クローズアップ三笘薫:川崎フロンターレ対大分トリニータ戦(4月3日)<3>
昨日は等々力に観戦に行ったので一日空いてしまったが、今日は4月3日の川崎フロンターレ対大分トリニータのレビューの最後に、いつも通り三笘薫のプレーをクローズアップしたい。
この試合は左サイドからの崩しの方が多かった
まずは、どちらのサイドから攻めたか、ペナルティエリアの両脇のスペースに侵入した回数をカウントしてみる。
右サイド:
前半:6
後半:2
左サイド:
前半:9
後半:4
この試合は左サイド13対右サイド8で、左サイドの方が多かった。家長もしばしば左サイドに移動してきていたので、その影響もあるだろう。1つ前のヴォルティス戦では、左サイド8対右サイド12だったから、逆の傾向だったことになる。
三笘のプレー選択は?:ヴォルティス戦に続きドリブルは少なめ
次に、三笘のプレー選択について。敵陣でのボールタッチ後のプレーを、ドリブル、シュート、パス、ボールロストに分けたもの。ここでのボールロストは、パスを受けた瞬間のロストだ。この試合の三笘は後半44分の交代だったから、90分換算の計算は行っていない。
ドリブル:11 (19%)
パス:43 (74%)
シュート:2 (3%)
ロスト:1
その他:1(キーパーにプレスをかけてキックをブロック)
合計のボールタッチ数が58。去年集計した7試合では90分換算でのボールタッチ数54だから、だいたい平均的な数字だ。面白いのは、パス43本のうち、50-51分の間に9本、66-67分の内に6本のパスを交換しており、近いところでショートパスを頻繁に交換していたことがわかる。
プレー選択の比率は、去年のドリブル:パス:シュートの比率は37:56:7。それと比べると圧倒的にパスが多い。ただ、ヴォルティス戦で18:71:6だから、ほぼ同じ比率だということが言える。
左サイドのパスネットワーク
次にパスの出所を見てみる。
登里:13
谷口:10
旗手:8
シミッチ:8
家長:5
敵ボール:4(ボール奪取マップと数が合わないが、うち2回はキーパーのはじいたこぼれ球を抑えたものなのでボール奪取とはカウントしていない。うち1回はキーパーにプレスをかけてキックをブロックしたもの)
脇坂:5
田中:2
ダミアン:1
山根:1
遠野:1
スローイン:1
いつものように左サイドバックからのパスが一番多い。左インサイドハーフの旗手と多いのもいつものパターン。
目立つのは谷口からの10回。これまでも相手によっては谷口からのパスが多いことはあるのだが、10回というのは最多ではなかろうか。
つまり、左側の4人、三笘、旗手、登里、谷口の間で頻繁にパスを交換して、ディフェンスを崩していたと言うことが言える。
さらにシミッチからの8本というのも、これまでの傾向からすると多い。第1回で見たように、シミッチへのマークが甘かったことを反映してのことだろう。
左サイドでのショートパスによる崩し
また、旗手、脇坂という両インサイドハーフとのパス交換も合計で13と、これまでの傾向から見て多い方だ。三笘を中心として左サイドのショートパスの交換でディフェンスを崩していったことが、この数字から浮かび上がってくる。
ただし、ドリブルは少なかった。ヴォルティス戦と同様、三笘でラインブレイクすると言うより、三笘にディフェンスを引きつけておいて旗手、登里、脇坂で崩していく攻撃をこの試合も取ったということだ。今年の基本的な攻撃パターンになっていくのかもしれない。
次回はこの試合の最後にフォトレビューを。
(続く)