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3バック?4バック?(9月9日フロンターレ対ヴィッセル戦<4>)

サンフレッチェ戦の後になってしまったが、ヴィッセル戦のレビューをもう一回だけ。
小林悠のPKで一点を先制。その後、ヴィッセルはフォーメーションを変え、優位に立ち始める。

(前の話)

3バックか4バックか?

このとき、自分はヴィッセルのフォーメーション変更には気づかなかった。自分の席のちょうど目の前にあったのはヴィッセルの最終ライン。気づいたのは、3バックの時と4バックに見えるときとがあることだった。

前半36分のフィールド写真。これは3バックに見える。

しかし前半42分。これは4バックに見える。

センターバックのスライド

細かく写真を見てみると、4バックに見えるときは、センターバック3人全体が左に寄っていて、右のスペースを右ウイングバックの西がケアしている時だと言うことがわかる。

このとき、センターバックは左にずれるだけではなく、一番左の菊池流帆が高いポジションを取る一方で、残りのセンターバック二人が左にスライドして、あたかも4バックの2枚のセンターバックのような位置取りをしているのがわかる。

後半になってもこの組み立ては変わっていない。


この3枚の写真のビルドアップでは、3トップにしたことで生まれている左サイド前線の数的優位を、さらにセンターバックを左サイドにスライドさせることで活用できるようにしている。

「2バック」化のリスクと裏のスペース

ただこの攻撃パターンは、一時的に2バック状態になる。特にヴィッセルの左サイド、フロンターレの右サイドにおいて、菊池流帆の裏に出られれば、大きなスペースが広がっていると言うことでもある。

フロンターレが最終的にヴィッセルを退けることができたのは、このスペースを攻めたからだった。

まずレアンドロ・ダミアンが投入されると、右サイドをえぐるような位置に攻め込む。

その結果ダミアン自身がPKを獲得する。

さらに宮代大聖の決勝点も、文字通り菊池流帆を抜き去り、裏のスペースを使ったことでもぎ取っている。

こうやって振り返ってみると、フォーメーションをいろいろ変化させる駆け引きの中で、お互いがお互いの弱点を突き合って、最終的に3-2という結果に至ったということがわかる。

こういうタクティカルな試合は大好きだ。

そして最後のアディッショナルタイム5分。ヴィッセルの攻撃の迫力、フロンターレのディフェンスの執念も凄かった。フロンターレは全員で守備。ボール拾っても下手に繋ごうとせずとにかく敵陣に蹴り出して何秒か稼ぐ。ああいう割りきった守り方、昔は出来なかったからなあ。。。

(終わり)