と同じことをしていても、圧倒的に能力が高ければそこでバリューが出せる人も中にはいるかもしれません。でもそういう人たちでも、自分なりの工夫や苦労はしてきてますし、なろうと思ってもなかなかそういう風にはなれないと思うのです。だから、多くの人が自分で何か面白いことをやりたいとか、自分だけができることをやりたいと思ったら、新しいアイデア、分野を作り出すところからだと思うんですよね。世間では、10000人に1人しかできないレベルまで持っていくのは難しいけど、10人に1人しかできないことを4つ積み上げる方が簡単としばしば言われますよね。実際には、組み合わせた時にシナジーが生まれるかにもよるので、100人に1人しかできないことを2つ組み合わせる方が良いのかもしれませんが、的を射た指摘かなと思います。

──では最後に、これから HLABのコミュニティーに参加するであろう高校生へのメッセージをお願いします。

織部さん:積極的にチャレンジしてほしいなっていうのが一番思うところです。今でこそ、昔に比べて、人と違うことをしようということに対して、抵抗感ははるかに小さくなりましたけど、高校生だった当時は、今よりはるかに消極的で受け身な学生でしたし。

最初の一歩は全然格好良くなくてもいいので、とりあえずやってみて、失敗であれ、成功であれ、何かいつもと違う一歩を踏み出したっていうことが重要で、そこから学ぶべきことはたくさんあると思います。やはり同じような集団で過ごしていると快適だし、困ることもそんなにないかもしれませんが、コンフォートゾーンから出てみることで、これまで見えてなかった世界が見えたり、自分をより客観視できたりすることはあると思っています。その一歩を踏み出すのは何でもいいと思いますが、そういう一つの場としてHLABは参加者の多様性、プログラムの質といい非常に優れていると思います。

──ありがとうございます。これからHLABに参加するメンターの大学生にメッセージはありますか?

織部さん:大学生としてサマースクールそのものにコミットできていないのであまり偉そうなことは言えないんですが、自分も少し年上の社会人に話を聞く中で、自分の意見や信念がある人の話は、年齢に関係なく面白いんじゃないかなって思います。例えば、本の受け売りだったりとか、社会的にこういう価値観が正しいとか、成功だと思われていることを受け売りで話したところであまり良いメッセージにはならないと考えています。

自分自身も、失敗談も含めて、今のところまでどのように来たのかというプロセスを語ればいいなと思います。成功体験はもちろんですが、失敗にも多くの学びがあると思っているので、高校生に対して、自分の上手くいった話だけではなくて、自分が今悩んでいることやこれまでに失敗した経験を話してあげるといいのではないでしょうか。もしかしたら、高校生を悩ませるきっかけになってしまうこともあるかもしれませんし、成功例だけを話してこの人は格好良いって思ってもらえるのが短期的には良いのかもしれないですけど、失敗談とかくだらない話も含めて、「この人は信頼できる」とか「こういう人になりたい」という気持ちを、高校生になんとなく持ってもらうことが大切だと思うんですよね。

あとは、僕も高校生と話をする時によくはっとさせられるのが、僕らが当たり前だと思っていたり、前に自分が考えたことを思い起こさせるような質問が飛んでくるときです。「何で医学部を目指したんですか」とか、学部の同期とはあんまりそんな話にならないじゃないですか。
そんな高校性からの質問は自分のことを見直す良いきっかけになるので、相談に乗ってあげてるというよりもむしろありがたい機会だと思うことの方が多いですね。

──貴重なお話をありがとうございました。

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