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文章を書く上での情報の整理と余白

noteを読んでいると
たまに、とても読み辛い文に遭遇する
2度見ならぬ2度読みをして
それでも頭の中が〝???〟となる

さてはて、これは何を書きたいのだろう?
きっと伝えたい思いはあるのだろうが
文章の読解が必要だ

大抵の場合は、

いろんなことを1つの文に詰め込み過ぎている

情報の整理が上手くできていない

といったところだが

ここに誤字、脱字なんかが絡んでくると
さらに難解なものとなる

人は、自分の文章の不備には
なかなか気づきにくい
ものである

私が関わってきたテレビ番組制作における
ナレーションも同じことが言える
ナレーションも文章であることに変わらない

情報の欠けがないか過多がないか
伝えたいことがちゃんと伝わっているか

そのためにも編集マンの私が相談にのる
いわば最初の視聴者であり
視聴者の代表である

ディレクターは、ナレーションを書くまでに
最初に番組を企画し
リサーチしながら企画書を書きあげ
取材をしてロケをする

ナレーションを書く時点では
既に有り余る知識を持っている

さらに、本人の思い入れもある

まさに、書きたくて伝えたくて 
しょうがない状態にある
書きたい伝えたい想いが溢れているのだ

しかし、番組を見てくれる人は
興味を持つなどして前もって
チェックしてくれている人ばかりではない

たまたまテレビをつけたら番組がやっていた
という人にも興味を持って見てもらわないと
視聴率が上がらない

予備知識も興味もない人にもわかり易く
興味を持ってもらう
ように
ナレーションで導入しなくてはならない

共感を得なければ興味はもってもらえない
その為にはバックボーンも
理解してもらう必要があるが

いかんせん、
番組というものは時間に限りがある

そこで大事になるのが
情報と余白のバランス
だと私は思っている

情報は大事だが、
情報ばかり詰め込んでは
見ている方が疲弊してしまう

理解するには、そのための時間が必要だし

共感が欲しいがために説明ばかりされたら
自分と重ねたり、想いを馳せたりする
時間が奪われてしまう

そして、すべてを明解にすることは
人に考える余地を与えないことに
等しいと言えるとも思っている

情報は簡潔にしつつ、余白を与える
情報と余白のバランス
わかり易い良い文章を書くにも
同じことが大切なのかも知れない

情報を読みやすくするには
助詞が重要
となると思っている

noteで見かけていいなと思って
購入したものの
まだほとんど読めていない本
『文章が劇的にウマくなる「接続詞」』

その中に、共感するコラムがあった

インターネットには雑な使い方をした
助詞が散見されます

まさに、その通りだ

助詞とは、いわゆる『てにをは』の事

残念なことに、こちらのコラムでは
助詞の用途や違いを理論的に暗記するのは
不可能
としている

では、どうすればいいか?

コラムでは
頭で考えるのではなく、
感覚的に助詞の使いわけができるように
なることが大切
であるとし

助詞の選択眼を養うために 
プロの校正者が
目を通した文章(新聞や書籍)
を読んで
『的確に助詞を使った文章』に
日常的にふれる
ことを推奨していた

助詞の使い方の中でも
注意をした方がよいと私が思うものに
助詞の連続使用がある

この本でも〝「の」連続使用に注意〟
と項目を立てて説明している

〈良くない例〉
打ち合わせ場所は、A社向かい竹本ビル内2階人気カフェ「禅」個室はいかがでしょう。

と「の」が6個も使われた文をあげ
それを読みやすくする例として下の改善例が
書かれていた

〈改善例〉
打ち合わせ場所は、A社の向かいにある竹本ビル内(2階)の人気カフェ「禅」でいかがでしょうか。個室を押さえておきます。

改善のポイントとして

「の」の数を減らすべく
「向かい」→「向かいにある」
「竹本ビル内の2階」→「竹本ビル内(2階)」
「人気のカフェ」→「人気カフェ」
のように、表現を工夫しました。
また、句点(マル)で文章を区切って、
個室の件は、補足扱いにしました。
結果、「の」の数は2つに減り、
すっきりとした読みやすい文章になりました。
文章が劇的にウマくなる「接続詞」

となっていたが、、、、
私的には、〈改善例〉でもまだまだ不満である
まだ不必要な部分と必要な部分が
整理できていない
という印象がある
そして、省略し過ぎな部分も

「竹本ビル内の2階」
 →「竹本ビル内(2階)」
となっているが〝内〟は重要なのか?
「竹本ビル2階」で十分だと思う
その方が、読んだ印象がすっきりする

そして、悩ましいのが
「人気のカフェ」→「人気カフェ」
確かに、「の」を抜いても意味は伝わるが
単に「の」を抜いただけだ

なぜ〝人気〟を入れる必要があるかに
立ち返って取捨選択が必要ではないか?

そうなると
どんな相手に宛てた文章かが重要になる

もし得意先だとしたら必要ない気もする
敢えて入れるのは、少しいやらしいので

もし入れるなら、もう少し情緒が欲しい

入れるパターンで考えると

打ち合わせ場所は、
A社の向かいにある竹本ビル2階の
カフェ「禅」はいかがでしょう。 
落ち着いた雰囲気で人気のあるカフェです。
個室もあるので、そちらを予約しておきます。

どうせ〝人気〟を入れるなら
それに付属する情報がある方が親切だし
〝落ち着いた雰囲気〟〝個室〟という情報で
ゆっくりと打ち合わせがしたいという
こちら側の意図や配慮が伝わるし
人気のカフェを苦労して押さえたことも
察してくれるかも知れない
それだけの価値を相手に感じているという
ことも伝わるかも知れない

しかし、押し付けがましくはしたくない
ということで

「個室を押さえておきます」
→「個室もあるので、
  そちらを予約しておきます」

としてみた
少し、柔らかさが出たように思う

多少文字数は多くなるが、
「の」が連続する文よりも
すらすらと読めると思うのだが
いかがだろうか?

長々と書いてしまったが
もし文章を書くヒントになれば幸いだと思う



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