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タルト・オ・シトロン

レモンとアーモンドのタルト「タルト・オ・シトロン」。
バターたっぷりでさくさくほろっとしたタルト生地、アーモンドプードルをふんだんに使ったクレームダマンドにはオーガニックレモンを加えています。最後にアプリコットジャムを塗って完成。これを作ると1ホールあっという間に食べてしまいます。危険…;
今までタルトを何となくで作っていたのですが、ちゃんと教わって作ってみたら、「こんなに美味しいんだ!」と感動するものが出来上がりました。
配合がシェフのオリジナルで特殊(ガレット・ブルトンヌに近い)で、通常のたるとよりバターがたっぷり使われています。なので、生地の扱いにより気をつけないといけないのですが、バターが多いと口に入れたときにほろっと崩れる絶妙な固さで本当に美味しいのです。配合は異なっても作り方のコツは共通していると思いますので、今回も簡単にまとめたいと思います。

<タルト・オ・シトロンの作り方の手順とコツ>
~クレームダマンド(アーモンドクリーム)~
1.ボウルにグラニュー糖とアーモンドプードルを入れてよく混ぜ合わせておく。
2.別のボウルにバターを入れてポマード状にする。
3.バターをミキサー低速でほぐす。
4.3.に1.を半分量ほど加え、ミキサー低速でざっくり混ぜる。残りを加え同じようにざっくり混ぜる。
5.卵を3回に分けて加え、その都度ざっくり混ぜる。
6.最後にミキサー中速にし、数秒でしっかり混ぜる。
7.ボウルの底に混ぜ切れてないものが残らないように、手をつっこみ底から混ぜる。手にだまが感じない状態になっていたらOK。
8.密閉できるタッパーなどに入れて、上表面にラップをし、その上から蓋を閉める。
9.冷蔵庫で一晩寝かせる。

※分離しやすいので油脂(バター、アーモンドプードル)の扱いに注意
・1.でグラニュー糖とアーモンドプードルは混ぜ合わせた状態にすること。しっかり混ぜておかないと、4.で加えたときに分離がしやすくなってしまいます。
・2.でポマードにする時は、冷蔵庫から出したバターを室内に置いて常温にするより、電子レンジで10秒毎に様子を見ながら温めて柔らかくする方が実は良い状態で失敗が少なくなります。常温で置いておくと中は冷たいのに表面ばかりが溶けてきてしまいます。
・9.で一晩冷蔵庫で寝かすのはこちらはマストです。下記のシュクレは最低2時間以上寝かせればOkですが、クレームダマンドは油脂が多いので一晩ちゃんと寝かせましょう。

~パート・シュクレ(タルト生地)~
準備:バターはスライスした状態で直前まで冷蔵庫で冷やす。
1.ボウルに粉砂糖、塩を入れ、卵黄を加える。ミキサー低速で混ぜる。(3つがしっかり混ざるまで)
2.ミキサー中速にして混ぜながら、冷えたバターを1つずつ加えていく。
3.薄力粉を振るいながら加える。
4.ミキサー低速で軽く混ぜてから、牛乳を一気に加える。
5.生地がまとまったら止めて、打ち粉をした台に生地を乗せる。
6.生地の上にも打ち粉をかけて、手で生地をまとめていく。まとめ方は、生地の真ん中を左親指で押さえ、そこから手前に折るように右手で生地を2つ折にする。生地の向きを90°回転させ、同じように2つ折り。また向きを90°回転させ、2つ折りと25回ほど手早く繰り返す。合間に打ち粉をかけて生地がだれないようにすること。
7.生地をひとまとめにし、ラップにくるんで冷蔵庫で一晩寝かせる。(すぐに使用したい場合は、最低2時間以上寝かせる。)

※最後までバターを溶かさないこと
・必ず冷えた状態のバターを使う。ハンドミキサーだと難しいので、できればスタンドミキサーがあると作業が楽にできます。
・6.の作業は手早く、触る回数・時間を最小に抑えるイメージで。時間をかけたり触る回数が多いと、バターが溶け出してきてしまいます。生地がつやつやしてきてしまったら溶けている証拠なので、つやが出ないうちに作業を終え、冷蔵庫に寝かせるようにしましょう。
・室内の温度は低めに。夏場は、この作業の時だけはクーラーを強めにかけることをお勧めします。

※打ち粉は強力粉を使用すること
・生地には薄力粉を使っていますが、打ち粉には強力粉(カメリヤなど)を使用しましょう。薄力粉を使用すると、薄力粉は吸収されやすいため余分な粉が生地に含まれて食感が固くなってしまいます。

~タルト・オ・シトロン~
1.打ち粉をした台の上で一晩寝かせたシュクレを手でほぐしてからめん棒でのし、3mmの厚さにする。
2.生地の両面にピケする。(ローラーやフォークなどで穴を開ける。)
3.タルト型に生地を敷きこむ。
4.一晩寝かせたクレームダマンドをボウルに入れ、レモン果汁、レモンの皮またはレモンパウダーを加え、ゴムベラで馴染ませるように混ぜる。ダマンドにレモンを吸わせ、皮も全体的に混ざるように。
5.3.のタルト生地にクレームダマンドをゴムベラで入れ、表面が平らになるようにのばす。
6.アーモンドスライスを真ん中を除いて全体的に散らして乗せる。飾りになるので形の良い欠けていないものを選びましょう。真ん中はカットする時に邪魔になってしまうので乗せないほうが良いです。
7.予熱したオーブンに入れて、180℃ファン有りで20分、タルトの向きを前後変えて+10分、180℃ファンなしで15分焼く。焦げるぎりぎり手前まで焼くのがフランス菓子。しっかり底にも焼き色がつくまで焼きます。
8.オーブンから出したら型から取り出し、冷ます。(焼きたてのタルト土台は柔らかいので注意して取り出す。)
9.完全に冷めたら、上塗りするナパージュを作る。
10.アプリコットジャムと少量の水を鍋に入れて火にかけ、ゴムベラで焦げないように混ぜる。完全に溶けて沸騰したら、鍋から外す。
11.刷毛でタルトの表面に塗る。

※タルト生地を膨らませず、底もしっかり焼くためには
・2.で上になる片側だけでなく、両面をピケすることで、空気が抜けてタルト生地が浮いて膨らまずに焼けます。また熱が伝わりにくく生焼けになりがちな底にもしっかり熱が通り、焼き色がつきます。

※タルト型への敷きこみ方
・3.で敷きこむコツは、生地をタルト型に一旦乗せた後、左手で生地をたるませながら右親指で型の側面に沿って押さえていき、一周させます。

※ナパージュの塗り方
・11.は表面に塗りつけるというより、ジャムを落とすように塗ると綺麗にできます。同じ面を何度も塗ると汚くなってしまうので1回塗りにしましょう。

最後に。私が知らなかっただけなのですが、アーモンドパウダーは冷蔵保管ということを今回初めて知りました。常温だと風味が落ちていってしまうそうです。恥ずかしい話ですが、今まで常温保管していました。。。

タルト生地とクレームダマンドが作れるようになると、季節の果物を上に乗せてフルーツタルトにしたり、一緒に焼きこんだりとバリエーションが拡がります。美味しいタルトを作れるようにこれから研究していきたいです。

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