見出し画像

さよならレンガの家

あるいは有名童話のクラウド対応について

クラウドと手品師と魔法使い

クラウド対応方針ってことで、最初に手品師と魔法使いを比べてみる。どちらがクラウドっぽいか?

手品師:訓練をした鳩を体のあちこちに詰め込む
魔法使い:呪文を唱えて森から動物を呼び出す。

鳩を入手して一つ一つ調教してそれそれに役割を与え、ネタの数だけ鳩をあらかじめ仕込むのか、呪文を唱えて(普段は餌もやりもしない)森の動物を呼び出し、魔法の命令通りに躍らせるのか?

マシンを入手して丹念に仕込み有限のリソースでやりくりするのがクラウド以前だとすると、アプリケーションがAPIを呼び出すとリソースが割り当たりやりたいこと実現するのがクラウド以後、というわけで魔法使いのほうがクラウドっぽい。

方針として登場人物を魔法使い化する。
魔法使いの考え方とはいかなるものか?

レンガの家と藁の家

ご存知の三匹の子豚という話では、長男が藁の家を建て、次男が木造の家、三男がレンガの家を建て、狼に襲われる。長男と次男の家は狼に壊されてしまうが三男の家を狼は壊すことができずに三男は助かる。面倒がらずにコツコツ頑丈なものを作りましょうって話だ。

ちょっと整理してみる。

レンガの家:非常に硬く、こわれにくい。作るのに時間がかかる。
藁の家:脆いけれどすぐに作れる。
木の家:その中間

三匹の子豚を読んでいるとレンガの家サイコーだよねって話なわけだが忘れがちな話がある。

狼が強すぎてレンガの家が壊れる事だってないとは言えない。あの狼が最強の鼻息の持ち主って保証はない。レンガだってひとつミスすれば強度なんてでないかもしれない。プラックスワンは居る。

じゃぁ子豚はどんな家に住めばいいのか?
4匹目の子豚が魔法使いならどんな家を建てるか?

地域を分散して大量に作っておく、狼が壊すより早く作り続ける、そんな事が可能だろうか。ひょっとしたら狼が来たら自動でスケールアウトするかもしれないし、1つ壊されたら2つ増えるかもしれないし、壊れたら自動で直るかもしれない。

一つ一つ手作業で組み上げるのじゃなく、勝手に材料が集まって家を作っていく魔法仕掛けの世界。

クラウドネイティブな子豚は
- 呪文で無限のリソースを呼び出しながら
- 呪文で家を自動構築するスクリプトを組み
- ストレスに対してスケールアウトで備え
- 一か所つぶされても死の危険を感じない
- たとえ破壊されても自動で復旧する
ような雲の家を建てる。
(それは家か?というのは置いといて)

さよならレンガの家。ITエンジニアには三匹の子豚に代わる4匹目が必要である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?