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HLAB Conversation#30 "大学で出会った「考え抜くことの面白さ」を感じられる仕事の選び方"

1月23日 (土)に、SHIMOKITA COLLEGEに居住しながら、広告代理店で働いている世羅孝祐さんをお招きして、第30回目のHLAB Conversation を行いました。

HLAB Conversation とは
HLABにまつわるゲストをお呼びして開催しているカジュアルに語り合う学びと出会いの場です。「自分の知らない新しい世界へ」の扉となるべく、毎回様々な分野からゲストをお招きしています。
HLABでは毎月 HLAB Conversation を行ってきましたが、COVID-19感染拡大防止の観点から、SHIMOKITA COLLEGEにて、クローズドで開催いたしました。

今回のHLAB Conversationのテーマは、"大学で出会った「考え抜くことの面白さ」を感じられる仕事の選び方"。SHIMOKITA COLLEGEの居住者の難波さんと滝本さんから、世羅さんへ、インタビュー形式でお話を伺いました。

世羅孝祐さんプロフィール
私立灘高等学校 → 東京大学文学部思想文化学科哲学専修過程卒業。大学では、ハイデガーの技術論を専攻し、モノと人間の関係性を考察。同時に、大阪大学石黒研究室にてロボット演劇やロボットコミュニケーション研究のアシスタントを務め、技術の実践にも携わる。テクノロジーが変えていく社会に関心があり、現在は広告代理店で働きながら来るべき22世紀について考えている。

①現在の仕事を選んだ理由~6年間の大学生活から広告代理店へ~

まず、広告代理店を就職先に選択した理由について伺いました。世羅さんはアカデミックの世界で6年間哲学を学んでいました。それにもかかわらず広告代理店に就職した理由を、世羅さんは以下のように述べます。

世羅:日本の人文系でお金を稼ぐことは非常に大変です。特に哲学は成果がわかりづらく利益を生みづらいため、哲学を使ってお金を稼ぐ手段が授業を教えることぐらいしかなさそうだと思いました。哲学を学び続けることとお金を稼ぐ手段にすることを一緒にする必要があまりないと感じたことも、アカデミアに進まなかった理由の一つとしてあげられるかもしれません。
ただ、哲学をしている理由にも繋がりますが、考えるという行為そのものも非常に好きで、広告代理店という仕事において、数ヶ月スパンで考えた仕事が形になって感謝されることは非常に喜ばしいことだと思っています。そのため、広告代理店で働いているということは、大学の学びからかけ離れたものではないと考えています。

②社会人の悩み~時間がない!!~

次に、学生の視点から現在社会人をされていて、悩むことについて聞いてみました。キャリアについて悩むことの多さに加えて、悩むことに時間を割けないことを挙げていました。

世羅:キャリアについて悩むことは多いし、最近はまたその悩みに時間を割けないことが多々あるかもしれない。仕事が楽しい分、惰性で生活してしまうこともある。学生時代は時間があるからこそその後のキャリア選択に関してしっかり考えられていた気がする。

③実際に働く中での広告業界の見え方~広告代理店で働くということ~

続いて、実際に働く中で感じる、広告業界の現状と可能性について伺いました。
広告が今アツいか?と問われると、「ある程度斜陽産業であることは否めない」と、世羅さんは話します。ネット広告は伸びているものの、代理店の大きな収入源であるテレビ広告が縮小傾向であることは事実であるからです。しかし、だからこそ広告で培ったクリエイティビティを活かした新たなビジネスモデルの開拓を目指しており、そこには可能性と面白さを感じているそうです。

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④今後目指していること~テクノロジー後の社会の在り方を掲げたい~

最後にご自身の将来に対して、目指していることについて伺いました。すると世羅さんはテクノロジーの発展を見据えながら、自己のキャリアも形成していきたいと言います。

世羅さん : テクノロジーが世界を変えていくことに関心があります。エンジニアのような実装する人はいるかもしれないけれど、テクノロジー後の社会がどうあるべきかというビジョンを掲げる人は少ないように感じていて、自分がその第一人者になりたいと思っています。だから今は実績と個人名を高めながら、日本のロボット戦略にどう自分を食い込ませていくかを考えていきたいです。

大学時代の学びと仕事の繋げ方や、将来のキャリアへの考え方に対して参加者それぞれが自分ごととして持ち帰ることができた会だったと思います。

世羅さん、貴重なお時間をありがとうございました!

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