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【中学受験】鹿島臨海工業地帯と佐原の旅①佐原編

旅のあらまし

私が一度見に行きたいなーと思っていたのが夜の化学工場で、どちらかというと受験を言い訳にかーさんがいってみたいニッチネタをねじ込んだ感じです。「工場萌え」って本があったりして結構あるあるジャンルのようです。夜の首都高などでも美しい夜の工場見えたりしますよねー。車で通りすぎると一瞬なので常々近くでじっくり見たいと思っていたのです。
今回の旅は下記の通り、アクアラインで千葉にはいり利根川渡って茨城県鹿島臨海工業地帯を目指します。

  • 水郷佐原・伊能忠敬

  • 関東最東端・銚子で360°パノラマビュー

  • 鹿島臨海工業地帯のY字型堀込港と夜景を堪能する

最初の目的地〜水郷・佐原


舟からの臨む街の風景もまた格別

東京アクアラインを渡って千葉へ。我が家からはアクアラインから佐原は遠回りなのですが、アクアラインを渡って海ほたるから東京湾を臨んだり、川崎の京浜工業地帯から京葉工業地域を娘に見せたかったのでこのルートにしました。
佐原市は2006年の平成の大合併で併合され千葉県香取市となりました。保存された古い街並と水路を行き交う船、江戸の風情が残るとても美しい町です。利根川を利用した水運で大いに栄えたとのこと。ん?利根川と江戸って、、、、繋がってたっけ?と、地図で見ると繋がってない。そういえば江戸幕府は大胆な治水事業を行っていたはず。と、、調べたところ、古来利根川は太平洋ではなく、江戸湾(現在の東京湾)に注いでいたとのこと(*1)。日本一の広い川、利根川と荒川が交わり洪水の危険があった(*2)ことから利根川を約60年かけて順次東側に付け替え流れを変えたということです。(利根川の東遷)

佐原がどの時代にどのルートで江戸と繋がって栄えたのかはもう少し踏み込んだ調査が必要ですが、一旦はここまで。沼地だった関東平野の川の流れまで変えてしまうという大胆な治水事業。家康、、、500年前にそんな事業するなんてスケール大きすぎでしょう、、、!!

伊能忠敬と佐原


伊能忠敬 眼力すごい、、、

佐原を訪れるまでは伊能忠敬といえば日本を測量して地図をつくった、、、くらいの浅い知識しかありませんでした。佐原に伊能忠敬記念館があることも知らず偶然見つけて、受験にも関係しそうだという下心満載で行ってみたのです。が、大人のセカンドキャリアを考えさせられる、自分としてもとても響く内容でした。

伊能忠敬は佐原の生まれではなく現在の千葉県山武郡九十九里町の生まれ。造酒屋の次男で父親は婿養子。母親が亡くなったあとは叔父が継いだために父親と実家に戻ったり親戚を転々としたり。17歳のときに跡取りがいなくなった佐原の伊能家へ婿入り。田沼意次が強い力を持つようになっていった時代。忠敬は地域のいざこざをまとめたり、厳しい税制に勘定奉行所と交渉したり、天明の大飢饉を乗り越えるなど現役時代は商人として佐原に大きく貢献した。そして家業をやり遂げ満を持して50歳のときに暦学の道へ。(松平定信の時代)江戸へ出て19歳年下の幕府の天文方、高橋至時に弟子入り、寝る間を惜しんで天文観測や測量の勉強をしていたという。(*3) 

江戸時代の平均余命の記録はないが厚労省が出している最も古い明治中期の平均余命(*4)は65〜70歳程度なので江戸時代ざっくり55歳〜65歳といったところか。後何年生きられるかわからないような年齢に達してから新しいことを学ぶ。しかも年下に。引退時には大きな財産も築いていたというから、地位をリセットして下っ端からのゼロスタートなんて今の時代でもなかなか出来ることではない。ここでは書ききれないけど忠敬の三代前の伊能景利が与えた影響などwikipediaを読むだけでも胸熱ストーリーがたくさんです。

果たして自分はこんなセカンドキャリアを歩めるのか。またそこまで熱量を持てるなにかを探せるのだろうかといった思いで伊能忠敬の測量の世界、そして巨大な伊能図を見入ったのでした。

伊能忠敬の測量は最初は少人数で行って、何をしているのかわからないので怪しまれたりといったことがあったが、だんだん認知度もあがり幕府のお墨付きとなってからはお供の者がオラオラしはじめてしまう、といったくだりもあったような気がします。(数年前の訪問なので詳細わすれてしまいました。また行きたい)スタートアップから大企業病にかかるみたいなこともいつの時代も同じだな、、、。
命尽きる寸前まで測量を続けたその熱量にセカンドキャリアを意識し始めるお年頃としてはとても響く内容でした。

展示内容も素晴らしく、常設展でも国宝の一部が、企画展では多くの国宝を視ることが出来ます。伊能図では地図記号が用いられ、細かく記載された寺や神社、港といった記号を探すのも楽しかったです。

中学受験に関係しそうなキーワード

京浜工業地帯、京葉工業地域、東京アクアライン、海ほたる、日本一広い利根川、利根川の別名「坂東太郎」、伊能忠敬、浅間山の大噴火、天明の大飢饉、江戸の治水、徳川家康、平成の大合併、田沼意次、松平定信、地図記号、シーボルト

おまけ 佐原のうなぎ

佐原はうなぎが有名なのですが、お腹が空いた頃にお店をさがすとうなぎにはありつけません。予約するなり、早めに問い合わせるなど対策が必要です。平日に関わらず混んでいるそうなので注意が必要です。

引用

*1 利根川上流河川事務所 利根川の紹介 利根川の東遷
*2「江戸と水」徳仁親王 地学雑誌
*3  wikipedia 伊能忠敬
*4  厚生労働省 第19回生命表


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