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OODAとPDCA

たまに見かける?OODA対PDCAと言う話に参戦してみよう。まぁ比較するものじゃないので比べるのもあれなのだが。

OODA

OODAはObject-Orient-Decide-Actの略であり、人間や集団の行動モデルである。「見てー考えてー決めてー動く」当たり前といえば当たり前である。

OODAは応用が重要で、パターンを組んで練習を繰り返せば考えなくても動くのでO->Aがショートカットできる。サッカーのアイコンタクトとか。別の応用として相手に過剰な情報を与えるとか与えないとかをコントロールすることで「決められない」状況を作り出すことで相手を止める。決められないと動けない。同時多発テロとか。これを意図的に行う

OODAを使った戦略は自分は素早く動け、相手は動けない状況を作り出して短期的に相手をタコ殴りにし、一方的な勝利を目指す。砂漠の嵐作戦なんかが典型である。

OODAが教えるのは「軍団を素早く動かすには全体をミッションで統一し、現場指揮官の判断力を高め、情報共有を徹底し、臨機応変に動くこと」で一方的な勝利を目指しましょうということである。ちなみにOODA戦略を取る組織に対抗するには防衛側もOODAの要素を取り入れる必要がある。

最終的には自律的な組織を作るための組織論であろう。

PDCA

PDCAはPlan-Do-Check-Actを基本とする生産技術の品質管理の改善手法である。一般化すると、繰り返す同じ状況の中で自分や組織をどう高めるのかという手法とも言えるだろうか。

そもそも違うものなのにOODA v.s. PDCAなんてことになっているのは日本企業向けのビジネス書がPDCA,PDCAと言い過ぎた反動で、米国企業がOODAのアイデアを入れて攻めて来たので慌てているだけに見える。日本企業だって早いところは早い。昨日テレビで見たお菓子会社のシャトレーゼは商品化が会議で決まったその夜には店頭に新商品が並んでいるのである。

組織に置けるOODAの対立概念は組織の決定の階層構造、Command-And-ControlであってPDCAではない。現場で臨機応変に判断というところと計画を立ててというところを対立概念と感じるならアイゼンハワー大統領が金言を残している。

『Plan is nothing, Planning is everything.』

元大統領の金言という事で便利に使わせていただいている。第二次大戦当時の話で言うと「目標・計画を立てて戦場に戦艦を派遣するが船が戦場に着く頃には状況は変わっているので立てた計画は役に立たない、だが、計画を立てておかないと何を変えていいのかわからない。計画をたてる行動自体は重要だが計画って状況を見て絶えず変えていくのだよ」という話と解釈している。

計画は立てるものだが「何があっても」守り通すものではない。
※ということを社内で言うと殺されそうだが

計画は必ず守るものだと思っているとOODA組織の得意技である奇襲の格好の餌食になる。長期の計画ほど脆い。計画は変更可能でなくてはならない。Command-And-Controlだから細かな計画変更にも上司承認が必要で...って話だとしんどい。上司の顔色を伺って中止判断ができないとか。
※大目標は変えないほうがいいけども

PDCAも6ヶ月計画でと言っている間に特別な事象が起きたら普通は中断して考え直すだろうって考えるとそれだけのことであるとも言える。

と言うわけでOODAの話は組織論と結びつけて変にPDCAと絡めないほうがいいんじゃないかなぁ。

上司の判断をあおがない部隊を作りましょうというと本が売れないのでPDCAがターゲットになってるだけかもしれない。

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