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【レジデンシャル・カレッジに住むこと】 下村美来さん・滝本明里さん 第4弾

大学生および社会人が集う「学び合い」の場、レジデンシャル・カレッジとして2020年4月に開校するSHIMOKITA COLLEGE。そのプロトタイプとして運営されてきた中目黒のResidential Labプログラム(通称レジラボ)のアラムナイ(元住人)、下村美来(以下、みく)さんと滝本明里(以下、あかり)さんにインタビューを行いました。

Residential Labでの生活、そして入居したばかりの下北沢での生活について面白いお話を沢山伺うことができました。

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下村美来(写真左)
1998年生。生まれ育ちは横浜。
私立桜蔭高等学校卒業、慶應義塾大学商学部に在学中(計量経済学ゼミに所属)。課外活動として、科学技術の社会実装×リーダーシップをテーマとする団体であるSTeLA Japanの運営を行っている。

滝本明里(写真右)
2000年生まれ、千葉県出身。
2018年にアメリカの公立高校を卒業後、オランダのライデン大学カレッジリベラルアーツ学部に進学。
主に社会学・文化人類学を学んでいる。
現在は休学をしていて教育系ベンチャーでインターン中。

Q. お二人とResidential Labの出会いを教えてください
みく:レジラボに住んでいた人に紹介してもらいました。実家を出たかったということと、ワイワイするのが得意ではないので、アットホームというよりは個人主義な空間を探していて、レジラボは空間を共有する場だということを聞いていたので、やっていけると思い応募しました。

あかり:コロナの影響でオランダの大学から帰ってきて、家族と暮らしていたんですが、日常の中で会う人が以前と比べて減ってしまいました。これまでの自分は、新たな人に出会って、問いに出会うということを大切にしてきたので、オンラインのみでの日常に寂しさを感じていたんです。そんな時にレジラボの広告に出会って、無意識に応募していた感じですね。

Q. 集団生活に必要なマインドはなんだと思いますか?
あかり:レジラボとカレッジだと結構違うよね??

みく:そうですね。他者への寛容性が大事だと思います。決して相手の価値観を変える必要はないけれど、相手の価値観とどこで融和していくかが重要だと思います。正解を一つに決めるのではなく、相手とのすれ違いを「わかりあおう!」というよりは「仕組みでなんとかしよう」というようなマインドかな。
あとは、自分に何ができるか、できないかを意識することだと思っています。例えば、私は片付けが苦手なんですけど、「自分はこれが苦手です!」というのを周りに言えるようにすることを心がけました。

あかり:確かにそこは美来、変わったね!

みく:できないことに関しては「助けてください」と、できていなければ「言ってください」と言える環境が大事だと思っています。レジラボでは「そもそも人間は分かり合えないものである」というマインドが共通していたからこそ、居心地が良かったです。ある意味、すごく成熟した人たちが集まった空間だったからこそ、一緒にいられたのかなと思いますね。

Q. Residential Labでの生活で印象的だったことを教えてください。
あかり:もちろんイベントとかいろいろなことをやったんですが、やっぱり日常かな。家自体がプラットフォームだったからいろんな形の日常に触れることができました。

みく:深夜の会話とか、そういう日常を一番思い出しますね。

あかり:私たちは2段ベットを2人で使ってたんですけど、「おやすみ」って言ってから結局明け方まで話したりすることもあって。そう言ったことが心に残ってます。

Q. SHIMOKITA COLLEGEに入居して、どんな印象を受けましたか?
あかり:実は、まだ来て一週間もたってないんです(笑)。
※ 筆者註:本インタビューは、開業後1週間で実施されました。

みく:私は、早くレジラボみたいな空間にしたいと思って多分頑張りすぎているかも。SHIMOKITA COLLEGEは人数も多いので、声を大きくしないと伝わらないこともあるかもしれない。

あかり:レジラボ、入った時から放っておかれたんですよね(笑)。
レジラボでは、お互いがお互いに対して程よく無関心だったからこそ、生まれた不思議な関係性がありました。それに私は居心地の良さを感じていたのかもしれません。逆に、SHIMOKITA COLLEGE は入学式というものがあり、自己紹介がありという感じで、「関心」が作り上げられていく感覚がレジラボと違うなぁと思いましたね。

Q. SHIMOKITA COLLEGEでの生活が今後どんな風になったらいいな、と思いますか?

みく:全ての人が居場所があるコミュニティ。カルチャーありきのコミュニティになるのが怖くて。例えば「個室に籠もったらもったいないよ!」というのは、正義でもなんでもないじゃないですか。だから、一人一人の好みが尊重される空間が集合すれば良いなと思います。

あかり:うんうん。例えば、ダンスパーティーを開きたい人は開けばいいし、行きたい人は行けばいい。でも、それに参加しないとコミュニティに入れないというのは良くないなと思います。

みく:あらゆる選択がフラットになって欲しいよね。「全ての人のためのそれぞれのコミュニティ」っていう感じかな。それが自然発生的に生まれる環境になって欲しい。

Q.今後お二人がSHIMOKITA COLLEGEにもたらしたい学びを教えてください。
みく:レジラボでの生活を通して、自分は考え方が意外と独特なんだな、と感じたんですよね。人との関係性において人との違いを面白がることができたりとか、人を自分が好きか嫌いかで判断しないとか。だから皆に、そういう人間がいるんだ、ということを知ってもらう、という意味で価値を提供できるんじゃないかなと思いますね。そういう私がいることで救いになる人もいるかもしれないですし。
あとは、人を褒めることが得意なのでそういう意味で使ってもらえれば(笑)。

あかり:私は、良くも悪くもあまり細かいことを気にしない人なので、共同生活で生まれる当たり前の違いにも寛容でいられるんだと思います。共同生活を豊かにするにはある程度、「ま、いっか」という諦めも必要な気がしていて、私はその余裕をSHIMOKITA COLLEGE の共同生活に持っていくことができればと思います。でも、レジラボとSHIMOKITA COLEGEは、また違う空間だから、レジラボで起きたことを押し付けるのは避けたいなと思っています。レジラボでの経験をどう提供できるのか、というのは悩みますね。

みく:私は、SHIMOKITA COLLEGEの卒業式があったとしたらそれが非日常になって欲しくないと思ってます。あくまで日常の延長線上にあって欲しいな、と思いますね。

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SHIMOKITA COLLEGEでは、11月より2020年4月入学の1期生を、募集しております。詳しくはこちらをご確認ください。皆様のご応募をお待ちしております。

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