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日々戯言

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エンジニア→マネージャー生活の中で考えてることなどの思考実験的な内容のコラムです。たまに関係ないことも書きます。
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2020年2月の記事一覧

私の印象深いカーネルへの貢献

私の印象深いカーネルへの貢献

前提や枠をひっくり返して問題を解決するのは常に狙うからか成功すると印象深い。昔話であり、たまには自分の話もするかということでもあり、こういうことがが毎年何百何千もおきているという話。

メモリ管理ビットマップの話昔の、具体的には2004年、LinuxKernelの開発に参加するとこになった。指令はメモリを一部オフラインする機能の開発だった。当時はIBMも別の要件でメモリマップが離散的なハード向けの

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サッカー風チームバランス

サッカー風チームバランス

サッカーチームの話ではなくプロジェクト人材をサッカーのポジションで語ってみる遊びである。筆者にはサッカー経験はないし真面目に読まれても困るが自分のチームに当てはめたときに人材バランスがどうか分かりやすいのじゃないかと個人的には思っている。

ゴールキーパーボールには触れずに全体を俯瞰してみながらコーチングし、ピンチの時ほど忙しい。スクラムマスターがそうだろうか。
点はとってもらわないと勝てないので

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マイクロサービスとオプション性

マイクロサービスとオプション性

タレブの反脆弱性をネタに今度はマイクロサービスを語ってみる。今回も思考実験である。大まかにはオプション性について議論する。もっとも、タレブの言うように「鳥の飛び方を人が解説する」ような話なのであまり信じないように。

オプション性オプション性というのは「投資をすることで将来に利得を確率的に得る」という話と理解している。オプション性には負のオプション性と正のオプション性がある。負のオプション性は将来

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カーネルとDIOの『世界』

カーネルとDIOの『世界』

マルチスレッドやカーネルプログラミングでは一つの世界観が必要になる。「ジョジョの奇妙な冒険」の第3部ラストのDIOとどう戦うのか?という世界観だ。※ここまでで判ると思うが真面目に読まないようにご注意下さい

昔は通じなかったが若者も最近はアニメで知っているようなので昔の与太話を引っ張り出してみよう。(以下、ネタバレしまくります

DIOの世界DIOはジャンプに連載されていた漫画「ジョジョの奇妙な冒

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サービスデザインとコップのデザイン

サービスデザインとコップのデザイン

ここ一年サービス開発などをしながらカスタマージャーニーマッピング等を何度かやったし、他人にも取り組んでもらっている。なぜやるのかは毎回説明するのだが、最近は図書館で借りた深澤直人さんのデザインに関する本の一節を使って説明するのが気に入ってるのでちょっと書いてみることにした。

サービスだけじゃなくてAPIや機能をデザインする時も基本的には同じアイデアだと思う。ただまぁ、私自身ヒットしたサービスを作

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メモリダンプと模様が見える男

10年以上前の昔話であり、そんなこともあったのねという話。あるいはエンタープライズサポートってそんなことやってるのねという話。

カーネルメモリダンプLinuxカーネルをエンタープライズに使おうとした企業、富士通やIBM、日立といった企業がこぞってカーネルに入れようとした機能がカーネルがパニックした時に「なぜコケたのか」調べるための機能であった。その最たるものがメモリダンプだった。この機能はカーネ

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OODA Loopと企業活動

OODA Loopと企業活動

OODA Loopという人間の行動様式に関する言葉がある。クラウドネイティブ系のカンファレンスだとたまに聴くことになるので今日は可能な範囲で書いてみることにする。まぁ底は浅いし、他所のサイトで読める話と同じ話かもしれない。ウィキペディア

Observe-Orient-Decide-ActOODAは人間の行動パターンを表していて、「観察する-可能性を探す-決断する-行動する」という戦闘機乗りの戦闘

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インターネットと先見の明の話

インターネットと先見の明の話

村井純教授の最終講義を読んでひとしきり感動した後、自分の先見の明の無さについて振り返ってみる話。この話はともかく最終講義は良い話なので是非読んでください。

90年代後半のOS研究90年代の後半、丁度Netscapeなんかが出てきたころ、私は大学の研究室で学生をしており、OSをテーマにしていた。その頃、OS研究の論文にHTTPとHTTP Serverに関するものやウェブそのもの、例えばドキュメント

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職種とグループワーク

職種とグループワーク

学生時代はずっと一人でコーディングしていたのでグループワークやスタジオワークってやつにちょっと憧れがあった。会社の面接でも「グループで何か作るってやってみたいですね」と言った覚えがある。入社してやったのはサポートとオープンソース開発だったがここ一年はスクラムっぽい形でサービスを作ってきた。それぞれのグループワーク感についてちょっと書いてみる。職場にもよるだろうけども。

サポート調査にあたるとき、

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なぜ企業はオープンソースと関わるべきか(rewrite)

企業がオープンソースに関わる理由は方々で語られている。もちろん多面的な見方があって然るべきなのだが、今回は不確実な未来に対応し利用するためのオプションという考え方を軸に説明する。

オプションもしくはオプション性というのはここではナシーム・ニコラス・タレブ著の「反脆弱性」という本に出てきた概念を指している。一つの思考実験として。

オプション性オプション性というのは「投資をすることで将来に利得を確

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OODAとPDCA

OODAとPDCA

たまに見かける?OODA対PDCAと言う話に参戦してみよう。まぁ比較するものじゃないので比べるのもあれなのだが。

OODAOODAはObject-Orient-Decide-Actの略であり、人間や集団の行動モデルである。「見てー考えてー決めてー動く」当たり前といえば当たり前である。

OODAは応用が重要で、パターンを組んで練習を繰り返せば考えなくても動くのでO->Aがショートカットできる。サ

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