kamezawa.hiroyuki

元Linux Kernelエンジニア。OSS開発等を経由して現在はサービス開発に従事。…

kamezawa.hiroyuki

元Linux Kernelエンジニア。OSS開発等を経由して現在はサービス開発に従事。広く浅くなタイプと自分では思ってます。

マガジン

  • 日々戯言

    エンジニア→マネージャー生活の中で考えてることなどの思考実験的な内容のコラムです。たまに関係ないことも書きます。

最近の記事

お手軽テレワークMattermost

twitterでmattermostのことを書くとリツイートしてもらえたので、ちょっと調子に乗って書いてみます。 今回はコンテナ版のmattermostを立てて、Tunaclo API Connectというサービスを使ってリモート接続をしてみます。普通に立ててもいいんですが、メリットとして - 簡単に構築できる - インターネットに公開不要/Firewallに穴を開けなくていい - エージェントを持ってる人しかつながらない というところですね。まぁTunacloはうちのサ

    • [書評]センスは知識から始まる

      先般、山口周さんと対談本を出されていた、デザイナーの水野学さんが2014年に上梓された本。 平積みになっていたのでなんとなく買った本ではあるのだが思いのほか面白い。まだ一回読んだだけだが、筆者は「センスのある・ないというのは勉強したか、していないか。何が普通で何が良くて何が悪いのかがわかることである」という。 芸術家にはなれなくても、勉強すれば芸術の目利きはできるようになる。そういうものを「センス」と呼ぶ。このネタ一本で本になっていて、たまに?とおもうところはあっても全体

      • [書評]まどわされない思考 -The Irrational Ape-

        なんとなく邦題が気に入らないのだが、本としては超お勧めできる。原題のIrrationalというのは「不合理な、馬鹿げた、道理のわからない」といった意味である。「まどわされない」思考様式が延々述べられるような本ではなく、大量の事件、歴史的なものから現代的なものまで、について振り返りながら科学やエビデンスに沿った考え方、社会に定着させる戦いの困難さについて述べている本である。 内容としては「科学v.s.ニセ科学」の戦いを中心に、社会は「正当な意見と愚にもつかない意見」をなぜ対等

        • Podman+tunaclo+cockpit

          CentOS8/podmanに初めて触れたのでやったことと感想など。 podmanとは何か?podmanというのはred hat社が開発しているdocker対抗のコンテナランタイムであり、もちろんオープンソース。dockerがdocker daemonとお話しをしてコンテナを立ち上げるのに対し、podmanはデーモンとは話さずにコマンドとして動作する。まだお勉強が足らないが、今回ちょっと触った感想として。 Pros - ユーザーモードで動作する Cons - デーモ

        お手軽テレワークMattermost

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        • 日々戯言
          31本

        記事

          リモートワークでWifi干渉

          ここしばらくリモートワークなのだけど(前からその気配はあったが)無線LANがブチブチ切れまくり、数分繋げなくなったり、たまにルーターが再起動している気配もする・・・のでルーターのログを見た。 2020-04-02 20:50:30 wless -24.ntc: stuckbeacon 2ch 2020-04-02 20:50:31 wless -24.ntc: stuckbeacon 2ch 2020-04-02 20:50:32 wless -24.ntc: stuckb

          リモートワークでWifi干渉

          書評「武器になる哲学」

          山口周さんの本は「NEW TYPE」「なぜ世界の経営者は美意識を鍛えるのか」に次いで3冊目だが、3冊も読んでれれば、まぁ、私も山口さんのファンということなのだろう。全体的には「読みやすさ+刺激的」を意図して書かれているのでどの本も面白く読める。 「武器になる哲学」の内容としてはツールとして使える五十の哲学や人文科学のアイデアを簡単に紹介しながら興味を掻き立てるような内容で、アジられることもそれほどなくお値段もお手頃なのでお薦めできる。 2020年3月現在、Kindle Un

          書評「武器になる哲学」

          エンタメ読解力とプログラミング

          プログラマーというと世間のイメージ的には論理的で数学が得意なタイプというのが相場なのではないだろうか?自分は理系だが数学より国語と英語で点を取れるタイプだったし、数学は得意ではない。このブログを読んでる人も私を論理的なタイプだとは思ってないだろう(笑)。 じゃぁどういうプログラマなのか? Teaching Assistantもともとプログラミングが得意なわけでもなかったが、大学生時代にやってよかったのはC言語プログラミング演習のTA(アシスタント)だった。TAと言っても練

          エンタメ読解力とプログラミング

          [書評]センスメイキング

          センスメイキングという本を丸善で見つけて手に取った。Amazon評価だと★1~★5まで付いているのには後から気が付いたのだけど。内容について見た後、なんで★1がつくのか触れてみる。 人文科学の力筆者はデータやアルゴリズム、デザイン思考?のような文脈自由なツールに頼るのではなく、現実世界の息吹、人、歴史などに敬意を払わなければ真の課題を見つけることができないという。 平たく言うと、こんな感じ。 ①ある商品に対するアメリカ人のニーズとインド人のニーズと日本人のニーズは異なる

          [書評]センスメイキング

          Undoで妄想する

          昨晩、昔どこかであったネタ投稿?を思い出した。こんなやつ。 「ジャニーズに"タッキーアンドウツバサとうグループがあり、滝沢さんと今井翼さんはよく見かけるのですが安藤さんはどこにいらっしゃるのでしょうか?もしファンの方の気分を害したらすいませんが・・・・・」 思い付きと勢いだけどUndoさんについて考えてみよう。 UndoエディタプログラムやOfficeを使っていてもそうだけど、なくてはならないのが"Undo"の機能である。やらかしてしまったことを無かったことにしてくれる

          Undoで妄想する

          絵を描く男とプログラミング

          あるプログラマのデザイン手法から妄想してみる話。 絵を描く男メンバーを公募で集めたりすると色んな能力の人と会う機会がある。私自身の進め方もあるが、人によって考えのまとめ方や進め方が違うのが面白い。 今回の話の技術リーダーはとにかく絵にする、というか構造をビジュアル化する。UMLなんかで書いて残してもいるだろうが、検討の間はホワイトボードフル回転である。描いて、消して、描いて、消す。 私はあまり描かない人なので何かコツがあるのかわからないが、まぁそれで議論が効率よく進むの

          絵を描く男とプログラミング

          オーバーマン キングゲイナー

          香川県のゲーム条例で盛り上がっている昨今、思い出すのは2002年に放送された「オーバーマン キングゲイナー」だ。ガンダムで有名な富野監督の一作であり、唯一DVDを揃えたアニメでもある。どんな作品だったか思い出してみる。盛大にネタバレします。 あらすじ世界的な環境破壊で人間が住める地域が厳格に世界政府に管理されている世界。政府の管理から逃げ出し、新天地・父祖の地を目指すエクソダス運動が人々を駆り立てていた。主人公の少年ゲイナー・サンガは両親が殺されて以来引きこもってゲーム漬け

          オーバーマン キングゲイナー

          kqueue

          柔らかプログラマを受けつつ、90年代の話。OS開発や基盤ソフト開発の楽しみというか、API designの勝利、ということで大好きなkqueueの話がある。この論文を参照。これはBSDで起きた発明で、Linuxだとepollというセクシーじゃない名前になっている(ちょっと残念)んだけど、説明してみよう。 ファイルディスクリプタUNIX系のOSではデータの塊にアクセスする際にファイルディスクリプタという数値のシンボルを使い、ネットワークプログラミングでも利用される。ファイルデ

          第四の子豚

          むかしむかし、あるところに子豚の四兄弟が住んでいました。街の雑踏に飽きた四兄弟は郊外の原っぱを買い取り、それぞれ家を立て、移り住むことにことにしました。この街は気温も低くてエアコン代も助かりそうです。最近は電気代もバカになりません。 長男の子豚は遊び人、原っぱに着くと買ってきたわらの束を集め、さっさと藁の家を建てました。住むには十分な家がすぐにできました。そしてさっさと遊びに出掛けます。 次男の子豚は常識人、大工を集めて木造の家を建てました。人の暖かみのある快適な家ができ

          第四の子豚

          さよならレンガの家

          あるいは有名童話のクラウド対応について クラウドと手品師と魔法使いクラウド対応方針ってことで、最初に手品師と魔法使いを比べてみる。どちらがクラウドっぽいか? 手品師:訓練をした鳩を体のあちこちに詰め込む 魔法使い:呪文を唱えて森から動物を呼び出す。 鳩を入手して一つ一つ調教してそれそれに役割を与え、ネタの数だけ鳩をあらかじめ仕込むのか、呪文を唱えて(普段は餌もやりもしない)森の動物を呼び出し、魔法の命令通りに躍らせるのか? マシンを入手して丹念に仕込み有限のリソースで

          さよならレンガの家

          「これでいい」の話

          以前、コップの話を書いたけども深澤直人氏といえば無印良品の話が面白いので紹介してみる。オチは無い話である。 無印良品無印良品のコンセプトはここに説明されているのだが冒頭から面白い。ちょっと抜粋してみよう。 「これがいい」「これでなくてはいけない」というような強い嗜好性を誘う商品づくりではありません。無印良品が目指しているのは「これがいい」ではなく「これでいい」という理性的な満足感をお客さまに持っていただくこと。つまり「が」ではなく「で」なのです。 自分としてはこの歳にな

          「これでいい」の話

          柔らかプログラマ

          後輩にどうしたら柔らかく発想できるようになるのかと訊かれて一席ぶった話というか、自分のコツの説明を試みる話。この前書いたカーネル話を受けて。 ①何もしない、もしくはサボる性能改善なんかをやってると段々と解ってくるが、あるプログラムを速くしようと思ったらボトルネックを見つけてそこを改善する。しかし真面目に改善の前に考えることが一つある。必要のないことをしてませんか? コードを眺めて高速化する前に考えたいのはそのコードを丸々取り去れないのかということだ。ちょっとしたトリックで

          柔らかプログラマ